甲子園夢プロジェクト

【甲子園夢プロジェクトとは】

甲子園夢プロジェクトとは知的障害を持つ特別支援学校に通う高校生で硬式野球がやりたいという生徒を対象に高校野球連盟(高野連)主催の大会に出場することを目指す取り組みです。

全国から対象の生徒を集め、練習会を行いながらその生徒が通う特別支援学校に硬式野球部の創部を目指していきます。

現実問題、1つの学校で9人の生徒を集めるのはかなりのハードルがあります。

それなので、先ずは人数がそろわなくても硬式野球部として高野連加盟を目指します。

それができれば連合チームとして他校の生徒と一緒に大会に出場することができます。この連合チームは特別支援学校同士の連合チームとは限りません。

スポーツとは、本来、スポーツをやりたい人ができるべきものです。

硬式野球がやりたいのにやる場所がないという生徒にその環境を作るサポートをするというのが甲子園夢プロジェクトです。

昨年の3月にこのプロジェクトを立ち上げ、ちょうど1年前の3月27日に初めての練習会を開催しました。

【特別支援学校に通う生徒の硬式野球の現状】

そして今日までにオンライン練習会を含め9回の練習会を開催してきました。(もちろん僕も9回すべてに参加しています)

特別支援学校に通う知的障害を持つ生徒が硬式野球をやりたくてもなかなかできない現状があります。

実際には以前に鹿児島の特別支援学校が連合チームで大会に出たことがあるようなのですがほとんどそのような例はないのが実情です。

「知的障害を持つ生徒が硬式野球は危ない」

「一緒にできるわけがない」

「障がいがある人は無理」

このような声が聞かれます。

このプロジェクトに参加している生徒には軟式野球部で野球をしている生徒もいれば、軟式野球部すらなく野球がやりたくてもやる環境がない生徒もいます。硬式野球をしている生徒はいません。

硬式野球がやりたくてもその環境がなかなかないというのが現状です。

【甲子園夢プロジェクト立ち上げから1年】

昨年3月に甲子園夢プロジェクトを立ち上げて1年が経ちました。これまでに25名以上の生徒が参加を表明してくれています。

練習会はオンライン開催を含めて9回行いました。

初めは甲子園夢プロジェクトのメンバーで練習会を行ってきましたが都内の定時制高校の軟式野球部との合同練習会、中学硬式野球クラブチームとの合同練習会を経て昨年12月には愛知県の高校と合同練習会を行うことができました。今年の1月には慶應高校とのオンライン交流会も行いました。今月にはプロジェクト立ち上げ以来初めての試合を中学硬式野球チームと行うことができました。そして先日慶應高校野球部と合同練習会を行いました。

合同練習会を行うと必ず言われるのが「こんなにできるとは思わなかった」「全然一緒に野球ができる」「普通に上手い」というようなことです。

対戦すればプロジェクトのメンバーが三振を奪ったり、ヒットを打ったり、ゴロを捌いたりしています。

もちろんそこには上手い下手はありますが全員に共通していることはグランドに立てば本当に楽しそうに生き生きとプレーします。

普段なかなかプレーする機会がないので練習会が楽しみで仕方がないといった様子です。

この1年で生徒は見違えるほど上手くなりました。

おそらく練習会以外でも各自で練習を繰り返しているからではないか思います。

【今後の取り組み】

月に1回ほど練習会を行っていますが、それを継続しながら選手個々のレベルアップを目指します。

彼らには普段硬式野球ができる環境はなかなかありません。

なんとか硬式野球をやりたいという生徒にその場所を作る。

彼らが通う特別支援学校に硬式野球部を立ち上げ高野連に加盟するというところを目指していきます。

試合に出てマウンドに立てば緊張します。

打席に立てばドキドキします。

それが大会となればさらに緊張感は高まります。

良いプレーができればうれしいし、試合に負ければ悔しさも感じるかもしれません。

今はそんな経験をすることもできません。

スポーツで味わえる喜怒哀楽を感じてほしいと思います。

参加選手のひとりは「1打席でもいいから打席に立ちたい」と夢を語っています。

それが「夢」というくらい現状では高いハードルがあります。

そんな夢を叶えてあげたい。そのサポートをするというのが僕たち大人の役割だと思っています。

成功体験が少ない生徒にボールが捕れるようになった。

速いボールが投げられるようになった。

ヒットを打つことができた。

このような経験を通じて自信を持たせてあげることも大切なことだと思っています。

また25名以上の生徒が参加を表明してくれていますが、これはまだ氷山の一角ではないかと思います。この取り組みがさらに多くの硬式野球をやりたいと思っている生徒に届いてほしいと願っています。

ぜひ今の現状を知っていただき「甲子園夢プロジェクト」を応援していただけると嬉しく思います。

甲子園夢プロジェクト公式ウェブサイト

http://甲子園夢プロジェクト.com/