前回「投球に必要なスキル。」を説明しましたが、投手は投球以外にも試合に勝つためには、身につけておきたいスキルがあります。
投球技術を身につけるのと同様、この能力を身につけるために、今これをしていると思って練習に取り組むことが大切です。
今回は、前回の投稿で書いた投球以外で投手に必要なスキルを説明します。
投手が試合で関わるであろうプレーは以下です。
・ベースカバー
・打球処理
・バント処理
・バントシフト
・けん制球
・スチール阻止
・挟殺プレー
・カバーリング
今回も1つずつ説明していきます。
・ベースカバー
1塁ゴロの時の1塁のベースカバーです。
バッターランナーよりも早く、送球を捕りながらベースを踏むという技術です。
一塁手からだけでなく、1、2塁間の打球に対して、二塁手からの送球を捕ることもあります。
また、1塁ゴロのダブルプレーでは、遊撃手からの送球を捕ることもあります。
プロ野球では、1塁ゴロがいきそうな打者が打席に立つたびに、捕手や一塁手から「カバー遅れるな」と必ず声を掛けられます。
・打球処理
ゴロやライナーの打球に対する守備です。
捕るだけでなく、ダブルプレーを狙うときなどは捕ったら素早く、正確に投げることも要求されます。
優先は投球なので守備を重視するあまり、投球の質が落ちるのは本末転倒です。まずは自分のベストの投球をして、その中で守備をします。
1塁のベースカバーの声掛けもそうですが、ダブルプレーのときの確認もプロ野球は徹底しています。2塁に誰が入るのか、どこに投げるのか等の確認は、アマチュア野球よりもはるかに徹底しています。
プロ野球選手とは、アマチュア選手ができないようなプレーをすると思われがちですが、もちろんそれもありますが、それ以上に、単純な慣れてしまうようなプレーに対して、全力で準備できることでもあります。
・バント処理
バントに対する対応です。
読み。ボールを捕球するまでの速さ。捕球から送球をまでの速さ。送球を含めた正確性などからなります。
視覚と聴覚を使った判断力もスキルになります。
・バントシフト
野手との連携プレーなので、自分のタイミングだけでは投げられません。
野手とのタイミングを合わせ、自分の持っている投球をできなければなりません。
相手がどう動くのかを感じ、それに対応します。
・けん制球
タイミング、ターンの速さ、球の速さ、正確性、等が重要です。
2塁や3塁へのけん制球では、野手とタイミングを合わせることをしなければなりません。
・スチール阻止
間、タイミング、クイックモーション、けん制、等の組み合わせによりランナーにスタートを切らせないようにします。
けん制球を投げる雰囲気(気配)や打者に投球する雰囲気を出さないということも重要です。
ランナー1塁3塁のダブルスチール時のサインプレーもあります。
・挟殺プレー
ランナーを塁間に挟んだ時のプレーです。
判断力と走りながら投げたりするスキルが必要です。
チームによって決まり事が違うので、それを理解した上でプレーを選択します。
・カバーリング
ホームや3塁(時には1塁)への送球の暴投に備えてバックアップするということです。
特に試合では、打たれたショックからスタートが遅れがちになりますが、そこを如何に早くカバーにいけるかで、傷口を広げずに済みます。
これらは、自分自身を助けるプレーであり、チームを助けるプレーです。
ただ、間違えてほしくないのは、投手のスキルの優先順位は、前回の投稿で書いた、投球に必要なスキルです。
どちらも大切ですが、まずは投球のスキルがなければ試合にも出られないし、上のレベルにもいけません。
勝利に最も近づくのも投球のスキルを上げることです。
年俸約30億円の大リーグ屈指のピッチャーであるジョン・レスター投手は先発ピッチャーでありながら、フィールディングやけん制球ができません。
けん制球に関しては年間で1度も投げなかったこともあります。
それでも年俸約30億円の選手です。
このことからも、優先順位は投球技術であるということがわかると思います。
前回の投球のスキルや今回のスキルを身につけるために、日々の練習があります。
ただ闇雲に練習するのではなく、何ができるようになるためにやっているのかが重要です。
練習やトレーニングをやることが大切なのではなく、試合で役に立つスキルを身につけることが大切ということです。