センスを身につけることの大切さ。

今までたくさんの野球選手を見てきましたが、センスのある選手しかプロ野球選手になっていません。
かなり厳しい言い方をしましたが、これが現実です。
プロ野球の世界で長く活躍するような一流選手は、ずば抜けたセンスをしています。
僕が思う、プロ野球の超一流選手とレギュラークラスの1番大きな差はセンスの差です。
レギュラークラスの選手とベンチ入りの選手の差もセンスの差です。
1軍と2軍の差もセンスの差です。
支配下選手と育成選手の差もやはりセンスの差が大きいと思います。

上のレベルになればなるほどセンスの差がそのまま野球の実力の差になっていると感じます。

なぜなら、

センスがある選手とは、飲み込みが早く、やろうとした動きをより早く身につけます。
センスがある選手が、10回やって身に付けることを「センスがないから100回やって身に付ける」というやり方では、一流選手には勝てません。
一流のプロ野球選手はセンスがあるのに100回かそれ以上やる人間の集まりだからです。
センスがある選手は動きに無駄が少なく、効率的な練習を選択できるので、多く反復することもできます。
多くの反復ができるのでどんどん体力もついていきます。

つまり、「センスのある選手に練習の質でも量でも勝てない」からです。

それが積み重なれば、実力の差も開いていくことが想像できると思います。

もし、10回で身に付けられる選手がいて、その選手を上回りたいと思うなら、9回で身に付けられる人間になるか9回で身に付けられる別のやり方を探す必要があります。

もちろん、100回の反復ができるのも上手くなるための大切な能力の1つですが。

もうひとつセンスがある選手の特徴とは、自分自身で上手くなる環境を整えられることです。
あの試合で上手くなった。あの練習で上手くなった。あの合宿で上手くなった。高校生が甲子園で上手くなった。など、一定の期間に急に上手くなった。成長したという経験をしたことがある。もしくはそういう選手を見たことがあるという方がいると思います。

その一定の期間に急に上手くなったという状況を普段の練習から作り出せる人がどんどん上手くなる、センスのある選手です。
そのような状況にするには、プレッシャーやモチベーションなどいくつかの条件が整わなければなりません。その条件を自分から整えて練習や試合を行うので、より上達や成長に繋がります。

アマチュア選手には、本当に熱心に、長い時間練習し、たくさんトレーニングをし、身体を追い込んでいる選手を見ますが、センスを身に付けて反復することが1番効率的なやり方だと思います。
練習やトレーニングをすればするほど上手くなる。きつい練習をすれば上手くなる。といったような考えを変えなくてはいけません。
繰り返し練習しているにも関わらず、上手くいかなかったときに「まだ足りない。もっとやらなきゃ」という考えになる前に「このやり方ではダメなのか?」という考え方ができるようになれば、今まで見えなかったことが見えてくるのではないでしょうか。

これは努力をしなくてもいいと言ってるわけではなく、センスを磨く努力を一生懸命しようということです。
センスを磨いて、効率的で合理的な努力をすることが上を目指すための努力だと思います。

これは僕が実際に経験して学んだことです。
現役時代、ひたすら走り込みをし、トレーニングをし、数をこなす練習を繰り返しました。
そのエネルギーをセンスを鍛えることに向けていたらもうすこしプロ野球の世界で結果を残すことができたのではないかと思います。
おそらくセンスがある先輩方は僕の取り組みを見て「もっと効率的で合理的な努力をすればいいのに」と思っていたのではないのでしょうか。

今更ながら、気が付くことができたので、僕の気付きがこれからの選手の役に立ってくれたらと思います。

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