生涯スポーツの魅力

前回「競技スポーツの魅力」について書きましたが、今回は、生涯スポーツの魅力について書きたいと思います。
生涯スポーツとは、その生涯を通じて、健康の保持・増進や自己実現、レクリエーションを目的に「だれもが、いつでも、どこでも気軽に参加できる」スポーツのことを言います。

競技スポーツは、より成長することや、より良い成績を目指し勝ち負けを競いますが、生涯スポーツは、健康促進や自己実現、仲間との交流に意味があります。
つまり、「スポーツをすること」自体が目的になるということです。

 

日本のスポーツは、部活動を中心に競技志向にあります。
もちろん競技スポーツも日本では欠かすことができないものですが、もっとライトなスポーツの関りをする生涯スポーツを広げることは、とても重要になってくるのではないかと思います。

競技スポーツではない生涯スポーツやレクリエーションとしてスポーツを楽しむことで、充実した人生を送る手助けになります。

人間は年を重ねるごとに体力が衰え、健康も損なわれていきます。
スポーツを続けることは、体力を向上させ、健康促進に役立ちます。
特に、日本の高齢者医療の問題にスポーツが大きな役割を担っているのではないかと思います。
高齢者だけでなく、現代は、ストレス社会といわれるように、多くの人が、多くのストレスにさらされています。
ストレスと上手く付き合うことは、健康ともつながります。
スポーツを通じて、爽快感や達成感を得ることで、毎日の充実や生きがいに結びつけることができます。
ストレス社会への対策としてもスポーツを楽しむことは、重要な役割を担っています。

 

健康や体力づくりだけでなく、スポーツを通じて、他者とのつながりを作ることもできます。
人と人とがコミュニケーションを取り、地域コミュニティや家族との交流をすることで、人と人との結びつき、支え合いや助け合いを通じて絆を深めることができます。

地域にはスポーツクラブが多く存在しています。
テニスコートや草野球場、フィットネスジム、体育館などで、人々が集まり行うスポーツ活動は、競技スポーツとは異なり、年齢も幅広く、運動能力や体力にも差があります。
そのような人たちが一緒に汗を流し、運動する楽しみを味わうことができます。

スポーツという共通言語を使い、生涯スポーツの場では、普段の生活では知り合う機会がなかなかないような人々とも知り合い、交流することができます。

相手に勝利することを目指すのではなく、健康のためや交流のため、単純に楽しみのために行うのも立派なスポーツと言えます。

僕の周りには、元プロ野球選手だけでなく、部活動などで競技スポーツに一生懸命になっていた選手たちが、今は年齢を重ね生涯スポーツとして草野球を楽しんでいる人が多くいます。
若い時は、しっかり練習し、トレーニングを繰り返し、ひたすらに勝利を目指していた選手たちが、現在は、試合の時だけ集まり、今ある力で野球を楽しみその仲間たちと交流するといったような、競技とは、かけ離れた野球をしています。
中には、草野球を生きがいに、仕事のモチベーションを保っているような人もいます。
スポーツの歴史を辿ると、元々は、日常や仕事を離れた遊びがスポーツの始まりなので、このような生涯スポーツが本来のスポーツの姿とも言えるのかもしれません。

 

どんな選手でもいつかは、競技スポーツから生涯スポーツに切り替えるタイミングが来ます。
競技スポーツは、上のレベルになればなるほど、技術やパフォーマンスの向上を目指し、自分の身体の極限へ挑戦していきます。
そのために競技スポーツは健康を害するところまで自分の身体を追い込んでしまう危険性があります。
だからこそ、競技スポーツの現場には、生涯スポーツの現場にはいない、選手にブレーキをかけられる冷静な指導者が必要であると思います。
僕の考えとしては、競技スポーツで燃え尽きてはいけないし、怪我や故障で将来そのスポーツができなくなるのは避けなければならないということです。
スポーツは生涯にわたってプレーされるべきだと思っています。

 

近年は、スポーツをやる環境が変化してきています。
テクノロジーが発展し、IT技術や交通手段が発達し、身体運動の機会が減ってきています。
そんな時代だからこそ、ぜひ、多くの人に、自分の人生をより良いものにするために、何かしらのスポーツをする習慣を持ってほしいと思っています。

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