実力?運?

野球は確率のスポーツと言われていますが、運の要素が多いスポーツとも言えると思います。
だからこそ、運の要素をなるべく減らせるように、プロ野球ではシーズンを143試合と多くの試合数をするのではないでしょうか。
そんな確率の話をしていきたいと思います。

 

例えば、ジャンケンをして勝つ確率は5割です。
負ける確率も5割です。
勝敗は運によって決まります。
ジャンケンを5戦した時の勝ち負けを表してみました。
「○●○○●」
「●●○●●」
「○○○○○」
ジャンケンを5戦した時の勝率は毎回変わると思います。
5戦だけでは、5連勝の勝率10割も考えられます。

「○●○●○●○●○●」という10戦の勝敗を見て、11戦目の勝敗を予想すると「○」と思い込む人が多くいるのではないでしょうか。
しかし、11戦目の勝率も5割です。
「○●○●○●○●○●」のように勝ち負けが交互に続く確率も「●●●●●●●●●●」と10連敗になる確率も実は同じです。
常に次の勝負の勝ち負けは五分五分であるということです。
10戦だけでは勝率5割から大きく離れることもありますが、勝負の数が増えれば、勝率は5割に近づいていきます。

ジャンケンとプロ野球が同じとは到底言えませんが、今年のプロ野球は全球団が勝率4割~6割の中にいます。
大型連勝や大型連敗が多くなるのも野球の勝敗には運の要素が多くあるという証でもあるのではないでしょうか。

 

次は野球の打者の打つ確率を考えてみたいと思います。
プロ野球の打者でいえば、例えば、今年のここまでの打率が3割の選手が今日、打席に立ったとします。
しかし、その打席でヒットを打つ確率は、3割とは言えません。
投手との相性、打者の調子、環境、状況、運、など非常にたくさんの要素によって、打つ確率が決まります。
どんなに会心の当たりを打とうがそこに野手が守っていて捕ってしまえばアウトです。
当然、相手のバッテリーも球種別の打率やコース別の打率など、様々なデータを頭に入れています。
それを踏まえ、抑える確率が高いであろう配球をしてきます。
野球の面白いところは、投手がボールを投げる前は確率しかありません。
実際に投球した後には、結果しかありません。
確率の厄介なところは、実際に結果が出てしまうと、確率が意味を持たなくなってしまうということです。
しかし、結果を多く積み上げていくと、そこには再び確率が現れます。
それがシーズンの打率であり、対戦成績です。

確率のスポーツと言われる野球をするには、未来を予測して上手くいく確率の高いプレーを選択することはとても重要なことです。
先に起こることを確率的に捉えながらプレーする必要があります。
しかし、運の要素が多く、相手もいるので、一回一回の結果ではなく、パフォーマンスや長い目で見たトータルの結果でその善し悪しが判断されなければなりません。
判断材料を増やし、トータルで見ることが、運に対処するためには必要なことです。

 

未来をすべて予測することは難しいですが、未来には、予測可能な未来と予測不可能な未来とがあります。
例えば、技術や知識は未来の予測を可能にします。
今回の夏の高校野球の話題を呼んだ、佐々木朗希選手のドラフト1位指名は予測できます。
しかし、クジ引きになった時に、どこの球団がそのクジを引くかは予測できません。
すべてを予測しようという考え方ではなく、予測可能な未来においては、できるだけその精度を高められるように、全力で努力をしていくということです。
能力や技術を向上させることで、活躍できる確率を高めることは可能です。
しかし、相手がいることや運的な部分は予測ができません。
予測できる未来にアプローチせずに、見逃していたのなら、それは改善しておく余地がありますが、運が多く存在する場面では、上手くいかない出来事が起きたときに、いかに冷静に、いかに柔軟に対処できるかということが重要です。

 

すべての予測は、未来に起こることの、当たる保証のない仮説のひとつにすぎないということです。
予測が当たらないことが問題なのではなく、予測できないことに予測することで対処しようという考え方があまり良い考え方とは言えません。
自分自身を磨くことで、未来の可能性を広げようと考えることが、未来の予測の確率を上げることになるのではないかと思います。