「そんなの普通だよ」とか「当たり前でしょ」とか「常識でしょ」というような言葉をよく耳にしますが、人によって、普通や当たり前や常識は違うことがあります。
人間は誰しも、今まで自分がやってきたことを普通と思い込んでいます。
それなので普通というのは人によって違います。
そんな普通とはどういうことかということを考えてみました。
プロ野球選手の普通と思っていることとアマチュア選手の普通と思っていることは異なります。
プロ野球選手になりたければプロ野球選手の普通を知り、実行することが近道となると思います。
ですが、難しいところはアマチュア選手は自分のやっていることが普通で当たり前だと思い込んでいて、プロ野球選手も自分のやっていることが普通で当たり前だと思い込んでいるので、そこが交わることがなかなかないということです。
プロもアマチュアも同じような練習をしていますが、個人個人のその練習に取り組む姿勢はまったく違ったものであると感じています。
例えば、キャッチボールと言う小学生でもやるような練習のひとつ見てみても、プロ野球選手はそのキャッチボールの中で自分のフォームがどうなってるのか、自分のボールがどうなってるのか、今日の自分の身体がどうなってるのか、などを確認しながらキャッチボールの中でも自分のパフォーマンスをどうやったらあげれるかを一球一球考えながら投げています。
これは特別なことではなく普通のことなのでキャッチボールをやるときは毎回このような意識を持って行なっています。
プロの選手にとって、グランドにいるときだけでなく普段の生活からどうやったら野球につながるかを考えることは普通のことであり、当たり前のことです。
僕は現役でプレーしてた時、食事を好き嫌いで食べるということはありませんでした。
栄養を考えながら何が自分の身体にとって必要なのかを考え、それに沿って食事を選んでいました。
これは特別なことではなく、そうやって食事を摂ることが普通であり、当たり前でした。
普通のことなで、頑張って食事をするといったような感覚もないし、それで楽しいのと言われても何とも思いませんでした。
それが普通なので、そうすることが当たり前であり、習慣なので何とも思わないということです。
普通とか当たり前とはそういうものです。
食事だけでなく生活の中でもこのようなことは多くあります。
普通で当たり前のことなので習慣になっているということでもあります。
プロの選手とアマチュアの選手では、持っている習慣が全く違います。
これは、野球選手だけに言えることではなく、何の分野でも同じではないかと思います。
優秀な人とは、普通や当たり前のレベルが高いということです。
レベルの高い普通や当たり前を作り上げていくことが上のレベルに行くことになるのではないかと思います。
そのためには、自分の普通や当たり前が、実は、普通や当たり前ではないのではないかと思うことが必要です。
そして自分が優秀だと思う人が、どのような習慣を持っていて、どのような生活をしているのかを知ることはとても重要なことです。
僕の考え方は、普通や当たり前、常識を疑えというわけではありません。
今までのやり方を否定するということでもありません。
普通や当たり前、常識を何も考えずに信じるのではなく、なぜそれが正しいのかを理解しておくべきということです。
そうやって根拠を考える習慣を持つことで、普通や当たり前、常識というものが、少しずつレベルの高いものに変わっていくのではないかと思います。
僕が多くの選手を見てきて感じることは、普通や当たり前のレベルを上げていくことなしに、高いレベルに近づくことは難しいということです。
しかし、トップ選手は自分のしていることが、特別ではなく、普通であり当たり前だと思っているので、アマチュア選手も同じだと思っています。
逆にアマチュア選手も自分のしていることが、普通であり当たり前だと思っているので、トップ選手も同じだと思っています。
このプロの選手とアマチュアの選手の普通や当たり前をチューニングすることができれば、アマチュア選手にとってとても価値のあることになると思います。
野球では、プロアマの問題があったりとプロの選手がアマチュアの選手を指導する機会がなかなかありませんが、この投稿から気づきを得る選手がひとりでも出てくれればと思います。