スポーツメディカルコンプライアンス協会

昨年、スポーツ界で様々な問題が話題になりました。
多くの問題がたまたま昨年重なったのではなく、今まで問題にならなかったことが問題になるようになってきたということだと思います。

30年前は水を飲ませてもらえないのが当たり前でした。
20年前は殴られるのが当たり前でした。
10年前は長時間のやり込む練習が当たり前でした。
今は、週2日の休みを入れた短時間練習が広まりつつあります。

インターネットの発達により、今までよりも格段に環境が変化するスピードが速くなってきています。

子供たちのスポーツ活動現場では、教育方針や指導方針のアップデートが間に合わず、現在にそぐわない事が多く起こってきています。
子供のスポーツ離れが進んでいる原因のひとつに、時代が変わってもスポーツの指導環境が変わらないということもあると思います。

 

そんな現状を見て、子供たちが安心してスポーツに取り組めるように、早急にスポーツ環境を整備し、子供たちの未来を守る必要があると考えました。

そこで、子供の適切なスポーツ環境を整備するために
「スポーツメディカルコンプライアンス協会」
を立ち上げることにしました。

この協会の最大の目的は、指導者をコーチングパートナーとして迎え入れ、子供の適切なスポーツ環境を整備するということです。
コンプライアンスガイドラインを知ってもらうことと、もうひとつは、医学的な視点から見たメディカルコンプライアンスを知ってもらい、現場で活かしてもらうことです。

 

ボランティアコーチによって支えられているのが日本の子供たちのスポーツ現場の現状です。

これだけ暴力、暴言の断絶が叫ばれる中、なかなか暴力、暴言がなくなりません。
それは、指導者自身が競技者時代、その指導にしか触れてこなかったために、強制、命令、暴力以外の指導を知らないということがあると思います。

そのようなコンプライアンスガイドラインを知らないボランティアコーチがたくさん存在しています。

それと同様に知られていないのが、医学的に見た子供の成長に合わせた練習です。
部活動におけるガイドラインが出されていますが、長時間練習や、ただ量をやり込む練習が横行して、怪我が絶えません。
また、スポーツ人口が減少している中で、人数の少ない学童野球チームでは小学1年生から小学6年生までが同じ時間、同じ練習メニューを行っているチームも少なくありません。

コーチたちも悪気があってそのような事をやっている訳ではなく、自分がやってきた練習しかわからず、昔の記憶を頼りに、それをそのままやらせています。
そのため、多くの子供たちにとって、成長阻害、疲労の蓄積による怪我の恐れがある練習などが当たり前のように行われています。
プロで活躍する選手の多くも怪我との戦いであり、それは子供の時に行っていた過度な練習によるものが多くあるのも否めません。
指導者に指示された練習メニューに子供たちは「NO」とは言わずに取り組みます。
しかし、これも指導者は怪我をさせようと思い、行っているのではなく、その選手のためになると思って行っています。

今起きている問題の多くは、自分がやってきたことしか知らないレベルの指導者が多いからです。
しかし、そのような指導者が悪いのではなく、ただ学ぶ場がないからです。
ボランティアにもかかわらず、子供を成長させようと一生懸命な指導者はたくさんいます。
そのような方たちをに、学ぶ場を提供することで、現在に合った知識を持った指導者になっていただくべきではないでしょうか。

 

スポーツメディカルコンプライアンス協会は、そういった指導者や保護者達へ、適切な知識、子供たちに多い症例等を、専門の医師を中心にプログラムとして作り上げ、それを学び、現場での指導に役立てていただきたいと考えています。

具体的には、文部科学省から発信されているコンプライアンスガイドラインと過度な負荷練習などによる成長阻害や怪我、故障から子供たちを守るため、医学的側面から子供たちの身体、心の成長を理解するメディカルコンプライアンスをeラーニングにより学んでいただくことを考えています。
スポーツ医学に強いドクターの協力を得て指導プログラムを作成し、その指導プログラムをもとに教材動画を作成します。
その動画を見ながら学習し、メディカル&コンプライアンスの理解を深めていただきたいと考えています。

日本の子供たちのスポーツチームは、ボランティアコーチが中心なので、パソコンやタブレット、スマートフォンなどインターネットの繋がる環境があればどこでも学習ができる環境づくりが必要と考えました。

その後、試験をし、合格者に当協会から発行される認定証を付与し、そのライセンス所得者は当協会HPにより公開します。
そうすることで、親御さんに安心して子供の預け先として確認していただきたく思います。

 

今、このような思いで動き始めましたが、このスポーツメディカルコンプライアンス協会が完全に動き出すにはまだ時間がかかりますが、ぜひ多くの方に賛同いただきたいと思っています。

どうぞよろしくお願いいたします。

~目先の一勝よりも大切なこと~