同じ食べ物を、同じ量食べても、同じ身体にはなりません。
もちろん、人それぞれ、遺伝子が違うし、体型が違うし、代謝が違うというのもあります。
しかし、それ以外にも、食べ方や脳の使い方に違いがあるということもあります。
今回は、その食べ方の、よく噛んで食べることのメリットを考えてみました。
よく噛んで食べることで得られることはいろいろあります。
・肥満の予防
ゆっくりよく噛んで食べることで、満腹感が得られるため、食べ過ぎを防ぐことができます。
満腹中枢が刺激されて、満腹感を感じるのは、食事開始から約20分後と言われています。
よく噛んでゆっくり食べることで、満腹のサインが脳に伝わりやすく、食べ過ぎを防ぐことができ、体重管理に役立ちます。
・味覚の発達
食べ物の形や硬さを感じることができるため、食べ物の味がよくわかるようになります。
僕は、五感を鍛えることを重要視しています。
人は、五感を使って周囲や相手を観察するからです。
味覚が発達することで、感性を磨くことにつながると思っています。
よく噛んで食べることで、体力づくりや感性の発達に役立ちます。
・筋肉の発達
口のまわりの筋肉を使うことで顎が発達し、言葉の発音がきれいになったり、話す力の向上につながります。
また、口の周りには表情筋がたくさんあるので、噛む回数が増えると、それらの筋肉を活発に動かすことにつながり、顔の筋肉が引き締められ、小顔につながります。
・脳の発達
頭部に流れる血液の量が増えるため、脳の血液の量が増えて、脳の働きが促され、脳が活性化され、集中力の向上にも役立ちます。
・虫歯の予防
よく噛むことで、唾液の分泌が多くなります。
唾液には食べ物のカスや細菌を洗い流す働きがあり、虫歯の予防になります。
・胃腸の活性化
食べ物を、よく噛み砕いてから飲み込むことで、消化の働きを助け、胃腸の負担を軽くして、効率的にエネルギーに替えることができるようになります。
・スポーツのパフォーマンスの向上
これは、僕の経験から、噛むことが、スポーツ選手に重要な役割を果たしているのではないかと推察しています。
僕は、マウスガード(マウスピース)を着けてプレーしていましたが、噛み合わせによりパフォーマンスに違いが出ることを実感していました。
噛み合わせが悪いと、筋肉が過剰に緊張して、肩こりや偏頭痛になることもあります。
食事中にバランスよく噛むことで、過緊張を防ぎ、脳にもいい影響を与えのではないかと思います。
姿勢を正し、左右の歯でバランスよく噛むことで、筋出力の増加、柔軟性の向上、疲労の軽減、反応速度の向上、脳の活性化、集中力の向上にもつながるのではないかと思っています。
スポーツをプレーしているときに、歯を食いしばってプレーしていると思っている人は多いと思いますが、実際は、一流のスポーツ選手ほど上下の歯が接触している時間が短いです。
プレー中だけでなく、普段の生活中も上下の歯が接触している時間が短いです。
その上下の歯が接触している時間の多くが食事中です。
マウスガードを着けていた実体験から、人は、リラックスした状態で、バランスよく噛むことで、顎の位置を整えることができ、食事により顎を動かし、身体のバランスを整える効果もあるのではないかと思っています。
よく噛んで食べることは、健康につながるさまざまな効果があるだけでなく、パフォーマンスの向上にもつながります。
よく噛んで食べられるようにする工夫として、食材を大きめにカットして調理することで、噛む回数を自然と増やすことができます。
また、固い、噛みごたえのある食材を使うことも、よく噛んで食べることにつながります。
食事中に水を飲まないことも、効果的なやり方です。
水で流しこむことができないために、よく噛んで、唾液の分泌を増やすことになります。
ひとりで食事をするのではなく、会話を楽しみながら友人や家族と食事をとることも、ひとりで食事をするよりかは、ゆっくりよく噛んで食べることができます。
初めは、意識しないとできないかもしれませんが、テーブルで、姿勢良く座り、よく噛んで食べる習慣を身につけることが大切です。
いい習慣を作ることで、意識しなくても、よく噛んで食べられるようになります。
どうせ食べるなら、少しでも身体にいい影響を与えられる食べ方をするべきだと思います。
一流選手は、小さなことの積み重ねが大きな差になることを知っています。
今日から、意識して、よく噛んでゆっくり食べるということもしてみてはどうでしょうか。