現代の子供の体力・運動能力の低下。

数十年前よりも子供の体力、運動能力の低下が見られます。
小学校、中学校で行われる体力テストの結果としてはっきりと示されています。
現代の子供の体力・運動能力の低下について書いていこうと思います。

 

体力は人間の発達・成長にとても重要なものです。
体力をつけることで、病気への抵抗力を高めたり、健康を保つことができます。
体力が向上することで、身体がよく動くようになると気力が湧いてきたり、何かをする意欲が増したりとモチベーションにも関わります。
精神的ストレスに対する抵抗力も高まります。

より豊かで充実した人生を送るためにも、体力を高めることは必要な要素です。

その体力を高めるために適しているのが、運動やスポーツです。

近年よく言われている、子供の運動やスポーツ離れが進んでいることが、子供の体力・運動能力の低下の原因にひとつになっていると考えられます。
子供の野球の競技人口が激減していると言われていますが、これは野球だけの問題ではなく、サッカーなど他のスポーツにも言えることです。
野球離れという問題で考えるのではなくスポーツ離れという問題で考えるべきだと思います。

 

子どもは、外遊びなどによる運動を通して、体力をつけ、五感を鍛え、身体の動かし方を学び、脳の発達を促していくなど、運動が心身の発達に深く関わっています。
外遊びのような運動は、ただ身体能力を向上させるだけでなく,知力や思考力の向上の基礎になります。
外遊びのような運動をすることで、身体を自分の思う通りに動かす能力を向上させることにもなります。

幼少期には、特定のスポーツをするよりも、外遊びの方が動きの種類が豊富なので、運動能力が高くなると言われています。
決まった動きを繰り返すよりも、好き勝手に遊ぶ方が多くの種類の動きを経験できるので、外遊びをすることはとても重要なことです。

さらに、スポーツをすることで、自己のコントロールや仲間との関わりから思いやりの心などの精神的な面を育むことができます。
優れた人格を身に付け、生きていく上で重要な自ら学び自ら考えることができる人材を育てるのにスポーツがとても役に立ちます。

 

このように本来、運動をすることやスポーツをすることで得られることはたくさんあります。
人間が生きていく上で、運動やスポーツは必要なことだと思います。

しかし、現状を見てみると、スポーツ離れが進み、子供の体力は低下していっています。
なぜそうなるのかを考えると、多くの人が運動やスポーツの価値を感じていないからだと言えます。
もちろん、多くの公園で野球やサッカーが禁止されていたり、少子化の影響でスポーツチームが減ってきていたり、受験勉強が優先されるといったこともありますが、人々の意識の中に運動やスポーツをする意義が薄れているということだと思います。

親やスポーツ指導者が、子供の発達段階に応じた指導方法を知らずに、いきなり技術的なことを教えたり、勝ちにこだわった指導をして、子供がスポーツの楽しさを知ることなくやめてしまったり、スポーツ嫌いになってしまうこともあります。
スポーツの本質を教えることなく技術指導を中心にすることにより、楽しくスポーツをする環境を作れないことも問題になっています。

スポーツを好きな子供を増やすためにも、子供の発達段階に応じて指導し、先ずは、スポーツをする楽しさを感じさせることをしなければならないと思います。
早期に特定種目へ専門化してしまうよりも、遊びやいろいろなスポーツに挑戦したり触れることで、その楽しさや喜びを味わったりすることができます。
自分にあったスポーツを見つけるためにも多様なスポーツをすることは必要です。
親や指導者は、個人の能力・適性を伸ばしていく視点に立って、体力や運動能力を向上させていくことで、子供の将来につなげていけると思います。
学生時代に運動部やスポーツクラブに所属していた人は、大人になっても高齢者になっても運動をするケースがそうでない人に比べ、多いと言われています。
健康的で歳を重ねても体力テストの点数が高いそうです。

生涯スポーツを楽しむためには、大人になってから突然スポーツを始めるのは難しいので、子供時代からスポーツに親しんでおくことが良いと思います。

 

生活習慣の基本は、バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠(休養)です。
これは何歳になっても言えることで、子供の時からの習慣にすることで、充実したより良い人生を送ることにつながると思います。
スポーツをするということは、肉体的にも精神的にも得るものは多く、教育的な人材育成だけでなく、地域振興や地方創生、スポーツ産業、など多くの価値を生み出します。
もっともっとスポーツの価値を示し、スポーツを発展させていく必要があります。

子供の遊びの重要性とスポーツの本質を広めることが、子供の体力・運動能力の低下に歯止めをかけ、スポーツ離れをなくすことにつながると思います。