ルールも守ればなんでもしていい?

スポーツには、ルールがありますが、ルールよりも大切なのがスポーツパーソンシップです。
その精神がなければどんなにルールを作ろうと、スポーツとして成り立ちません。

「ルールを守れば何をしてもいい」という考え方ではなく、スポーツパーソンシップに則った行動をしなくてはいけません。

日本のアマチュア野球では、10点も20点も勝っているのに盗塁をするということがよく見られます。
ダメというルールはありませんがスポーツパーソンシップを欠いてると言わざるえません。
このような意見に対して必ず出てくるのが、「手を抜くほうがよくない」「ルールにない」「逆転されたらどうするんだ」などの意見です。

相手を尊重し、その競技の歴史的な成り立ち、伝統、慣習を学び、理解した上で、競技自体を尊重する心を持つことがスポーツパーソンシップです。
野球の文化や慣習を学べば点差が開いている場面で盗塁をしないということは世界的に広まっていることだとわかると思います。
もっと身近な日本のプロ野球でも点差が開いた場面で盗塁することはありません。
それは負けたら次のないプレーオフや日本シリーズでも同じです。
昔は、少年野球や学生野球に世界大会のような国際大会がなかったので、日本独特の野球だけしか知らなくてもよかったのかもしれませんが、今はそういう時代ではありません。
それで逆転されて負けてしまったら、実力が足りなかっただけです。

お互いがよい試合をしようと思ってプレーすることが大切であり、相手にも気分よくプレーしてもらい「それでも勝つ」という精神を持ってプレーすることがスポーツです。

相手が気分がよくないと思うような行いは、考えなくてはいけません。
これは試合中だけでなく試合の前後においても同じです。
例えば、試合終了になり、派手にガッツポーズをしたら相手が怒ったとします。
その時に「こっちはガッツポーズをしただけで悪くない」という考えは、相手への尊重を欠いています。
もし、相手が気分を悪くしたのなら、こちらも、その行動を考えなくてはいけないことです。

そして、それを教えることも指導者がやらなければいけないことです。

サッカーの試合で倒れている選手がいたときにボールを蹴り出し、プレーを止めます。プレーが再開されたら、相手にボールを返します。
しかし、ボールを返さないといけないというルールはありません。
これは、サッカーでは、小さい頃からこのように教えられるので、おかしいと言う人はいないのではないでしょうか。
このように、小さいころからスポーツパーソンシップを教えていくことが重要です。

スポーツでは、ルールを守り、ファウルをしない努力をしなくてはなりません。
しかし、バスケットボールでは、試合の終盤にわざとファウルをし、時計を止めてフリースローを打たせるという作戦があります。
これは多くのチームが使う戦術です。
故意にファウルをするということは、他のスポーツからは考えられないと思うかもしれませんがバスケットボールでは認められているプレーです。
このことからもスポーツパーソンシップとは、そのスポーツの文化や慣習を学ぶことが必要だということがわかると思います。

大切なのは「このスポーツとはどんなものなのか」「スポーツパーソンシップとはなんだろうか」と考えることです。

勝利だけを求める指導者に育てられれば、フェアプレーや正直さよりも、勝利を優先させる選手に育つ可能性が高くなると思います。
逆に、そのスポーツの成立や歴史、本質を理解している指導者に育ててもらえれば、スポーツを通じてスポーツパーソンシップやフェアプレーを学ぶことになり、スポーツパーソンシップを身につけた選手に育っていくと思います。

つまり、指導者の指導によって、今後のスポーツを担うスポーツパーソンが育てられ、人だけでなく、そのスポーツの文化や慣習が作り出されていくということです。
そのことを自覚し、選手を育てていくことが大切だと思います。

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