野球というスポーツは肩や肘に大きな負荷がかかるスポーツです。
そのため、ボールを投げないノースローの期間を作ることも選択肢のひとつです。
12月に入り、どこのチームでも冬練と言われるような冬のトレーニングの期間に入っていると思います。
小学生のチームでも走り込みをしたり、トレーニングの期間にしたりしています。
そこで気をつけなければいけないことはオーバーワークやオーバーユースによる怪我や故障です。
日本での野球選手の肩や肘の故障についてのデータはなかなか見ることがありませんが、アメリカのMLBが調査したアメリカの青少年のデータを元にノースローの期間を作るメリットについて説明していきたいと思います。
アメリカでは若い野球選手の肩肘の故障についての研究を数十年かけて行なっているため細かなデータを見ることができます。
そこで出されているデータの中に、年に8ヶ月以上競技野球をした選手はそれ以下の選手に比べ、手術を必要とするような肩や肘の故障をする確率が約5倍高いというデータがあります。
そのためアメリカの少年野球では投手は少なくとも年に2~3ヶ月は投球を控え、少なくとも年に4ヶ月は競技野球での投球を避けるようなガイドラインをMLBが出しています。
日本のプロ野球の投手でさえ、シーズンが終われば、オーバーホールという身体を休める期間を設けています。
アマチュア野球の選手には、冬の期間でもピッチングをしたり、打撃投手をしたりするような選手を多く見ますが、ノースローの期間を作ることも必要なことです。
僕は多くのアマチュア野球選手を見てきましたが、多くの選手が登板過多による、肩や肘への疲労を持っています。
この疲労をしっかりとるということは肩や肘の故障のリスクを減らす意味でも重要なことです。
MLBが出しているデータの中に、青少年の野球で腕の疲労感が常にある選手はそうでない選手より約36倍肩や肘の故障の可能性が高いというデータもあります。
そのようなデータからも肩や肘の疲労をしっかり取ることが重要であることが分かると思います。
腕の疲労感がない状態でプレーすることで、故障のリスクをかなり減らせるということが言えます。
冬の期間は身体をいじめ抜くことが重要ということをよく聞きますが、怪我をしてしまってはマイナスになってしまいます。
またその怪我が長引けば、選手生命にも関わります。
身体にかける負荷は適度でなければなりません。
その適度を見極めることは簡単なことではありませんが、自分の身体と相談し疲労のコントロールに努めることも大切なことです。
パフォーマンスを向上させるには負荷をかけなさすぎではいけません。
しかし、負荷をかけなさすぎる以上に負荷をかけすぎることの方がいけないと思っています。
最も避けなければならないことは、怪我や故障で野球ができなくなることだからです。
自分にとって最適な負荷をかけることができるということもその選手が持つ能力のひとつです。
ピッチングをしなくてもできる練習はたくさんあります。
ピッチングだけでなく野球から離れても、できることはたくさんあります。
野球は寒い時にやるには向いていないスポーツです。
子供たちの成長や発達を考えた時に、一年中野球をやらせよりも他のスポーツをやらせたり野球とは違った運動をやらせることの方が得られることが多いのではないかと思います。
野球の動きだけでなく様々な動きをすることで、子供の運動能力の向上に役立つのではないかと思います。