JFE東日本野球部ピッチングコーチを振り返って

2023年、2024年とJFE東日本野球部のピッチングコーチを務めさせていたできました。
今年で辞めることになりましたが、そこでの取り組みを紹介したいと思います。

ピッチャー陣の取り組みがスポーツナビで取り上げられたのでリンクを貼っておきます。

個々の幸せを追求した組織づくり

「人権と尊厳」をベースに選手全員が自分を大切にし、お互いに大切にし合い、幸せを追求するという取り組みをしてきました。
自分の幸せだけでなく、他の選手の幸せまで考え、時にはライバルとして競争し、時にはチームメイトとしてアドバイスを送り合い、切磋琢磨することができたと思っています。

肩肘の故障をなくす取り組み

結果的に肩肘の故障を0にすることはできませんでしたが故障を防ぐという意識はチームに浸透したと思っています。
自分自身が現役時代に怪我・故障に苦しみプレイできない辛さを体験し、同じようにプレイできなくなるということをなくしたいと徹底してきました。

僕の考える肩肘の故障を減らすために必要なことは大きくは2つです。
「肩肘に負担の少ないフォームを身につけること」と「身体を鍛えること(強くすること)」です。
先ずは、肩肘に負担の少ないフォームを追求することに時間と体力をつぎ込んでほしいということを伝え続けてきました。

結果的にそれが身体を強くすることにもつながってくると考えているからです。
特に、肩や肘を故障したことがある選手はその意図をくみ取り、多くの時間と持っている体力をそこに使ってきました。選手の中には今までにない感覚を身につけ、肩肘の故障のリスクを激減できたと実感している選手もいるのではないかと思います。

選手には「肩肘に負担の少ないフォームを身につけること」と「身体を鍛えること」を求めてきましたが、コーチとしての僕の仕事は選手のコンディションを見極め、負荷と投球数を徹底的に管理することで故障を防ごうとしました。
肩肘の故障は大きく減らすことができたとは思いますが0にできなかったことは今後の課題として、また勉強していきたいと思います。

データを重視したアプローチ

球速、ストライク率、被打率、被出塁率、K/BB、被OPSなどあらゆる数字を細かく出しそれを練習や試合に活かしてきました。

「選手の納得」は僕の中では、かなり重要なことであると考えていたからです。納得できないことが続けば選手のモチベーションは低下し、不満が多くなればチームワークにも関わってくるからです。
数字として出すことで選手が納得できる材料になると考えました。

それだけでなく伸ばしたい数字が明確なら練習でやるべきことはより明確になってくるので、より練習の質は高まっていきます。

どの数字を重視するかを決めることは非常に難しいことですがそれがより的確になればなるほど選手の成績につながってくると思います。コーチとしてどの数字を重要視するかを見極める努力は、し続けなければならないと実感しました。

選手の自律・主体性を育てる

選手を伸ばすために必要なことのひとつに選手の主体性があると考えています。
言われたことをやるのではなく自分が必要だと思うからやる。上手くなるためのヒントはグランドの中だけでなく、ありとあらゆるところにあります。それを見逃さずにキャッチするためには自分でアンテナを張り、自分で掴んでいくことが必要です。

そのために必要なことが主体的かつ自律していることだと思っています。自分の成長のために誘惑に負けない。自分から上手くなりたいという気持ちを強く持ち、普段の生活から自分の成長のために時間を使っていくことができる選手になってほしいという考えから選手の自律・主体性を育てることに注力してきました。

結果的に2年間で全選手がより主体的に行動できるようになったと思います。練習を自分で考え、毎日自分と向き合って過ごすことでパフォーマンスを向上させることに繋がっていったと思います。
その成功体験を得ることでより主体性が高まり自分を律していくという良い流れを作ることができたのではないかと思います。

2年間の成果

2年間の成果として1番に挙げたいことは入れ替わりの激しい社会人野球において毎年、チームを離れる選手は出てくるのですが、チームを離れた選手含め、全選手が来年も野球に関わるという決断をしているということです。
野球の奥深さを感じてもらうだけでなく、野球の愉しさを感じてもらえたからだと思っています。多くを選手に任せることで選手自身に責任感が生まれ、自由に選択することの厳しさと自分で決めて結果につながった時に大きな喜びとなることを体験してもらえたのではないかと思います。

数字的な成果で言うと、投手全体の防御率、奪三振率、与四球率、ストライク率、WHIP、K/BB、被本塁打、被打率、P/IPの数字を2022年→2023年→2024年とすべてを改善してきたということです。
これは本当に素晴らしいことで選手の努力に敬意を表したいと思います。

2年間での課題

2年間での課題はチームの勝利という結果に繋がらなかったということに尽きると思います。
地方大会で優勝できたということはありましたが社会人野球の2大大会である都市対抗野球、日本選手権で勝ち上がることができませんでした。素晴らしい投手はそろっていましたがその選手たちの力を十分に発揮させられなかったことは投手コーチとしての能力のなさだったと感じています。

チームに対し申し訳ないという気持ちと、指導者としてさらに勉強しなければならないという2年間となりました。

感謝

まず初めに、落合監督には貴重な機会をいただいたことと、ピッチャーを任せてもらい好きにやらせていただいたことに感謝しています。つながりのあるわけでもないJFE東日本野球部に迎え入れていただき僕自身もとても勉強になり成長することができました。

次に、投手陣には毎日が充実し、愉しく過ごすことができたことに感謝しています。至らぬ点は多々あったと思いますが選手がそこをカバーしてくれたことで投手陣を上手く回すことができたと思います。

そしてチームの関係者、応援していただいた方々、僕にアドバイスしていただいた方々、チームをサポートしていただいた方々、その他にも僕に関わっていただいた方々、チームに関わっていただいた方々に感謝いたします。

引き続きJFE東日本野球部をよろしくお願いいたします。

スポーツセンシングアカデミー

スポーツセンシングアカデミー(SSA)~誰も教えてくれないセンスの磨き方~

荻野忠寛が運営するオンラインサロン。

センス=スポーツセンシング=人が成長するための本質的な能力

つまりスポーツセンシングを磨くことで成長を加速させることができる。

荻野忠寛の考え

  • プロ野球の世界で見てきた超一流選手が「何を考え」「どう行動しているのか」を多くの人に伝えることでその人の人生に役立ててほしい。
  • また、とても役に立つと感じているのでそれを伝えたい。
  • 「プロ野球選手になりたい」「こういう人になりたい」のように「こうなりたい」と強く思っている人の後押しをしたい。

SSAの目的

  • 自分のセンスを身につける方法を学び、実践できるようにする。
  • センスを磨くために必要なことを学び関わる人のセンスを磨く方法を学び、実践できるようにする。

どんな人に集まってほしいか?

  • 向上心のある人
  • 高い目標がある人
  • 自分を成長させたい人
  • 超一流の選手の考えを知りたい人
  • 自ら成長できる人を育てたい人
  • 目の前の人を成長させたい人

プレーヤー

同じことをしているのに成長が遅い

→成長が加速し、なりたい自分に早く近づけるようになる。

指導者

教えてもなかなか上手くならない

→成長が加速する接し方を学び身につけることができる。

SSAはどんな場所か?

スポーツセンシング(人間が成長するための本質的な能力)を学ぶだけでなくその実践テクニックやメンバーの実践報告を共有することでより深い学びをすることができる場である。

「センスを磨く」という共通の目的で集まったメンバーの交流の場。

SSAに入会することで得られること

  • 自分自身のスポーツセンシングを高めていくだけでなく、そのやり方を指導できる人になる。
  • センスを磨くことで理想の自分に近づくことができる。
  • 自分自身の人生を自分の力でより幸せに生きることができるようになる。

SSAでしたいこと

  • メンバー同士でディスカッションを重ねながら成長を目指す。
  • お互いに応援しながら相互の成長を目指す。

スポーツセンシングアカデミー・内容

  1. コラム・動画・ライブで情報発信
    知識や経験を発信。
  2. オンライン・オフライン勉強会
    Zoomを使った勉強会・実際に集まっての勉強会。
  3. メンバーによる意見交換・交流
    メンバーが自由にアカデミー内へ投稿し、それに対してメンバーで意見交換をする。
  4. ゲスト勉強会
    ゲストを呼んで話を聞く。
  5. イベント企画
    いろいろなイベントを企画していく。
  6. オンラインプロ野球観戦
    オンラインでプロ野球の試合を見ながら解説をする。

具体的な流れ

Facebook非公開グループを使い毎日投稿

センスを磨く組織作りより
  • 月・・・センスを磨く組織作りの投稿
  • 火・・・野球技術の投稿
  • 水・・・スポーツセンシング動画講座
  • 木・・・荻野の考えを投稿
  • 金・・・センスのある人物紹介
  • 土・・・スポーツセンシングの考え方を投稿
  • 日・・・ピックアップした記事に対してコメントを投稿

毎月10日、20日、30日、21時より定期交流会(Zoom)

これまでに行ったこと

  • ゲストトークショー
  • メンバーの試合応援
  • オンラインスローイングセミナー
  • スローイング実技セミナー

など

オンラインスローイングセミナーより

会員特典

Q&A・スポーツセンシングについての質問、野球の技術についての質問など、何でも質問し放題。

料金

月額5000円
学生は学割(半額)月額2500円

※PayPal、クレジットカードにて毎月1回の自動決済となります。

注意事項

・Facebookグループにてコミュニティを運営します。
・Facebookアカウントについて、「明らかに実名でない」「友達がいない」「プロフィールが全く明記されていない」など、アクティブなアカウントでないと判断した場合、入会をお断りさせていただくことがあります。
・アカデミー内の内容や、オーナーが発信する内容について、アカデミー外(口外、SNS等を含む全てのメディア・媒体)へ転記することを禁止致します。
・他の利用者への中傷、脅迫、いやがらせに該当する行為を禁止致します。
※上記禁止事項が認められた際は、強制退会扱いとさせて頂く場合がございますのでご了承ください。
・入会、退会は1ヶ月ごとに可能です。
・退会する際は、次回引き落とし日の10日前までにオーナーまで直接ご連絡ください。(FBグループの退会だけでは決済が停止できません)

甲子園夢プロジェクト

【甲子園夢プロジェクトとは】

甲子園夢プロジェクトとは知的障害を持つ特別支援学校に通う高校生で硬式野球がやりたいという生徒を対象に高校野球連盟(高野連)主催の大会に出場することを目指す取り組みです。

全国から対象の生徒を集め、練習会を行いながらその生徒が通う特別支援学校に硬式野球部の創部を目指していきます。

現実問題、1つの学校で9人の生徒を集めるのはかなりのハードルがあります。

それなので、先ずは人数がそろわなくても硬式野球部として高野連加盟を目指します。

それができれば連合チームとして他校の生徒と一緒に大会に出場することができます。この連合チームは特別支援学校同士の連合チームとは限りません。

スポーツとは、本来、スポーツをやりたい人ができるべきものです。

硬式野球がやりたいのにやる場所がないという生徒にその環境を作るサポートをするというのが甲子園夢プロジェクトです。

昨年の3月にこのプロジェクトを立ち上げ、ちょうど1年前の3月27日に初めての練習会を開催しました。

【特別支援学校に通う生徒の硬式野球の現状】

そして今日までにオンライン練習会を含め9回の練習会を開催してきました。(もちろん僕も9回すべてに参加しています)

特別支援学校に通う知的障害を持つ生徒が硬式野球をやりたくてもなかなかできない現状があります。

実際には以前に鹿児島の特別支援学校が連合チームで大会に出たことがあるようなのですがほとんどそのような例はないのが実情です。

「知的障害を持つ生徒が硬式野球は危ない」

「一緒にできるわけがない」

「障がいがある人は無理」

このような声が聞かれます。

このプロジェクトに参加している生徒には軟式野球部で野球をしている生徒もいれば、軟式野球部すらなく野球がやりたくてもやる環境がない生徒もいます。硬式野球をしている生徒はいません。

硬式野球がやりたくてもその環境がなかなかないというのが現状です。

【甲子園夢プロジェクト立ち上げから1年】

昨年3月に甲子園夢プロジェクトを立ち上げて1年が経ちました。これまでに25名以上の生徒が参加を表明してくれています。

練習会はオンライン開催を含めて9回行いました。

初めは甲子園夢プロジェクトのメンバーで練習会を行ってきましたが都内の定時制高校の軟式野球部との合同練習会、中学硬式野球クラブチームとの合同練習会を経て昨年12月には愛知県の高校と合同練習会を行うことができました。今年の1月には慶應高校とのオンライン交流会も行いました。今月にはプロジェクト立ち上げ以来初めての試合を中学硬式野球チームと行うことができました。そして先日慶應高校野球部と合同練習会を行いました。

合同練習会を行うと必ず言われるのが「こんなにできるとは思わなかった」「全然一緒に野球ができる」「普通に上手い」というようなことです。

対戦すればプロジェクトのメンバーが三振を奪ったり、ヒットを打ったり、ゴロを捌いたりしています。

もちろんそこには上手い下手はありますが全員に共通していることはグランドに立てば本当に楽しそうに生き生きとプレーします。

普段なかなかプレーする機会がないので練習会が楽しみで仕方がないといった様子です。

この1年で生徒は見違えるほど上手くなりました。

おそらく練習会以外でも各自で練習を繰り返しているからではないか思います。

【今後の取り組み】

月に1回ほど練習会を行っていますが、それを継続しながら選手個々のレベルアップを目指します。

彼らには普段硬式野球ができる環境はなかなかありません。

なんとか硬式野球をやりたいという生徒にその場所を作る。

彼らが通う特別支援学校に硬式野球部を立ち上げ高野連に加盟するというところを目指していきます。

試合に出てマウンドに立てば緊張します。

打席に立てばドキドキします。

それが大会となればさらに緊張感は高まります。

良いプレーができればうれしいし、試合に負ければ悔しさも感じるかもしれません。

今はそんな経験をすることもできません。

スポーツで味わえる喜怒哀楽を感じてほしいと思います。

参加選手のひとりは「1打席でもいいから打席に立ちたい」と夢を語っています。

それが「夢」というくらい現状では高いハードルがあります。

そんな夢を叶えてあげたい。そのサポートをするというのが僕たち大人の役割だと思っています。

成功体験が少ない生徒にボールが捕れるようになった。

速いボールが投げられるようになった。

ヒットを打つことができた。

このような経験を通じて自信を持たせてあげることも大切なことだと思っています。

また25名以上の生徒が参加を表明してくれていますが、これはまだ氷山の一角ではないかと思います。この取り組みがさらに多くの硬式野球をやりたいと思っている生徒に届いてほしいと願っています。

ぜひ今の現状を知っていただき「甲子園夢プロジェクト」を応援していただけると嬉しく思います。

甲子園夢プロジェクト公式ウェブサイト

http://甲子園夢プロジェクト.com/

荻野忠寛スポーツセンシングアカデミー

オンラインサロンの紹介です。

荻野忠寛スポーツセンシングアカデミー
(SSA)
~誰も教えてくれないセンスの磨き方~

始まりました。

▼▼▼お申し込みはこちらから▼▼▼

SSA参加申し込みフォーム

スポーツセンシングアカデミー(SSA)内容

クローズのコミュニティなのでなにをしているのかわからないと思うので、どのようなことをしているのか紹介したいと思います。

スポーツセンシングアカデミー(SSA)は非公開のFacebookグループを使い、センスを磨く「スポーツセンシング」という考え方に興味をもった人同士で楽しく学びながら交流していくオンラインサロンです。

このアカデミーの目的はメンバー全員がより良い人生を送れるようにすることです。
それをセンスを高めるための知識を身につけセンスを磨いていくことで実現を目指していきます。
自分自身だけでなくそれを周りの人に伝えられるようになることでその輪を広げ、より豊かな人生を送れる仲間を増やしていきたいと思っています。

開講してから数週間が経ちましたがその内容の一部を紹介したいと思います。

スポーツセンシングについての動画配信

▼▼スポーツセンシングについて動画で配信しています▼▼

SSA内容公開

Zoomを使った交流会(ディスカッション)

定期的にZoomの部屋を作り質疑応答やディスカッションを行っています。

僕の考えを発信するコラム

▼▼文章や動画で発信しています▼▼

僕の経験してきたことや学んできたことを伝える

▼▼それなので野球の技術的な話もしています▼▼

SSA内容紹介

質問し放題

メンバーの質問にはすべてお答えしています。

こんなようなことをやっています。

Zoomを使ってプロ野球生解説、ゲストトークショー、状況を見てオフラインイベント

なども行っていきたいと思っています。

このようにみんなで楽しく成長を目指していくのがスポーツセンシングアカデミー(SSA)です。

面白そうだ、興味があるという方がいらっしゃればご検討頂ければと思います。

料金

月額5000円
学生は学割(半額)月額2500円

▼こんな人におすすめです▼

  • 現役アスリート
  • 競技力を上げたい人
  • 毎日楽しく過ごしたい人
  • 充実した日々を過ごしたい人
  • 幸せになりたい人
  • センスを磨くという考えが面白いと思う人
  • センスがあると言われたい人
  • センスがないと思っている人
  • センスがある人を育てたい人
  • 指導者、親御さん
  • 成長させたい人がいる人
  • スポーツの価値を上げたいと思っている人
  • スポーツの環境を良くしたいと思っている人
  • オンラインサロンのようなグループに一度も入ったことがない人

▼▼▼お申し込みはこちらから▼▼▼

SSA参加申し込みフォーム

注意事項

・Facebookグループにてコミュニティを運営します。
・Facebookアカウントについて、「明らかに実名でない」「友達がいない」「プロフィールが全く明記されていない」など、アクティブなアカウントでないと判断した場合、入会をお断りさせていただくことがあります。
・アカデミー内の内容や、オーナーが発信する内容について、アカデミー外(口外、SNS等を含む全てのメディア・媒体)へ転記することを禁止致します。
・他の利用者への中傷、脅迫、いやがらせに該当する行為を禁止致します。
※上記禁止事項が認められた際は、強制退会扱いとさせて頂く場合がございますのでご了承ください。
・入会、退会は1ヶ月ごとに可能です。
・退会する際は、次回引き落とし日の10日前までにオーナーまで直接ご連絡ください。(FBグループの退会だけでは決済が停止できません)

オンラインサロン始めます

荻野忠寛スポーツセンシングアカデミー
(SSA)
~誰も教えてくれないセンスの磨き方~

2021年4月1日にスポーツセンシングアカデミー(SSA)~誰も教えてくれないセンスの磨き方~をスタートします。

なぜオンラインサロンを始めようと考えたのか、僕の思いを書いてみました。

僕は現在、小学生から大人まで多くの野球選手の指導に当たっています。
野球現場だけでなく、学校や企業などでも話をする機会をいただいています。
そこで「センスを磨く」という話をさせていただいています。
それは僕自身が多くの野球選手を見てきた中で、また野球選手以外の多くの人と接するなかでセンスがあるということはとても大切なことだと思っているからです。

そんな考えに行き着いた経緯から説明していこうと思います。

多くの選手を見て疑問を抱くようになった

  • トップ選手はなぜトップ選手なのか?
  • プロ野球選手とプロ野球選手になることができない選手との違いは何か?
  • なぜ練習を根気強く継続できる選手と続けられない選手がいるのか?
  • すぐにできるようになる人とならない人の違いは何か?

2014年に千葉ロッテマリーンズを退団し、プロ野球の世界を離れ多くの野球選手を見ていく中で、このような疑問を抱くようになりました。

  • 上を目指して一生懸命頑張っている
  • プロ野球選手になりたいと強く思っている
  • ギリギリのところまで自分を追い込んでトレーニングをしている
  • 身体もでかい
  • 投げる球も速い
  • 走るのも速い
  • 柔軟性もある
  • ウエートトレーニングでもすごい重さを挙げることができる

プロ野球選手が持っている能力以上のものをたくさん持っているにもかかわらず、プロ野球選手にはなれない。

何が足りないのか?
そう考えたときにたどり着いた答えが
「センス」

プロ野球選手の何が優れているのかといえば、共通しているのはセンス。

センスがないプロ野球選手はいないということです。

ということは、プロ野球選手になりたければまずはセンスを磨かなければ難しいということを考えました。

どうすればセンスを磨くことができるのか?

そう考え、センスがある人を観察し勉強をしていきました。

  • センスがある人とはどんな人?
  • センスがある人はどんな能力が優れている?
  • センスのある人はどうやってセンスを身につけたの?
  • センスを磨くことは可能か?
  • 何をすることでセンスは磨かれる?

こんな疑問に答えを見つけていきました。

そこでできたのがセンスを論理的に落とし込んだ「スポーツセンシング」です。

「スポーツセンシング」

「スポーツセンシング」を
「人が成長するための本質的な能力」
と位置づけた

つまり、スポーツセンシングに優れた人とは、自分自身を成長させることに長けた人です。

  • 何をやってもできるようになる人
  • やろうと思ったことがすぐにできるようになる人
  • できるようになるまでとことん継続できる人
  • 毎日充実し楽しそうに生きている人

このような人に近づいていくために必要なものが「スポーツセンシング」ということです。

  • 頑張っている人は成長してほしい
  • 一生懸命練習したなら成果として表れてほしい
  • 少しでも自分の理想に近づいてほしい

そんな気持ちから作ったのが「スポーツセンシング」です。

  • 頑張ろうと思っているのに頑張れない
  • 周りから努力が足りないと言われてしまう
  • なりたい自分になれない
  • 自分にセンスを感じない

そんな人にセンスを磨くことで人生を充実したものにしてほしいと思っています。

誰でも今からセンスを磨くことができる

「センスを磨く」ということを具体的にロジックとして落とし込んでいるので、誰でも、いつからでもセンスにアプローチしていくことができます。

そんな話を講演など様々な場所で話をさせていただいていますが、どうしても概要の説明に多くの時間を使ってしまいなかなか深く伝えることができていませんでした。

もっと深く知りたいという声に答えるためにオンラインサロンを立ち上げることが良いのではないかと考えた

SSA内で僕の考えを伝えることでまずは、アカデミー内の方の人生を少しでも良くできればと思います。その後、センスを磨くという考えが広がり、もっと多くの人に希望を与えるきっかけになればと思います。

もうひとつは、スポーツセンシングは僕がひとりで独学で作ったものなので、一緒に学ぶメンバーと意見交換することでより良いものに変えていきたいという想いも持っています。

一緒に学びながらともに成長していけるアカデミーを目指します。

夢を追いかける野球選手のために作ったスポーツセンシングですが、センスは野球に限ったものではなく、他のスポーツでもとても重要ですし、スポーツ以外の様々な分野でもとても重要です。

多くの分野でセンスがある人が活躍しています。

つまり、センスを身につけることは様々な場面でそのセンスを発揮することができるということです。

  • 「センスは持って生まれたものだ」
  • 「センスは変わらない」
  • 「センスを磨くなんて考えたことなかった」
  • 「センスがないからあきらめていた」

このように思っている方が多くいると思いますが、センスは今からでも高めていくことができます。

「センスを変えれば未来が変わる」

センスがなければセンスを磨けばいい。

スポーツセンシングを学び、センスを磨くこと自体を楽しんでほしいです。

身につけたセンスを日常や社会生活、仕事、遊び、将来、などに活かし、人生を豊かなものにしていってほしいと願っています。

※スポーツセンシングだけを学ぶ場ではなく僕の知識や経験をどんどん発信していきたいと考えています。

スポーツセンシングアカデミー・内容
  1. コラム・動画・ライブで情報発信
    知識や経験を発信していきます

  2. オンライン・オフライン勉強会
    Zoomを使った勉強会・実際に集まっての勉強会など企画していきます

  3. メンバーによる意見交換・交流
    メンバーが自由にアカデミー内へ投稿し、それに対してメンバーで意見交換をしていきます

  4. ゲスト勉強会
    ゲストを呼んで話を聞きます

  5. イベント企画
    いろいろなイベントを企画していきたいと思います

  6. オンラインプロ野球観戦
    オンラインでプロ野球の試合を見ながら解説をしていきます

注意事項

・Facebookグループにてコミュニティを運営します。
・Facebookアカウントについて、「明らかに実名でない」「友達がいない」「プロフィールが全く明記されていない」など、アクティブなアカウントでないと判断した場合、入会をお断りさせていただくことがあります。
・アカデミー内の内容や、オーナーが発信する内容について、アカデミー外(口外、SNS等を含む全てのメディア・媒体)へ転記することを禁止致します。
・他の利用者への中傷、脅迫、いやがらせに該当する行為を禁止致します。
※上記禁止事項が認められた際は、強制退会扱いとさせて頂く場合がございますのでご了承ください。
・入会、退会は1ヶ月ごとに可能です。
・退会する際は、次回引き落とし日の10日前までにオーナーまで直接ご連絡ください。(FBグループの退会だけでは決済が停止できません)

2021年。

明けましておめでとうございます。
昨年は大変お世話になりました。
2021年が皆様にとって、より良い1年になるよう心からお祈りいたします。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

今年も今まで同様にスポーツの価値を少しでも上げられるように活動していきます。
僕ひとりの力は微々たるものですが、周りの人を巻き込み、巻き込まれながら必要としてくださる人のためになるように動いていきます。

 

昨年はここでの投稿をしてきませんでしたが、ありがたいことに
「投稿楽しみにしています。」
「参考にしてます。」
「また投稿してください。」
などという声をかけてくださり、今年は少しずつですがまた投稿していこうと考えていますのでよろしくお願いいたします。

内容としては、僕の考案した「スポーツセンシング」という考え方を今まで以上に発信していこうと思っています。
一昨年にはオンラインという形で僕の考えを発信するということはありませんでしたが、昨年は講演やセミナーがリアルでできなかったことでオンラインでセミナーや講演を行いました。
そうしたことで今まで以上にスポーツセンシングという考え方を多くのアスリートに聞いていただくことができました。
その中でスポーツセンシングを必要とするアスリートが多くいることを感じたのでそんなアスリートの後押しを少しでもできたらと思っています。

 

昨年オリンピックが延期になり、延期になった今年のオリンピックも開催できるのかもわかりません。
プロ野球もどんなシーズンになるのか予測が難しくなっています。アメリカのMLBも同じです。
これは日本だけでなくそして野球だけでなく世界中の多くのスポーツで同じことが言えます。

プロ選手や競技選手にとって試合がないということは本当に厳しいことだとは思いますが、皆で協力して乗り越えていくしかないと思います。
スポーツの力が必要になるときが必ず来ます。
スポーツの力が必要になる人が必ずいます。
スポーツの力が必要になる場所が必ずあります。
そうなったときのために準備をしていきましょう。

 

2021年を皆さんと一緒に良い年にしていきましょう。
皆さんの健康を心より祈っています。

今年もよろしくお願いいたします。

望さんありがとう。

記事の更新ができていなかったのですが、どうしても記事に残しておきたいことがあったので久しぶりに投稿します。
今日の朝、望月一さんが死去というニュースが飛び込んできました。
52歳という若さでお亡くなりになり信じられない気持ちと感謝してもしきれない気持ちが溢れてきました。

 

望さんは、僕が千葉ロッテマリーンズ時代に球団の理学療法士(PT)としてとてもお世話になった方です。
望さんは、1986年に広島カープに入団し2度の右肘の手術を経験しながらもリリーフ投手として活躍されました。プロ野球選手引退後に国家試験に合格し理学療法士になられました。
プロ野球で活躍した後に理学療法士となりトレーナーとして広島カープ、千葉ロッテマリーンズで選手を支えてこられました。

僕のプロ野球人生は入団から3年間1軍でプレーし、残りの5年間は5回の手術を経験し、ほぼ2軍でリハビリをしていました。その5年間ずっとリハビリに付き合っていただいたのが望さんでした。
手術の時は病院で手術が終わり麻酔から覚めるまで付き添っていただき、後に麻酔でもうろうとしている状態を真似して笑いを取ったり口数は決して多くはありませんが、ユーモアある会話で明るい雰囲気を作るのがとても上手でした。

リハビリ中は「大丈夫、大丈夫」と毎日何度もおっしゃっていました。プロ野球という世界にプレーできない選手がいる場所はありません。大丈夫のはずがないのに望さんに毎日「大丈夫、大丈夫」と言われると人柄も相まってか焦る気持ちが和らいでいきました。
リハビリは毎日毎日単純なトレーニングの繰り返しで、前進したと思ったら後退してを繰り返し、決して楽なものではありません。
時には、ボールが投げられないのでサッカーボールを持ってきて2人でフリーキックの練習を真剣にしたこともありました。折れそうな心を支えていたのは間違いなく望さんの優しさだったと思います。
誕生日が同じということもあり誕生日にはお互いにメールを送りあったりしていました。

2013年の6月に右肩を手術しリハビリがなかなか思い通りにいかない中、12月に左膝の前十字靭帯断裂の再建手術をすることになり絶望の中にいる時も笑顔で励ましてくださり、毎日一生懸命に身体をケアしてくださいました。翌年の2014年シーズンは投げることができずにシーズン終了後に自由契約となりました。その時に1番に思ったことが5年間もの間、1日たりとも手を抜くこともなく毎日変わらずにリハビリに付き合っていただいた望さんにもう1度元気に全力で投げる姿を見せたいという思いでした。
その思いがあったので2015年から2年間社会人野球でプレーし、都市対抗野球の予選を勝ち上がった時に、望さんに電話をし「遅くなりましたがお陰様で完全復活しました。」という話をしました。望さんもとても喜んでくださったことを思い出します。望さんのお陰もあり社会人野球での2年間は故障することもなく元気にプレーできました。

 

望さんの中では自身が現役時代に肘の故障に苦しんだので同じような境遇の選手を助けたいという思いを強く持っていたのではないかと思います。
僕自身も怪我や故障で投げられないということは、サヨナラホームランを打たれるより、打たれて降板するより、不甲斐ない投球をしてお客さんから罵声を浴びせられるより、はるかに苦しいことでした。
だから今の僕の考えの根本にあるのは何があっても故障させてはいけない。携わっている選手の身体は全力で守ってあげなくてはならないということです。
なかなか故障をし長いリハビリを経験しないとわからないことだとは思いますが、1度故障してしまうと選手生命に関わる問題になりかねないのでなんとかそのような選手を減らすことができないかと考えています。

望さんは僕の恩人でありとても感謝をしています。それだけでなく僕の人生に大きな影響を与えていただいた方です。僕の中には望さんから学ばせていいただいたことがたくさんあります。

 

突然の訃報に信じられない思いで心の整理がつきませんが、
今まで本当にどうもありがとうございました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

2020年。

明けましておめでとうございます。
2020年が皆様にとって、より良い1年になるよう心からお祈りいたします。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 

2020年は東京オリンピックが開催されることもあり、日本のスポーツ界にとって特別な年となると思います。
僕自身も、スポーツ界がより良くなるように行動していきたいと思っています。

オリンピックレガシーという言葉が使われますが、オリンピックで終わりではなく、オリンピックをステップにもっとスポーツが発展し、良い遺産となるようにスポーツ界が一丸となり未来のスポーツを作っていく必要があります。
ひとりの力は小さなものでも、皆で協力することで大きな力になっていきます。
スポーツに携わる人たちの言動が未来のスポーツを作っていきます。
そこに微力ながら協力していきたいと考えています。

また、今年も引き続き、子供たちのスポーツ環境を少しでも良いものにできるように活動していきます。
子供の健康・安全を優先し、どうすることが子供の将来を考えたときに良いのかを考えていきたいと思います。

 

今までは、ここでの投稿を定期的にしてきましたが、今年は不定期に投稿していこうと考えています。
少しでも、この投稿を読んでくださる方の参考になれば幸いです。

2020年もよろしくお願いいたします。

2019年。

2019年も終わろうとしています。

今年を振り返ってみるとたくさんの方々とご縁をいただき、とても充実した日々を過ごすことができました。
お陰様で楽しい時間が過ごすことができ、また、たくさん勉強する機会をいただき、とても成長することができた1年となりました。

ここでの投稿も定期的にアップすることができ、たくさんの方に読んでいただき感謝しています。
少しでも読んでいただいた方のプラスになるようなことが発信できていたのなら嬉しく思います。

 

僕自身、2019年が2020年につながっていくような一年になったのではないかと思います。
またそうなるように2020年も全力で過ごしていきたいと思います。

今年1年間本当にどうもありがとうございました。
僕の投稿を読んでくださり、どうもありがとうございました。

引き続き来年もよろしくお願いいたします。

良いお年をお迎えください。

ピッチ・スマート

「ピッチ・スマート」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

「ピッチ・スマート」とはアメリカメジャーリーグが出している育成期の投手のためのガイドラインのことです。
日本ではあまり馴染みがないと思いますが、このガイドラインはアメリカだけでなく中南米、欧州、など多くの育成年代の野球に導入されています。

アメリカでの子供たちの投げすぎによる故障を危惧し、若い選手の腕の故障を減らすために何年もの間、データを集め研究を重ね、考えられました。

故障を完全になくすことはできませんが、一定の成果が出ていることは証明されています。

日本の子供たちは世界的に見ても肩、肘の故障が多いと言われています。
この「ピッチ・スマート」というガイドラインは参考にするべきではないかと思います。

 

「ピッチ・スマート」というガイドラインはメジャーリーグの公式サイトで閲覧することができます。
8歳以下、9~12歳、13~14歳、15~18歳、19~22歳と細かく分かれています。

例えば、日本の高校生にあたる15~18歳で書かれていることを紹介したいと思います。

・ストレートとチェンジアップを完璧に習得した後に変化球を投げ始めることが出来る
・12ヶ月の間に合計100回イニングを超えて投げてはいけない
・毎年最低でも4ヶ月は投げるのをやめ、そのうちの少なくとも2〜3ヶ月は継続して休まなければいけない
・ピッチングの前に適切なウォームアップをする
・投球数の制限と必要な登板間隔を設定してそれに従う
・同時に複数のチームにてプレーすることを避ける
・交代した後のピッチャーはキャッチャーを兼任出来ない
・プレイヤーは同じ日に複数の試合に参加してはいけない
・リーグ、トーナメント、ショーケースでは必ずガイドラインに従う
・年間に野球以外のスポーツをすることを推奨する
・選手の疲労の兆候を把握する
・一度交代し守備についたピッチャーが再び登板するのは一度までとする
・連日の試合において投球数にかかわらず、連投は2日までとし3日以上の連投は出来ない

このようにかなり細かくガイドラインとして書かれています。

それ以外にも、投球数のガイドラインとしても細かく示されています。

(https://www.mlb.com/pitch-smartより)

1日の上限だけでなく、投球数によっての休息期間まで細かく決められています。
例えば、高校生が81球投げたら、4日間の休息が必要です。
31球投げただけで、次の日は投げることができません。
日本人の感覚では、ありえないくらい厳しいと思うのではないでしょうか?
おそらく、このガイドラインレベルで子供たちを育成しているチームはほとんどないのではないかと思います。

しかし、海外ではこのような投球制限を設けて、それに従うのは当たり前になってきています。
アジアでも、台湾や韓国は投球制限を導入して子供たちの故障を防ごうとしています。
子供たちの身体を大切にするという部分では、日本の野球は遅れていると言わざるを得ない状況だと思います。
最優先されるべきは、選手の安全であり、健康であるべきだと思います。
プレーヤーだけでなく、指導者、保護者、観客、メディアを含め、もっと子供たちの身体を大切にするということが必要ではないかと思います。

 

目先の勝利やその時の感情に任せて、将来の可能性を狭めることがないようにと願うばかりです。

誕生日を迎えました。

4月26日に37歳の誕生日を迎えました。

たくさんのお祝いのメッセージどうもありがとうございました。

いつも皆様のお心遣いに感謝しています。

37歳まだまだ分からないことだらけで勉強している身ですが、少しでも皆様のお役に立てるよう、スポーツ界の発展に貢献できるよう、歩んでいきたいと思っています。

今後ともよろしくお願いいたします。

SMCA指導者向けセミナー。

先日、スポーツメディカルコンプライアンス協会(SMCA)として、指導者向けセミナーを開催させていただきました。

スポーツメディカルコンプライアンス協会は、指導者と協力し、子供たちが輝けるスポーツ環境を整えることを目的として発足した協会です。
スポーツ現場の現状では、時代が変わってもスポーツの指導環境が変わらずに時代にそぐわないことが起こっています。
それを踏まえ、指導者、ご両親など大人に学ぶ場を提供し、現在に合った知識を持って子供と接することで、子供たちの未来を守り、子供たちにとって、適切なスポーツ環境を作りたいと考えています。
eラーニングにより学んでいただくことを考えていますが、それに先立って、セミナー等でも発信していこうと思っています。

その年齢でやらせるべきではないこと、また、指導者として子どもに言うべきではないことなど、マイナスを排除することを目的にしています。
「どうすれば上手くなるのか」ではなく「これは適さない」「成長を阻害してしまう」を示していきたいということです。

 

今回のセミナーは、整形外科のドクターから集めた、野球をしている子供たちが現状どのような怪我を抱えているのかの資料を中心に話をさせていただきました。

指導者が、子供のためと思って指導する内容が原因で、子どもが肘や肩を痛め、将来の可能性を狭めている現状があります。

暴言や罵声による、精神的なストレスによって子供の成長を阻害してしまうこともあります。
コーチからの度重なる罵倒に心が折られ、好きだったスポーツをやめたくなる子供もいます。

メディカル的な知識を少し持つだけでも、今よりか、子供の可能性を広げることになります。
テクノロジーの進化によって、様々な科学的な根拠が出ている現状をもっと知ってもらいたいと思っています。

ただでさえ少子化が進みスポーツの競技人口が減っている今、さらに大人が子どもをスポーツから遠ざけてしまうことは避けなければなりません。
スポーツは本来、好きで楽しむものであり、人としての成長を促すのに適しているものです。
人の可能性を広げてくれるものであるという本質に向き合い、そうした環境を整えていくことが大人が子供たちにしてあげなければならないことでもあると思います。

 

よく見る例として、自分の子供が周りの選手よりも優れていると感じると、親の方が子供よりも熱くなってしまうことがあります。
次第に周りが見えなくなるぐらい、親が熱中し、チームの練習だけにとどまらず、家庭でも練習を促し、子供の練習量が増えていきます。
いつの間にか、子供は親の期待に応えなくてはと思い、楽しくて始めたスポーツを楽しめなくなります。
それが続くと、子供は心身ともにすり減って競技が嫌になってしまうといったような、大人の過度の期待が子供を苦しめるケースもあります。
才能がある選手はサポートが足りなくて潰れるというより介入されすぎることで、嫌になり、潰れるほうが圧倒的に多くあるように感じます。
プロ野球でも、才能ある選手をよりすごい選手にさせたく、いろいろ教えることで、逆に、潰れてしまうということがあります。

指導者は、高負荷の練習や長時間の練習で、選手が疲れているところを見て満足してしまう。それにより、子供のモチベーションではなく、これだけやらせたという自己満足により、指導者のモチベーションが保たれているだけのように感じる場面を見ます。
選手の上手くなりたい、試合をして活躍したいというモチベーションに全くつながっていかないことがよくあります。

 

どの競技も基本的には、その競技を経験した人が指導者になっています。
「自分がやってきた」という経験は、指導の上で説得力を持たせるひとつの理由にはなりますが「自分がやってきた」という経験は、本当に適切だったかを振り返り考えることはほとんどないように感じます。
だから自分がやってきた練習しか知らないということが起こってしまいます。
新しいことや違った角度から学ぶことで「練習したのに上手くならない」「怪我につながってしまった」などということを減らし、子供それぞれに適した指導を選択し成長につなげていくことが必要です。
選手の成長を促すためには、指導者が従来の「当たり前」をもう一度、見直す必要があるのではないでしょうか。

人それぞれ正解が違うということを頭に入れ、知識を増やしていくことが指導者が最低限していかなければいけないことだと思います。

今後も、協会として、指導者に寄り添って、子供たちの可能性をつぶさない子供が輝けるスポーツ環境を作り、スポーツ人口を増やしていけるよう発信していきたいと思います。

プロ野球の成績を予想することは難しい。

昨日、プロ野球2019年のシーズンが開幕しました。
プロ野球の成績を予測することは本当に難しいです。

多くの人が順位を予想すると思いますが、チームの順位予想はなかなか当てることが難しいです。
多くあるスポーツの中でも、特に予想が難しいのがプロ野球ではないでしょうか。
昨日の試合を見ても、試合終盤にもつれてどちらが勝つのか最後まで分からない試合が何試合もありました。

昨年のセリーグの優勝チームである広島東洋カープの勝率が.582
最下位の阪神タイガースの勝率が.440
パリーグの優勝チームである西武ライオンズの勝率が.624
2位のソフトバンクホークスの勝率が.577
最下位の楽天イーグルスの勝率が.414
つまり、プロ野球は3勝2敗でいけば優勝できるということです。
逆に、2勝3敗でいけば最下位です。
このあたりからも、野球というスポーツは他の団体スポーツに比べ圧倒的に勝敗を予想するのが難しいことがわかると思います。

 

プロ野球は1チーム143試合を約半年間かけて競い合います。
その中で、優勝するチームでも、最下位になるチームでも、必ず連勝するときもあれば、連敗するときもあります。

そのチームの勝敗を左右する大きな要因は個人成績です。
その個人成績の予想がとにかく難しいので、チーム成績を予測するのが難しいのも当然です。
どんなに良い選手でも、打てる時もあれば、打てない時もあります。
打たれる時もあれば、抑えるときもあります。

打者では、3割を打てば一流と言われますが、2割5分では、打撃がいいとは言われません。
打率が2割では打てないと言われてしまいます。
しかしこの3割と2割の違いは、10打数でヒットが1本しか変わりません。
この差がとてつもなく大きな差なのが野球です。

投手も野手も毎年同じような成績を残すことができるとは限りません。
年齢が変われば、環境も変わります。
上を目指してやったトレーニングが必ずしもいい成績につながるわけでもありません。
かといって、同じことをして進化できなければ研究されてしまうので成績は落ちてしまいます。
わずかな感覚のずれが成績に大きく関わってきます。
感覚を掴めば急に成績を残せるようになることもあります。
千葉ロッテマリーンズの井上選手のように前年の本塁打が0本から24本もの本塁打を打つこともあります。
その逆も考えられます。

怪我をしてしまえば、戦力として計算できなくなってしまいます。
その怪我はいつ誰がするのかも予測できません。
チームの主力選手が怪我で離脱してしまえば勝敗に大きく関わります。

毎年、新人選手が入ってきてその選手が活躍すれば、前年よりもチーム力が上がります。
さらに大きいのが、外国人選手です。
助っ人と言われるようにチームの主力選手として期待されますが、簡単に活躍できるとは限りません。
海外とは違った日本の文化に馴染むことができるかも大切なことです。
また、そのような環境を作れるかもチーム力のひとつではないかと思います。
外国人選手の活躍はチームの勝敗に大きく関わります。

投手目線で見れば、絶好調のピッチャーばかり揃えることができれば良いのですが、そう簡単にはいきません。
しかし、起用方法やキャッチャーのリードなどで、結果を変えることは可能です。
投手の状態や打者の状態、相性、ゲームの流れ、などを総合的に判断してどのようにプレーするのかでも結果を変えることはできます。
近年は様々なデータがわかるようになり、多くのデータを取ることができます。
しかし、データを取ることも重要ですが、それ以上に、どのデータをどう使うかが重要です。

野球はどれだけ得点を上げ、失点を抑えるかのスポーツですが、投手が投げた球を打者が打つ、その打球を野手がキャッチするといったような単純なスポーツではなく、投手と打者を始め、打者と捕手、投手とランナー、選手の起用、ベンチの作戦などのチーム同士の駆け引き、など、様々な駆け引きがあります。

いろいろな要素が絡み合い、勝敗が決まります。

昨日の試合だけでも、ソフトバンクのように、好投を続けていた投手陣が1球で振り出しに戻されたり、レアード選手のように2打席ともタイミングが合っていないと思っていたら逆転の3ラン本塁打を打ったりと結果を予測することが本当に難しいと改めて思いました。

 

毎試合、ピンチやチャンスの場面など、真剣勝負を緊張感を持って一喜一憂しながら野球を見るのも楽しみのひとつですが、様々な要因を考え、結果を予測しながら見るのも楽しみ方のひとつです。

シーズンが終わった時に誰がどのくらいの成績を残し、順位がどうなるのかを予想するのも面白いと思います。
これから長いシーズンが始まりますが、いろいろな楽しみ方をしてほしいと思います。

スポーツメディカルコンプライアンス協会

昨年、スポーツ界で様々な問題が話題になりました。
多くの問題がたまたま昨年重なったのではなく、今まで問題にならなかったことが問題になるようになってきたということだと思います。

30年前は水を飲ませてもらえないのが当たり前でした。
20年前は殴られるのが当たり前でした。
10年前は長時間のやり込む練習が当たり前でした。
今は、週2日の休みを入れた短時間練習が広まりつつあります。

インターネットの発達により、今までよりも格段に環境が変化するスピードが速くなってきています。

子供たちのスポーツ活動現場では、教育方針や指導方針のアップデートが間に合わず、現在にそぐわない事が多く起こってきています。
子供のスポーツ離れが進んでいる原因のひとつに、時代が変わってもスポーツの指導環境が変わらないということもあると思います。

 

そんな現状を見て、子供たちが安心してスポーツに取り組めるように、早急にスポーツ環境を整備し、子供たちの未来を守る必要があると考えました。

そこで、子供の適切なスポーツ環境を整備するために
「スポーツメディカルコンプライアンス協会」
を立ち上げることにしました。

この協会の最大の目的は、指導者をコーチングパートナーとして迎え入れ、子供の適切なスポーツ環境を整備するということです。
コンプライアンスガイドラインを知ってもらうことと、もうひとつは、医学的な視点から見たメディカルコンプライアンスを知ってもらい、現場で活かしてもらうことです。

 

ボランティアコーチによって支えられているのが日本の子供たちのスポーツ現場の現状です。

これだけ暴力、暴言の断絶が叫ばれる中、なかなか暴力、暴言がなくなりません。
それは、指導者自身が競技者時代、その指導にしか触れてこなかったために、強制、命令、暴力以外の指導を知らないということがあると思います。

そのようなコンプライアンスガイドラインを知らないボランティアコーチがたくさん存在しています。

それと同様に知られていないのが、医学的に見た子供の成長に合わせた練習です。
部活動におけるガイドラインが出されていますが、長時間練習や、ただ量をやり込む練習が横行して、怪我が絶えません。
また、スポーツ人口が減少している中で、人数の少ない学童野球チームでは小学1年生から小学6年生までが同じ時間、同じ練習メニューを行っているチームも少なくありません。

コーチたちも悪気があってそのような事をやっている訳ではなく、自分がやってきた練習しかわからず、昔の記憶を頼りに、それをそのままやらせています。
そのため、多くの子供たちにとって、成長阻害、疲労の蓄積による怪我の恐れがある練習などが当たり前のように行われています。
プロで活躍する選手の多くも怪我との戦いであり、それは子供の時に行っていた過度な練習によるものが多くあるのも否めません。
指導者に指示された練習メニューに子供たちは「NO」とは言わずに取り組みます。
しかし、これも指導者は怪我をさせようと思い、行っているのではなく、その選手のためになると思って行っています。

今起きている問題の多くは、自分がやってきたことしか知らないレベルの指導者が多いからです。
しかし、そのような指導者が悪いのではなく、ただ学ぶ場がないからです。
ボランティアにもかかわらず、子供を成長させようと一生懸命な指導者はたくさんいます。
そのような方たちをに、学ぶ場を提供することで、現在に合った知識を持った指導者になっていただくべきではないでしょうか。

 

スポーツメディカルコンプライアンス協会は、そういった指導者や保護者達へ、適切な知識、子供たちに多い症例等を、専門の医師を中心にプログラムとして作り上げ、それを学び、現場での指導に役立てていただきたいと考えています。

具体的には、文部科学省から発信されているコンプライアンスガイドラインと過度な負荷練習などによる成長阻害や怪我、故障から子供たちを守るため、医学的側面から子供たちの身体、心の成長を理解するメディカルコンプライアンスをeラーニングにより学んでいただくことを考えています。
スポーツ医学に強いドクターの協力を得て指導プログラムを作成し、その指導プログラムをもとに教材動画を作成します。
その動画を見ながら学習し、メディカル&コンプライアンスの理解を深めていただきたいと考えています。

日本の子供たちのスポーツチームは、ボランティアコーチが中心なので、パソコンやタブレット、スマートフォンなどインターネットの繋がる環境があればどこでも学習ができる環境づくりが必要と考えました。

その後、試験をし、合格者に当協会から発行される認定証を付与し、そのライセンス所得者は当協会HPにより公開します。
そうすることで、親御さんに安心して子供の預け先として確認していただきたく思います。

 

今、このような思いで動き始めましたが、このスポーツメディカルコンプライアンス協会が完全に動き出すにはまだ時間がかかりますが、ぜひ多くの方に賛同いただきたいと思っています。

どうぞよろしくお願いいたします。

~目先の一勝よりも大切なこと~

プロ野球春季キャンプ。

2月1日から、プロ野球の春季キャンプが一斉にスタートします。
3週間から4週間くらい沖縄、宮崎などを中心に暖かい気候の場所で練習します。
今年の千葉ロッテマリーンズのキャンプは、かなり短いそうですが、僕がプレーしていたころから3週間くらいと比較的短い印象があります。
僕の記憶に残っているのは、何と言っても2007年の新人の時のキャンプ。
プロ野球という、まったくの別世界があったことを知った時でもありました。
そのときの思い出話をしたいと思います。

 

当時の、千葉ロッテマリーンズのキャンプは、オーストラリアのジーロングというところで行われていました。
南半球なので真夏で日差しも強く、40度を越える日もあり、日焼け止めを塗りまくって過ごしました。

2月1日のキャンプインに向けて、1月30日に空港に集合して移動しました。
新人だった僕は、1月中は新人合同自主トレをしていましたが、多くの選手やスタッフの方と会うのは、この時が初めてです。
「はじめまして、荻野です。よろしくお願いいたします。」
とあいさつ回りから始まりました。
これまで、テレビの中の人で、呼び捨てで呼んでいた選手が、「○○さん」に変わった時でもありました。
実際に、会ってみると、想像していたよりも、とにかく体がでかい、厚みがあると感じました。

オーストラリアまでの飛行機はチャーター機で、3席をひとりで使えるということに、衝撃を受けました。
ホテルの食事も専用の食事会場が用意されていて、日本と変わらない食事が用意されていました。
野球をやる前から驚かされることばかりでした。

 

すべてが右も左もわからない状態だったので、常に気を張っていた記憶があります。

アマチュア野球では、食事の時間が決まっていたり、予定などの連絡は全員が集まってするのに対して、プロ野球では、予定が書かれた紙が貼られているだけでした。
毎日貼りだされるスケジュールに沿って進んでいきます。

練習のメニューもすべて書かれていて、そこに書かれた時間通りに練習も進んでいきます。
グランドもメイン球場の他に、何ヵ所かあるので、どこに行くのかを把握していなければいけません。
投内連係やサインプレーの練習も、同じ練習を何ヵ所かに別れて行うので、自分がどこのグランドに行くのかを確認する必要があります。
ピッチャーだけでも4グループくらいに別れていて、ピッチング、フィールディング、バント、コンディショニング、のように20分刻みで進んでいきます。
ピッチングも時間で決まっているので、急いで移動してもキャッチボールを入れて15分ちょっとくらいしかできません。

のんびりしている時間も待ち時間もなく、アマチュア野球の1日かけてやることを数時間で終わらせるという感じでした。

わからないことだらけだったので、同じグループの人を探して、とにかく、その人についていくということをしていました。

ランチの時間もそろって食べることもなく、自分のタイミングで勝手に摂るといったような感じでした。
練習中でも隙を見つけて、つまみ食いするということが当たり前に許されていました。

練習は午前中に終わり、そこからは各自でトレーニングルームでトレーニングをする人もいれば、ホテルに戻る人もいます。
練習後にゴルフに行く人もいました。

キャンプは、大学時代も社会人時代も経験していたのですが、まったく流れが違うことに驚きました。

ホテルに戻っても、最初の数日は、いつ集合がかかるのか、いつミーティングがあるのかと構えていましたが、貼りだされたスケジュール通りに進むので、そこに書かれていないことは起こりません。
このことに気がつくまでに数日かかってしまい、その間はホテルの部屋で何かあるのではないかと構えていました。

 

いろいろと驚くことがありましたが、その中でも1番驚き、別世界だと思ったことが、野球の実力です。
こんなにもアマチュアと実力差があるのかと思いました。
キャンプの数日で、今までやってきたことを変えられなければ勝負にならないということを実感しました。
そのくらい化け物みたいな選手ばかりでした。

運の良かったことに、当時のロッテのピッチャー陣は、日本を代表する選手が多くいました。
その方たちは皆、自分の経験や技術を惜しみなく教えてくれました。
このタイミングでロッテに入れたというのは、本当に運が良かったと思います。
そのお陰で、初めてのことが多かったこのキャンプの期間に、急成長することができました。

プロ野球という知らなかった世界を初めて体験したことと、自分の急成長も重なり、とても思い出に残るキャンプになりました。

翌年からは、キャンプ地が沖縄の石垣島になったのでオーストラリアのキャンプはとても良い経験になりました。