本当に上手くなっているのか?(アマチュア野球界の現状)

今やっている練習で本当に上手くなっているのか?
選手のためになっているのか?
それを見極めなければなりません。

現状、選手にとってマイナスな指導や練習がかなり多いと感じます。

個人差はありますが年齢が20代前半くらいまでは身体が成長するのでマイナスな練習でも身体の成長が上まわりトータルでパフォーマンスは伸びます。
しかし、自分の現状にあった練習を選択できない選手や上手くなる練習を知らないでマイナスな練習を繰り返す選手は身体の成長が止まったらどんどん下手になっていきます。

アマチュア野球の現状を見てみるとこのケースが非常に多いように感じます。

その証拠に社会人野球を見てみるとほとんどが辞めていく選手と入ってくる選手を比較した時に辞めていく選手の方が実力が下です。
それは年齢的に身体の成長が止まる社会人野球選手がパフォーマンスを向上させることができる練習に取り組めないため、入社した時よりも下手になっているからであると考えられます。

大学生でも1、2年生で活躍した選手が3、4年生で活躍できなくなるケースを目にすることがよくあります。
怪我などの例外はあるものの、大学3、4年というのはちょうど身体の成長が止まる、もしくは緩やかになってくる年齢です。
年齢やその時の状況にあった練習ができていない。今までマイナスな練習を繰り返していたが、身体が成長していたのでトータルでパフォーマンスが上がっていた選手がその練習で上手くなったと思い込み、同じ練習を繰り返し、身体の成長というアドバンテージを失い、下手になっていっている証拠ではないでしょうか。

野球という技術や経験が重要になる競技のキャリアのピークが20歳そこそこになるというのは考えなくてはいけないことだと思います。

もうひとつ問題なのが、そのことに気が付いていないので今までのやり方を変えられないことです。
小学1年生からどんなに変な練習をしても6年生になれば1年生の時よりもパフォーマンスが上がっているのは想像がつきます。
中学生もたいして練習していなくても、中学3年で卒業する頃に中学入学時よりパフォーマンスが上がってる選手がほとんどではないでしょうか。
高校生も小学生や中学生ほどではないですが、入学時よりも卒業時の方がパフォーマンスは高くなっていると思います。
それは身体の成長によるものが大きなウエイトを占めているからだと思います。

見極めは簡単ではないと思いますが、練習によってパフォーマンスがどのくらい伸びているのか。
身体の成長によってパフォーマンスがどのくらい伸びているのか。
それぞれを別々に見極め、考えなければなりません。

マイナスな練習ではなく、パフォーマンスを上げる練習をするためには、
選手それぞれが、明確な目標を定め、今やっている練習やトレーニングの目的を理解する。
そしてその練習やトレーニングを客観的に振り返り、評価をし、それを踏まえて次の練習やトレーニングを決めていく。
このような作業を繰り返し行う必要があります。
身体の成長が止まった後もパフォーマンスをどんどん伸ばしていくプロ野球選手などはこの能力が極めて高いように思えます。

アマチュア野球の現状は、自分の練習や行動の振り返りができ、それを踏まえて、自ら練習やトレーニングを選択できる選手をほとんど育てられていない。
ここにアマチュア野球の伸びしろがあり、まだまだ選手も指導者も成長できると感じています。

僕自身も、自ら考えて行動できる自立した選手を育てられるよう、また、より良い野球界になるように微力ながら努力していきたいと思います。

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