スポーツセンシング。

野球センス、運動センス、勉強センス、ビジネスセンス、営業センス、音楽センス、ファッションセンス、お笑いセンス、料理センス。
日本では様々なところでセンスという言葉を使います。

しかし、このセンスという言葉が曖昧なので、僕は、「スポーツセンシング」という言葉を使って、体系立てました。
センシングとは、「感じる」「感じ取る」という意味もあります。
自動運転の車にも、センシング技術という言葉を使っています。

「スポーツセンシング」とは、僕が作った言葉で、センス、優れた感覚、自動化された運動、などを持った人のことを指す言葉です。

スポーツセンシングをいくつかの能力に体系立てました。

 

野球センス、運動センス、勉強センス、ビジネスセンス、営業センス、音楽センス、ファッションセンス、お笑いセンス、料理センス…等。
このセンスは、ほとんどが共通の能力です。
その証拠に、本当に優秀な人は、何をしてもできてしまいます。

そのほとんどが共通の能力ですが、違うのが、五感を通じて得た情報を脳が処理する能力です。

球技では、目でとらえた情報をどう脳が処理するかです。
料理センスでいえば、味覚を通じてとらえた情報を脳がどう処理するかであり、音楽センスでは、聴覚でとらえた情報をどう脳が処理するかです。
つまり、五感を通じて得た情報を脳が処理する能力とは、「物事のとらえ方」のことです。

「物事をどうとらえるのか」です。

本当にセンスのある人は、レベルの高い、物事のとらえ方さえできれば、なんでもできてしまいます。

同じピッチャーを見ても、人によって見え方は違います。
同じ料理を食べても感じ方は違います。
それは、勉強でも音楽でもお笑いでも人によって感じ方は違います。

しかし、スポーツセンシングで最も難しいのが、この物事のとらえ方です。
特にスポーツで、このレベルの高い、物事のとらえ方をすることは非常に難しく、すぐにできることはありません。

優れた、物の見方ができれば、野球でボールが止まって見えたという人もいます。
サッカーやラグビーやバスケットボールでは、視野が人より広いと言われます。
ボクシングや格闘技では、相手とのスピード感がまったく違ったりします。

スポーツセンシングがある選手は、見ている世界が違います。
しかし、他の人の物事の見方がわからないので、優れた選手も、そうでない選手も、自分の物事の見方を、みんながしていると思っています。
ここが変わらなければ、センスがない選手がセンスのある選手を超えることはできないと思います。

野球の中でも、野手と投手では、物事のとらえ方は全然違います。
野手は、それを身につけることが大変で、時間もかかります。

それに比べて、ピッチャーは、物事のとらえ方が難しくありません。
なぜなら、いいと言われるフォームがある程度決まっていて、わかっているので、その通りに身体を動かせれば、いいパフォーマンスが出せます。
試合でのプレーも1回1回止まり、自分から動き出せるので、瞬時に物事をとらえて判断するという作業は、野手ほど必要ありません。

これはアメリカンフットボールのオフェンスにも言えることです。
サインによって動きが決まっていて、その通りに動くことが重要だからです。
プレーも1回1回止まり、自分たちから動き出せるので、瞬時に物事をとらえて判断するという作業は、そこまで必要とされていません。

だから、物事のとらえ方以外は、共通の能力なので、日本でもっとも勉強センスがある人が集まる東京大学からプロ野球選手になれるのはピッチャーばかりということになっています。
京都大学からプロ野球選手になったのもピッチャーでした。

アメリカンフットボールは、偏差値が高い大学が結果を出しやすいのも同じ理由です。

 

このようなことから言えることは、人やチームによって、鍛えるところが違うということです。
スポーツセンシングの劣っている能力が、物事のとらえ方なら、物事のとらえ方を重点的にトレーニングすれば可能性が広がると思います。
他の能力が劣っているならそこにアプローチすれば、センスを身につけられます。

以前にも書きましたが、重要なことはセンスを身につけることです。
センスを身につけることは、さまざまな分野で、活躍できる可能性を高めるということです。

野球が好きなら、野球を通じてセンスを鍛える。
勉強が好きなら、勉強を通じてセンスを鍛える。

今回説明したのは、「物事のとらえ方」ですが、スポーツセンシングは、いくつかの能力に分かれています。
それぞれを高めることができれば、センスは持って生まれた能力ではなく、鍛えることは可能だと思っています。

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