よく「ウエイトトレーニングをした方がいいですか」と聞かれます。
僕の答えは「やる人と目的による」です。
どのような人ならしてもいいのかというと、脳を上手く使える、センスがある人はしても良いと思います。
逆に、センスがない人で、目的が、最大筋力の向上、筋肥大、筋持久力の向上のどれかの人には、オススメはしません。
ウエイトトレーニングをすることにより、球が遅くなったり、動きが悪くなったり、怪我をしたりと、野球のパフォーマンスに繋がらなかった選手を相当数見てきました。
野球の経験者なら、そういう選手を、必ずと言っていいほど、見たことがあるのではないでしょうか。
メジャーリーガーやプロ野球選手は多くの選手がウエイトトレーニングをやっています。
それを真似して、ウエイトトレーニングを行ったところで、そういう選手と同じような効果はなかなか得られないのが現状だと思います。
脳の使い方が優れている、センスがある人がトレーニングを続ければ、野球のパフォーマンス向上に繋がります。
メジャーリーガーはセンスのある人の集まりで、センスがなければメジャーまで上がってこられないので、ウエイトトレーニングをすることでパフォーマンスが上がる選手ばかりではないかと思います。
僕は、脳の使い方が上手くない、センスのない人のウエイトトレーニングの目的が、最大筋力の向上、筋肥大、筋持久力の向上のどれかなら、野球のパフォーマンス向上に、たいして効果が見込めないと思っています。(現状を見ればそうなっている。)
なぜかというと、これらを目的にウエイトトレーニングを行う場合、大切なことが、負荷、回数、セット数、インターバルをそれぞれ適切に行うことです。
諸説ありますが…
最大筋力の向上なら、2〜5回しかあげられない重さ(1RMの90%以上の重さ)で3セット以上、セット間のインターバル3〜5分
筋肥大なら、8〜12回しかあげられない重さ(1RMの80%以上の重さ)で3セット以上、セット間のインターバル40〜90秒
筋持久力の向上なら、15〜30回しかあげられない重さ(1RMの30%以上の重さ)で、3セット以上、セット間のインターバル15〜30秒
どれも限界までやることが大切です。
しかし、センスがない人は、脳を上手く使えないので、適切な負荷をかけることが難しいです。
人間の脳は本能的に身体を守るためにブレーキをかけます。脳を上手く使える人でも、持っている筋肉の80%〜90%しか力を出せないと言われています。
脳を上手く使えない人は60%くらいしか、力を出せないと言われています。
脳が無意識にブレーキをかけて、60%の力しか出せなければ、適切な負荷になりません。
適切な負荷をかけて、適切な回数をトレーニングしなければ、たいした効果が期待できません。
例えば、
「ベンチプレス、100キロをあげられる筋肉を持った、脳を上手く使えるセンスのある人が筋肥大をしたいとします。その人の脳が無意識に10%分、ブレーキをかけ1RMは90キロ(90キロが1回上がる)だとします。
筋肥大したいので90キロの80%の重さは72キロなので、72キロの重りでトレーニングします。」
「ベンチプレス、100キロをあげられる筋肉を持った、脳を上手く使えないセンスのない人が筋肥大をしたいとします。その人の脳が無意識に40%分、ブレーキをかけ1RMは60キロだとします。
筋肥大なので60キロの80%の重さは48キロなので48キロでトレーニングします。」
脳を上手く使えるか使えないかで、こんなに差が出ます。
48キロは、脳を上手く使える人にとっては、筋持久力に目的を置いた時の負荷です。
これでは、効果がなかなか期待できないのがわかると思います。
これが僕の、センスのない人にウエイトトレーニングを勧めない理由です。
負荷のかけ方や回数に、諸説あるというのが、その証拠なのではないでしょうか。
脳を使う能力がわからないと適切な負荷がわからないので、いろいろな説が出てきてしまいます。
このような理由からも「センスを鍛える」ということが重要であるという、僕の考えに繋がります。
このトレーニングは、良い、悪いのような議論を良く目にしますが、僕が重要だと思うのは、トレーニングよりも、トレーニングをやる人のセンスだと思っています。
センスがある人は、大袈裟な言い方をすれば、歩いてるだけで効果的なトレーニングにします。
逆に、センスのない人は、どんなに良いと言われてるトレーニングをしても、センスがある人と同じような効果は得られません。
同じトレーニングをしても、やる人によって、成果に大きな差が出てしまいます。
僕が、大切だと思うことは、少しでも、今よりも、センスを磨くことです。
センスが磨かれれば、トレーニングの効率も上がり、新しく可能性が生まれてくると思っています。
以前に書いた投稿です。
「センスとは」
「センスを身につけることの大切さ」
そのセンスを向上させる手助けができたらと思います。