自分の目は自分で守る。

前回の投稿で日本人の視力の低下が問題になっているという話をしました。
人によって、物事の見え方が違うのではないか、という話もしました。

今回は、目の機能低下の予防や改善をどのようにしたらよいのか、という話をしようと思います。

 

人間が、何かを見ようとしたときに、使うのが眼球です。

前回も言いましたが、僕は、目の使い方と脳の使い方をトレーニングによって向上させようと思っています。
脳の使い方も重要視する理由は、物を見ているのは目ではなく、脳だからです。
人間は、映像情報をとらえる道具として眼球を使いながら、脳でその映像情報を調整したり、補充することによって、正確な映像を認識しています。

その眼球は、どのように動くのかというと、眼球内眼筋と眼球外眼筋と呼ばれる筋肉組織で動いています。
筋肉なので、トレーニングで機能を上げることができます。

眼球の中にある眼球内眼筋の筋肉組織は、「虹彩」と「毛様体」です。

虹彩は、眼球内に入る光の量を調整することで色を認識する筋肉組織です。

毛様体は、水晶体の厚みを調整することで遠近調整する筋肉組織です。
近くのものを見るときは、水晶体が厚くなり、遠くのものを見るときには、逆に薄くなります。

眼球のまわりにある眼球外眼筋は、6つあり、眼球を複合的に動かす役割を持っています。

毛様体と眼球外眼筋は随意筋(自分の意のままに収縮、運動する筋肉)なので、意識して鍛えることができます。

近眼や老眼は、目のトレーニングが有効であるということが証明されています。
近くの物だけを長時間見つめることによって、目の遠近調整筋の作用が損なわれ、毛様体筋が異常緊張状態になってしまいます。
それが続くと、近視になってしまいます。
近視の人は、水晶体が厚くなったまま、薄くならない状態にあるので、毛様体筋の働きを高めて、自律神経を整えるようにトレーニングしていけば、改善することは可能です。
近視や遠視の予防や改善には、水晶体や毛様体筋、外眼筋といったものから調整することが有効です。

眼球の筋肉を機能しやすい状態に保つことが大切なので、眼筋も、他の筋肉と同じ考え方が必要です。
適度なトレーニングと栄養と睡眠が必要ということです。

使いすぎないように、目を使う時間と目を休ませてあげる時間を自分自身でコントロールしなくてはなりません。

食事は食欲を満たすためではなく、身体機能や脳を活性化させるためにするという考え方が大切です。
好き嫌いの多い、偏食傾向にある人は、近視になるリスクが高いと言えます。
目のためには、糖分を摂り過ぎないで、日頃からビタミンB1を摂取するようにする。
カルシウムとカルシウムの吸収を助けるビタミンDを摂る。(ビタミンDを作るために太陽の光を浴びる)
ビタミンB12は、視力を増進させ、目の疲労を軽減する働きがあるので摂取するようにする。
このように、食に対する意識を上げることも重要です。

目の筋肉に無駄な負担をかけたくないので、明るさの度合いを、適切にすることも大切です。

目の水平が崩れるような姿勢は、脳が補てんする必要があるので、目や脳の疲労につながり、近視の原因になりやすくなります。
なにをするときも、姿勢に気をつけ、物を見るということも、習慣にしなければなりません。

目の良い人は、例えば、人を見たときに、無意識のうちに、小刻みに視点を動かし、その人の全体像を目と脳によって認識する作業をします。
視力が低いと、この作業をせずに全体をぼやっと見ます。そうすると本来使われるはずの目の筋肉が使われないのでどんどん機能が落ちていきます。

遠くのものをしばらく見続けたら、今度は、視線を近くのものに移す。近くのものをしばらく見続けたら、今度は、視線を遠くのものに移す。
このような目の使い方が習慣になっている人は、毛様体筋を上手く使え、水晶体をコントロールできるので視力の低下が起こりにくいと思います。

野球のピッチャーが、肩や肘に負担がかかるような、投げ方のクセを持っていると、故障のリスクが上がるように、目の使い方も、目の筋肉に負担がかかるような、使い方のクセがあれば、目にとってリスクになります。
そのようなクセは、しっかり改善していくことが必要になります。

目と脳の関係は密接で、脳は目の衰えを補てんしてくれる一方で、目の異常が限界を超えた時には脳に対する悪影響も出ます。
目のトレーニングによる効果は、目だけでなく、脳の活性化にも通じると思っています。

 

2回にわたって、目について書きましたが、簡単にどのようにすればいいのかというと

「目と脳に良い習慣を身につけよう」

ということです。

ゲームやスマートフォン、テレビなどを、どんどん切り捨てるのではなく、適切な遊び方とバランスの取れた時間配分をしっかり理解することが大切だと思います。

適切な明るさで、適切な姿勢で、目を使うように心がける。
質のいい睡眠と十分な睡眠時間を持つ。
バランスの摂れた食生活をする。

そして、ぜひ、スポーツを習慣の中に入れてほしいと思います。
スポーツは、眼球の使い方を身につけるのに適していると思います。
ストレスに対しても、目に対しても、脳に対しても、とてもよい影響を与えられるからです。

 

目に対する知識と、よい習慣を作ることにより「自分の目は自分で守る」という意識を持ってほしいと思います。

今回の投稿が、日本人の問題となっている、視力の低下の予防や改善につながればと思います。