僕は、小学生から中学生、高校生、大学生、社会人野球の選手、またプロ野球の選手と多くの野球選手を見てきました。
その中でも圧倒的にプロ野球選手が一番道具を大切に使っていると感じました。
ほとんどのプロ野球選手はスポーツ用具メーカーから道具を頂いています。
グローブが欲しいと言えばグローブをもらえ、バットが欲しいといえばバットをもらえ、スパイクが欲しいと言えばスパイクがもらえます。
いつでも道具がもらえる状況にも関わらず、とても道具を大切にする選手がたくさんいます。
そんな道具の話をしていきます。
プロ野球選手の中にも道具を大切にしない選手もいますが、その割合はアマチュア選手よりはるかに少ないと思います。
イチロー選手がとても道具を大切にしていたことは有名です。
イチロー選手に限らず僕の見てきた多くの日本人のトップ選手はとても道具を大切にします。
それは、プロ野球選手のグローブやスパイクを見てもらえればとても綺麗だということからもわかります。
プロ野球選手の多くが毎日使う道具を大切にしています。
道具を大切に扱ったとしても、それだけで野球が上手くなるわけではありません。
道具を大切に扱わないメジャーリーガーもいます。
しかし、毎日どんな状況だろうと自分の道具を大切にするということを貫き通すということは、自分自身を成長させることにはつながります。
プロ野球選手でも思い通りにいかない時に、グローブを投げたりバットを投げたりすることもあります。
ゴルフのトッププレイヤーが思い通りになかった時に、ゴルフクラブを投げたり叩きつけたりすることもあります。
テニスのトッププレイヤーが思い通りにならなかった時にラケットを投げつけることもあります。
このような行動をフォローするつもりはありませんが、アマチュア選手がうまくいかなかった時に照れ隠しや周りの目を気にして道具に当たるというのとは違います。
これは選手によっては道具に当たることによって気持ちを切り替えるためのテクニックのひとつとして行なっている人もいます。
人生をかけて競技に打ち込み、練習やトレーニングを一生懸命に積んできて、良いプレーができるという自信があるにも関わらず、自分のプレーが上手くいかず、自分に腹が立つということも分かります。
しかし、僕の考え方はプロフェッショナルである以上、常に子供たちに見られていると自覚して行動をとらなければならないと思っています。
道具に当たるというようなことは、子供たちが真似していいことではありません。
子供たちには自分の使う道具は大切にして欲しいと思っています。
それは野球が上手くなるためではなく、自分を成長させるために必要なことだからです。
「今日ぐらいいいか」ということが積み重なるとすごく大きなことになります。
この「今日ぐらいいいか」「まあいいか」ということを自分自身が許していたら、そのような人間になってしまいます。
少しの妥協も許さないということができるようになると自分の目標に間違いなく近づくと思います。
また道具を買ってもらえるというのは当たり前のことではありません。
道具を大切にするということは道具を買ってくれた人への感謝の気持ちでもあります。
それだけではなく、例えば、グローブを見ても、100年前のグローブ、50年前のグローブ、20年前のグローブ、現在のグローブと、道具メーカーの努力により、どんどんグローブもいいものになっていっています。
グローブにはグローブを作るメーカーや職人さんの思いも詰まっているということです。
毎日自分の使う道具を綺麗にし、大切にするという小さな積み重ねから得られることは多くあります。
自分を成長させるためには、自分と向き合う時間を作ったり、感覚を研ぎ澄ますということも必要です。
グローブ磨いたりスパイクを磨いたりバットを大切にするということで自分と向き合う時間となったり感覚を研ぎ澄ますことにつながります。
道具を大切にするというところから、自分の成長につなげるだけでなく、道具だけではなく自分や他人、周りの環境など多くのモノを大切にするということにつなげてほしいと思います。