アグレシーボ体験会。

先日、堺ビッグボーイズの主催するアグレシーボ体験会に行ってきました。
この体験会は、野球チームに入っていない幼稚園児、小学生低学年を対象にした野球の体験会です。
どの子供たちも楽しそうに、積極的に走り回る姿が印象的でした。

体験会終了後に筒香選手が報道陣に向けて、野球界の現状。どうすることが良いのか。といったような内容の話をしました。
それを現場で聞いていました。
指導者や大人が変わらなければ、子供たちの野球の環境は良くならない。皆で、子供の将来を考えて、より良い環境を作っていきましょう。
といったようなメッセージでした。

彼は、数年前にドミニカのウインターリーグに参加したときに、ドミニカの野球環境を見てきています。
ドミニカは人口1000万人くらいの国ですが、日本とは比較にならないくらいメジャーリーガーを多く輩出しています。

現役選手でありながら、日本の学童野球にも注目していて、現状をよく理解しています。
実際に学童野球の現場を見に行ったという話もしていました。

日本の良さ、ドミニカの良さ、自分の育った環境、今ある子供たちの環境、それらを踏まえて、日本の子供たちの野球環境について発言をしています。

今回、筒香選手と直接話をしましたが、一流選手の考え方に触れることは非常に貴重であり、いろいろと勉強させてもらいました。

その中で、感じたことは、なぜ自分が成長できたのかを深く理解しているということです。
僕の言っているスポーツセンシングも今まで会った選手の中でも最高クラスだと感じました。

そしてなによりも、日本の子供たちの野球環境を良くしたいという、高い志を持っています。
僕自身も子供たちのために何かできないかと考えさせられました。

 

プロ野球選手になるために重要なことは、野球を好きであることです。
どんなに才能があろうと、身体能力を持っていようと野球が嫌いで辞めてしまってはプロ野球選手にはなれません。
これは当たり前のことです。

少なくとも、指導者や大人が子供の好きという気持ちを失わせるようなことをしてはいけないと思います。

もうひとつが、どんなにいい選手だろうと、怪我をしてしまったらプロ野球選手にはなれません。
プロ野球選手になれないどころか、野球を楽しむこともできません。
特に、ピッチャーは、肩や肘を痛めたら、取り返しのつかないことになりかねません。
子供たちの身体は、指導者や大人が責任を持って守っていかなければならないことです。

これらは、プロ野球選手を目指している選手だけのことではありません。
野球がスポーツである以上、上手い下手関係なしに、どの選手だろうと、スポーツを楽しむ権利を持っています。
それを奪ってはいけません。
高校野球で、「高校卒業後、野球を続けない選手も多くいるのだから、選手の投げたいという気持ちがあれば、無理させてでも投げさせてあげるべき」といった意見を聞きますが、人の身体の健康や安全以上に優先されることがあるのでしょうか。
もしそのような選手がいたなら、「スポーツとはそういうものではない」ということを教えるのが指導者の役割だと思います。

指導者は預かった選手を無傷のまま、次のステップに進ませる努力をすることは当然のことだと思います。

選手の目標に向かう手助けをするのが指導者で、指導者のエゴを押しつけてはいけないと思います。
指導者の勝ちたいという気持ちを押しつけることもするべきではありません。
主役は子供たちであり、子供たちのための野球であるからです。

本気でプロ野球選手になりたいという選手がいれば、相当な覚悟が必要だということも教えなければならないと思います。
しかし、これは小学生に「覚悟を持て」と言ったところで理解できません。
選手の成長を見てどう声をかけるのかを考えなければなりません。
それにはコミニュケーションは必要不可欠です。
選手の考えていることを理解しないことには、指導方法は決まらないと思います。

指導者は選手のためにいるはずです。
指導者が勉強を怠っては、選手のためにはなりません。
もし勉強を怠っている指導者がいれば、それは選手のために指導しているのではなく自分の自己満足のために指導者をしているということであると思います。

野球の技術もトレーニングもすごいスピードで変化してきています。
スポーツのあり方も変わってきています。
世間のスポーツを見る目も変わってきています。
それらを踏まえて、どうするべきなのか考えなくてはいけません。

そして現在、過去最高にたくさんの情報であふれています。
今後、さらに多くの情報であふれることが予測できます。
動画を探せば、多くの動画があり、映像で確認するということもできます。
アンテナを張って日々勉強していかなければ、ついていけないということになります。
情報処理能力はこれからの時代の必須能力であると思います。

 

筒香選手が発言したように指導者や大人が変わらなければ、子供たちの野球の環境は良くなりません。
皆で、子供の将来を考えて、より良い環境を作っていきましょう。

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