水分補給は、競技者だけでなく、生きていく上でとても大切です。
少し意識するだけで身体に変化を感じることができると思います。
ここでは、僕の水分補給に対する考え方と実際にプレーしていた時に、行っていたやり方を紹介したいと思います。
必要な水分量には、個人差があります。
身体の大きさや代謝、その日の体調、気温や湿度などの環境条件、競技種目やポジションなどの活動レベル等によって決まるので個人差だけでなく、同じ人でも日によって大きく変わります。
あくまで僕のやり方なので自分にあったやり方を見つけるヒントにしていただけたらと思います。
現役時代のある1週間の摂取した飲み物の量です。
日によってかなりの違いがあることがわかると思います。
ちなみに、お酒は含まれていません。
僕は現役時代、食べた食べ物と摂取した水分量をすべて記録していました。
食べ物を記録することにより、大体のその日の摂取カロリーを把握していました。
心拍計をつけていたので、その日の消費カロリーを参考に、大まかな活動レベルを把握することができていました。
摂取カロリーと消費カロリーを見て、体重計に乗り、自分にとって必要な水分量を把握していきました。
もし、摂取カロリーと消費カロリーが同じくらいなのに、体重が減っていたら水分が不足しているということになります。
これを毎日続けていたので、この季節の試合だからこのくらい。このくらいのレベルの練習だからこのくらい。といったように、どのくらいの水分を摂った方がいいのか感覚でわかるようになりました。
上のグラフはある1週間の消費カロリーと摂取カロリーです。
色のついていないグラフが消費カロリー、色の付いたグラフが摂取カロリーです。
毎日確実に同じくらいにするというよりは、柔軟に数日単位で同じくらいになるように心掛けていました。
体重を増やしたいときは摂取カロリーを消費カロリーよりも増やすようにして、逆に、体重を減らしたいときは摂取カロリーを少なくしていました。
実際、体重のコントロールには、カロリーだけでなく食べるメニューやタイミング、食べ方、水分、脳の使い方、トレーニングメニュー等、様々な要素が関係しますが、カロリーを気にするやり方だけでもかなりの効果がありました。
人間の体にとって、水分はとても重要です。
人間の体の多くは水分であり、人は血液により、身体のすみずみに酸素や栄養を運んでいます。
それだけでなく老廃物を体外へ出す役割もしています。
競技中の選手は大量の汗をかくため、体内から大量の水分が失われます。そんな状況で十分な水分補給を行わなければ筋肉にも悪影響を及ぼし、怪我のリスクが上がります。
集中力の低下が起こったり、脱水症状や筋肉がつったり(筋痙攣)、熱中症にも繋がる可能性があります。
水分補給をすることにより、体の水分を正常な状態にすることで、健康面や安全面で問題が生じたり、パフォーマンスが低下する可能性を抑えることができます。
発汗で失われた体内の水分補給だけでなく、激しい運動をすると、人間の身体は大量の熱を生み出します。水分補給は体温を安全なレベルに保つ体温調整の役割もあります。
どのように水分補給をしていたかというと、
とにかく、こまめに水分補給をすることを心掛けていました。
朝は毎日、水、牛乳、フルーツジュースで500ml~600mlを飲みます。
練習や試合中は、水、経口補水液、オレンジジュース、スポーツドリンクを飲みます。
ミネラルを摂ることはもちろんですが、脳のエネルギーになる糖を摂ることも大事にしていました。
量はその日の気候や活動レベルによって変わりますが、先発で長いイニングを投げる時は、2.5L以上飲むこともあります。
競技後やトレーニング直後は、水、オレンジジュース、牛乳をプロテインと一緒に飲みます。
これは、たんぱく質とカルシウム、ビタミンを摂りたいからです。
それ以降は、フルーツジュースと牛乳とアーモンドミルクを多少飲む以外はほとんど水しか飲みません。
筋肉痛がある時のような、筋肉に疲労がある時は、寝る前にプロテインを飲んでいました。
飲み物はこのように飲んでいましたが、なるべく、水分は食べ物から摂るように心掛けていました。
特に、野菜やフルーツは、水分を多く含んでいます。食事中は飲み物は一切飲まずにトマトやフルーツを食べるようにしていました。(フルーツによっては、食事の1番初めに食べます。)
野菜やフルーツだけでなく、食事にも、多くの水分が含まれているので、バランスのとれた食生活をすることが、栄養の面でも、水分補給の面でも、大切だと思います。
以上が現役の時の水分の摂り方です。
これが正解というわけではなく、僕自身が、自分の身体を実験台にして、こうしたらどうなるかということを繰り返して見つけたやり方です。
僕の身体にはあったやり方ですが、他の人に適しているかはわかりません。
このようにすることによって、どのくらいパフォーマンスが上がったのかはわかりませんが、自分の身体を知ることはできました。
スポーツでは、自分を知るということは、大きな武器になります。そういう面では、価値のある取り組みだったのかなと思います。
なにか少しでも、上を目指す選手の手助けになったらと思います。