スポーツパーソンシップ教育

今回はスポーツパーソンシップ教育について書きたいと思います。

日本では、スポーツパーソンシップを教えてもらうということはなかなかありません。
スポーツパーソンシップを全く考えずにスポーツに関わっている人も多くいます。

そこに日本のスポーツの問題点があり、スポーツパーソンシップ教育が今後の日本のスポーツのさらなる発展や普及につながるのではないかと思います。

前回の投稿(スポーツパーソンシップとは)でスポーツパーソンシップとは、スポーツの本質であり、スポーツの価値そのものだと言いました。
優れた人格を身に付けるための心構えであり、スポーツを通じて少しずつ身に付ける人格的な総合力であるとも言いました。

スポーツパーソンシップを学ぶことで、スポーツの価値を上げることや人格的な総合力を上げることにつながります。
スポーツを手段に生きていく力を育むことができると言えます。

なぜスポーツパーソンシップを学ぶことで生きていく力を育むことができるのかというと、19世紀後半のイギリスのパブリックスクールでは、「社会的な能力」を身に付けるための教育ソフトとしてスポーツを行っていたと言われています。リーダーシップ教育や中間管理職の人材育成にスポーツを取り入れていました。
これはひとつの例ですが、このことからも社会で必要とされるさまざまな能力や精神がスポーツを通じて身につけることができると言えると思います。

スポーツパーソンシップとは、前回の「スポーツパーソンシップとは」で説明したように、自分を取り巻く様々なものを「尊重する」ということです。

「感情の抑制」「相手に対する思いやり」「フェアプレー」は自分やチームや相手を客観的に見て、尊重することが大切になります。
それにより、自分や他人を冷静に評価することができ、違う立場や価値観の人の存在を認めることができます。

フェアプレーを学ぶことにより、社会のルールを尊重し、フェアに行動することにつながります。

謙虚さを学び、自分を過大評価しないようにするだけでなく、自分自身を把握し、自らの長所を伸ばしながら短所を補うことができるようになります。
負けた時や思い通りにならなかった時に、冷静になって本当の敗因や原因を探り、それを克服するための方法を考え、実践することにより立ち直る力や挑戦する勇気を育むことができます。
この、立ち直る力や失敗を恐れずに挑戦する勇気は生きていく上でとても重要な力だと思います。

また、エモーショナル・リテラシーと言われる、感情に振り回されるのではなく、自らの感情を理解し、使いこなすことができる能力や自己管理能力、自らの感情だけでなく他人の感情を想像できるようになり、思いやり等も育むことができます。

スポーツに参加することで得られる喜びや楽しさを感じ、スポーツの最中、スポーツ後に「自分」「チーム」「相手」を客観的に評価し、振り返り、次に備えて目標を定め、努力をすることで新たなスタートとなり、スポーツにおける燃え尽き症候群の減少にもつながるのではないかと思います。

弱いものいじめせず、フェアプレーを貫き、立派な行いをすることがスポーツであり、違う立場や価値観の人を尊重することにより、いじめや暴力、パワハラ、セクハラ等のハラスメントに対しても効果があるのではないでしょうか。

言い訳や悪口を言ったり、価値観の違う人を攻撃したり、すぐにイライラする人などはスポーツパーソンシップを実践できていないと言えます。

このようにスポーツパーソンシップ教育はスポーツ現場だけでなく、実社会において役に立つと思われる社会性を教育することができます。
スポーツを通じ、選手の身体機能や身体操作を向上させるだけではなく、スポーツに関わる人の、人格、社会を円滑に動かしていく力などの強化もしなければなりません。

優れた人格を育むための方法を広め、スポーツを通じて、生きていくために必要な、知識やスキルを身につける方法を学ぶことがスポーツパーソンシップ教育です。

部活や競技団体、競技連盟が抱える問題の解決策として、ルールを作るということも有効かもしれませんが、スポーツパーソンシップの意義と価値を説明し、スポーツパーソンシップを広く普及させることがもっと大切で本質的だと思います。

長年スポーツに関わってきて、スポーツの素晴らしさをもっと多くの人に知ってもらいたいと思うとともに、スポーツがさらに魅力あるものになっていくと信じています。
そのためにはスポーツパーソンシップを広め、スポーツの価値、スポーツをする人の価値を向上させていくことが重要であると思います。

スポーツパーソンシップ教育が広まっていくことを願って、数回に分けてスポーツパーソンシップについて書いてきました。

 

最後までお読みいただきどうもありがとうございました。

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