「なぜ結果がでなかった?」を考える。

スポーツをしていれば、結果が出る時もあれば、出ない時もあります。
野球では、打たれることもあれば、抑えることもあります。
バッター側からみれば、打てることもあれば、打てないこともあります。
野球だけでなくすべての競技に言えることです。
サッカーでもパスが通る時もあれば、パスが通らないこともあります。

結果が出た、出なかったをどう分析して、次につなげていけるかが大切になってきます。
今回は、プロ選手の考え方なので、いつもよりも少しレベルを上げた、話をしていこうと思います。

 

思い描いていたような結果が出なかったり、ミスをしてしまったりした時に、それがなぜそうなってしまったのかを考えなければなりません。
その根本にあるのが、行動を起こす前の物事の捉え方の部分、つまり、「こうしよう」というイメージを創る部分でミスをしてしまったのか、その行動自体にミスがあったのかを見極めることが重要です。

例えば野球のピッチャーが打たれてしまった時に、自分が思った通りのボールを投げて打たれてしまったのか、思った通りのボールが投げれずに打たれてしまったのかを見極めます。
もし狙った通りに投げていたにも関わらず打たれてしまったのなら、それはそのボールを選択したこと自体がミスをしていたことになります。
投げる前のサインを決めた時点で、コースなのか球種なのか、抑えることができると思って創ったイメージが良くなかったということです。

物事をどう捉えるかのインプットのミスと自分の身体をどう動かすのかのアウトプットのミスで分けなければいけません。

「失投した」と言われるような、狙ったところに投げることができずに打たれてしまうのはインプットのミスというよりも、アウトプットの部分でのミスです。
そもそものフォームが悪かったり、タイミングがずれてフォームが乱れたりといった部分の不具合から生じます。
そうではなく、狙っとところにイメージしたボールを投げられたにも関わらず打たれてしまったのなら、それは相手との駆け引きや抑えるイメージをしたそのイメージが良くなかったということです。

バッターで言えば狙ったところにしっかりバットを出せているにもかかわらず打ち取られてしまったのか、そもそも技術が足りずにバットを出そうと思ったところにしっかりとバットを出せなかったのかこれを見極めなければなりません。
バットを狙ったところに出して、捉えたと思ったにも関わらず打ち取られてしまったとしたら、それはアウトプットのミスではなくインプットの部分でミスをしているということです。
バッターのインプットの部分でのミスというのは目から得た情報を脳が錯覚し、ずれてしまっているということです。
ここが改善できなければいくらバットを振って狙ったところにバットが出せるようになっても打てるようにはなりません。

サッカーで言えば、例えばパスを出した時に、そもそもそのパスを出そうとした場所が悪かったのか、もしくは技術的に足りずにそこにパスが出せなかったのかを考えなければならないということです。
パスをする技術が足りなかったのかインプットの部分、つまり想像力や創造性、発想と言われるようなイメージの部分が足りなかったのかを考えなければなりません。

 

上のレベルを目指すのなら、この物事の捉え方の部分とその動き自体、両方を向上させる必要があります。
動きのミスは目で見ればわかるので、すぐに見つかりますが、物事の捉え方の部分は目では見えないので、指導をする場合には、選手との会話の中から見極めていかなければなりません。

何の競技でも相手とのレベルがかけ離れてしまっては物事を捉える部分(インプット)のミスなのか、その動作(アウトプット)でミスをしたのかの判断は難しくなります。
しっかりした技術、つまりアウトプットができなければ物事の捉え方でミスをしているのかが曖昧になります。

極端な例で言えば100キロぐらいのボールしか投げられないピッチャーがプロ野球選手と対戦した時に、配球が悪いから打たれたというのは通用せずに単純に投げる技術が足りないから打たれてしまったのであるということです。
どんなに物事の捉え方の部分が優れていたとしてもアウトプットの技術が低すぎては抑えることは難しいということです。

 

物事の捉え方のレベルを高めようと思ったら、身体を動かす技術が高くすることが大切です。
この相乗効果でスポーツのパフォーマンスは上がっていきます。

上手くいかなかった時にその原因がどこにあるのかを正確に把握し、そこに対してアプローチできればどんどん成長していきます。
どうしても目に見えるフォームや動きの部分ばかりをトレーニングしてしまいますが、高いレベルになればなるほど物事の捉え方の部分が重要になってくるので、早くからイメージを創るレベルを高めるための創造力や感覚を磨いていくことが重要だと思います。