僕が現役の時、1年間怪我なく投げた2008年のシーズンの年間の投球数を書いてみました。
ここでいう投球数とは、マウンドからキャッチャーが座った状態で投げた投球数です。
2008年のデータになるので、一昔前のデータになりますがプロ野球のピッチャーが1年間でどのくらいの投球数なのか、なかなかわからないと思うので参考にしていただけたらと思い投稿します。
これは僕の投球数であり、これがいいとか、悪いとかではありません。
あくまで2008年に投げた投球数をそのまま書いただけです。
こんなだからダメだったという議論だけではなく、これを踏まえて、これからの選手の役に立ててほしいと思っています。
2008年の総投球数
投球数 | ゲーム | ブルペン | トータル |
---|---|---|---|
キャンプ | 107球 | 483球 | 590球 |
OP戦 | 161球 | 245球 | 406球 |
シーズン | 913球 | 1284球 | 2197球 |
年間合計 | 1181球 | 2012球 | 3193球 |
これをもう少し詳しく説明します。
・キャンプ
プロ野球は2月1日からキャンプがスタートします。
2008年のキャンプは20日間でした。
1月は1度も投球練習をしていないので2008年の投球は春季キャンプからとなります。
ブルペンでの投球練習は、11回行いました。
その11回の投球練習の投球数は
55球、55球、63球、18球、62球、50球、13球、44球、18球、50球、55球
ピッチング練習は15分と時間で決められていたために多く投げようと思っても60球前後になります。
この11回に紅白戦などのゲームに投げるための準備も含まれています。
18球、13球、18球はそれに当たります。
ここでのゲームとは、バッティングピッチャーと紅白戦(シートバッティング)のことを言っています。
合計3度投げ、ゲームでのトータルの球数が107球でした。
・オープン戦
キャンプが終わり練習試合、オープン戦の期間(約1か月)に入ります。
僕はリリーフピッチャーなので試合で長いイニングを投げることはありませんでした。1イニング以下の登板がほとんどです。
この期間に10試合登板しました。
この期間はあらかじめ登板日が決まっているので登板日以外でピッチング練習をすることはほとんどありません。(1回だけ)
それなのでブルペンとは、1回以外は登板前のピッチングのことです。
・シーズン
シーズンが開幕すると登板は試合展開次第になります。
僕の場合はクローザーを任されていたので基本的にはリードしている試合の最終回に投げます。
シーズン58試合の登板をしました。これはパリーグの6番目の登板数でした。
もちろんブルペンで投げるだけで試合で投げないことも何度もありました。
登板するかは試合展開次第なので月によってかなり投球数に差がありますが、シーズンは約7か月と考えてシーズン中の投球数を単純に7で割ってみました。
1か月平均にすると
約8.3試合
ゲーム約130球
ブルペン約183球
トータル約314球
シーズンが終わってからはブルペンに入って投球練習をすることはなかったので3193球が2008年に投げたトータルの投球数です。
これは日本の中でも、チームの中でもかなり少ない投球数だったと思います。
それは、2008年はボビー・バレンタイン監督だったので投球数は厳しく管理されていたことと、ピッチャーの中ではクローザーが1番、投球数が少ないと思うからです。
投げる場面が限定されているのと、イニングの先頭から投げるのでブルペンでの球数を抑えられます。
2007年はクローザーではなくリリーフとして様々な場面で登板していたので、月間で600球近く投げることもありました。
先発ピッチャーはそれ以上の投球数になっていると思います。
ブルペンで投げることは少ないですがその分キャッチボールを多く行っていました。
キャッチボールの球数はカウントしていないので正確にはわかりませんが、年間通してかなりの時間を費やしました。
これは僕だけでなくプロ野球のピッチャーはアマチュア野球のピッチャーよりもキャッチボールを大切にしているように感じます。
マウンドで投げない分をキャッチボールで練習するという感覚です。
このやり方はアメリカ式のやり方であり世界的に主流になっているやり方です。少なくとも欧米、中南米、南米は投球数を厳しく管理しています。
日本のやり方ではこれよりもかなり多くの投球数になります。
なかなか表に出てこないデータだと思いますが、選手のために参考にできることがあればと思います。
先ずは、自分がどのくらいの球数を投げているのか。指導者であれば、自分のチームのピッチャーがどのくらいの球数を投げているのかを把握し、比較していただければと思います。