いよいよ夏の甲子園と言われる全国高校野球選手権大会が開幕します。
高校野球を初め、アマチュア野球は日本の野球の発展に大きな影響を与えてきました。
野球だけでなくスポーツの発展にとても貢献してきたと言えるのではないでしょうか。
今までやってきたやり方を土台に、次のステップに移ることで、よりスポーツの発展に影響を与えられるのではないかと思います。
そのためには、変えていかなくてはいけないことがあると思います。
これは、いままでのやり方がダメというわけではなく、次のステップに進む時期が来ているということです。
そんな考えを書いてみました。
多くの現場を見てきて、僕が1番に思うことは、選手の健康、安全を最優先してほしいということです。
最も大切にすることは、「選手の将来である」ということです。
高校野球の甲子園予選を見ていると、連投をして、何百球という球数を投げるのが当たり前になっています。
これは、大学野球でも、少年野球でも同じです。
子供たちや高校生という、まだまだ先のある選手の身体よりも、勝ちが優先されていることに、とても違和感を感じます。
甲子園で何百球投げたと話題になった選手のほとんどが、その後、肩や肘を壊しているという現状があります。
壊していないピッチャーの方が例外といってもいいくらい、多くの選手が肩や肘を壊しています。
壊れるという前例がたくさんあるにもかかわらず、対策をしないで、連投させ、何百球と投げさせるのは、怪我をしろと言っているのと同じだと思います。
さらに、よく見るのが、故障した選手は、治療やリハビリではなく、練習の手伝いに回すことです。
ただでさえ、好きな野球ができなく、精神的にも苦しんでいる選手に、追い打ちをかけるような行為であり、選手の気持ちを一切理解していないと言えると思います。
そういう選手が、やらなければならないことは、治療であり、リハビリです。
それをしっかりやらないと、復帰に時間がかかるだけでなく、復帰できないということも考えられます。
復帰したとしても、しっかりとした、リハビリがなければ、再発の可能性も高くなります。
チームのためを思うなら、練習を手伝うのではなく、チームのために、1日でも早くレベルアップした姿で復帰する、ということだと思います。
選手は、「壊れてもいいから投げたい」と言うかもしれません。
それを止めるのが指導者であり、周りの大人です。
僕は、もし仮に、「故障をしているが、最後だから無理してでも投げたい。」といったような、話をしてくる選手がいたら、「NO」と答えます。
僕も、怪我や故障をたくさん経験してきているので、その選手の気持ちは痛いほど理解できます。
しかし、何がその選手の為になるのかと考えると「全力で今できる、治療であり、リハビリをやる」ということになります。
例えそれが、その試合までに復帰できる可能性が0だとしても、全力で復帰を目指してほしいと思います。
そんな厳しい状況で、今できることに全力で向き合うことができたなら、それは何よりの財産になるからです。
今後の人生に間違えなくプラスになると思います。
また、野球がスポーツである以上、身体を壊してまでやる必要はないし、身体を壊すことを防がなければなりません。
それは、本人だけでなく、野球に関わる全ての人が、認識しなくてはならないことだと思います。
普段から、野球とはそういうもので、スポーツとはそういうものだと、教育していかなくてはなりません。
健康、安全を最優先するという意味では、猛暑の中の試合も対策が必要です。
一生に1度しかできない高校野球なのでどうするのがよいのかを大人が考えていかなくてはいけないと思います。
高校野球は観客動員を見ても、とても人気があります。
選手の安全だけでなく、応援に来る生徒や観客の健康、安全も一緒に考えていく必要があると思います。
野球に関わるすべての人に、スポーツパーソンシップと選手の将来を最優先するという意識があれば、野球界が今よりも、もっと発展していくのではないかと思います。