野球では1度肘や肩を痛めた選手が何度も同じ箇所を痛めてしまっています。
逆に、1度も肘や肩を痛めることなく長くプレーしている選手も多くいます。
痛くなるには痛くなるような原因があり、その原因にアプローチしなければまた同じように痛くなる可能性があります。
肘や肩が痛くて投げられない選手は休んでいるだけでは投げられるようにならないという話をしていこうと思います。
整形外科での診察では投げられないほど肘や肩を痛めているわけではないという診断結果が出ているにもかかわらず投げたら肘や肩が痛くなってしまい思ったように投げられないという選手がいます。
投げたら痛くなり、また休んである程度状態が良くなり、投げるとまた痛くなってしまう、と言ったことを繰り返しています。
このような選手の多くが自分の肘や肩など痛みのある部分を痛めていると思い込んでいます。
病院でもう投げても大丈夫だと言われても本人は病院の診断が正しくないと思っているような選手すらもいます。
現状を見ていると、肘や肩が痛くなった選手はただ休んだだけではまた投げると痛くなってしまうことがほとんどではないかと思います。
投げて肘や肩が痛くなったのなら休むだけでは完治させることは難しいということです。
痛くなるということは痛くなるような身体の機能をしていたり、痛くなるようなフォームで投げています。
そこにアプローチしなければなりません。
肘の関節はそんなに強度があるわけではないと思った方が良いと思います。
肘に負担のかかる投げ方をすれば簡単に痛めてしまいます。
投げるたびに肘が痛くなってしまうという選手も少なくないのではないかと思います。
そのような選手は肘が痛くなった時に、ただ休んでいるだけでは、また投げれば痛くなってしまいまいます。
肘に負担のかかっているその投げ方自体を修正する必要があります。
肩というのは野球をしていない一般の方でも肩こりになったり腕を上げるのが辛いというような症状を持っている人も多くいます。
四十肩や五十肩と言われるように肩の機能というのは低下しやすい部分でもあります。
ボールを投げるという動作はそのような方よりもはるかに多く肩を使うので当然、肩を痛めないように予防のためのトレーニングをしたり、肩のコンディションを整えるために気を配らなければなりません。
投げて肩が痛くなってしまう選手は身体の機能を整えたり、身体の動かし方を変えたり、投球フォームを見直したりしない限りは投げればまた肩が痛くなってしまいます。
ただ何もせず休むだけではなかなか完治させることは難しいことです。
段階としてはまずは身体機能を整えるようにします。
猫背になっていたり肩が前に出ていたりしていないのか。
僧帽筋など肩回りの筋肉を緩んだ状態にすることができているのか。
筋肉を緊張させることなく、背骨の上に頭がしっかり乗っているような適切な姿勢を作れていなければなりません。
次に肩回りの細かい筋肉(インナーマッスル)を中心に筋肉をうまく連動させ、しっかり力が入り肩関節を固定することができるようにします。
それができていればそこから動きの中でも同じように、肩関節を固定し、腕を肩甲骨に引きつけておくことができるようにしていかなければなりません。
このような身体機能があり、基本的な身体操作ができなければ肩に負担がかからない適切なフォームで投げることは難しいことです。
ここまでできて初めて、肩に負担がかからない適切なフォームを身につけることができる土台ができたことになります。
ここからフォームを追求し、自分に合った肩に負担のかからない適切なフォームに変えていかなければ痛みを完全になくすことはできません。
今回は野球選手の肘や肩の話をしてきましたがこれは他のスポーツであったりスポーツをしてない一般の方の膝や股関節、腰痛、肩痛などにも当てはまる考え方です。
最終的には痛くなってしまった原因である動きを改善しなければ、また同じように痛くなってしまう可能性は高く残ってしまうということです。
ただ何もせず休んで痛みが無くなるのを待つだけでは完治させることは難しいので、痛みの原因となっている部分にアプローチしてみてほしいと思います。