もうひとつ外の世界に目を向ける。

僕が尊敬している方たちは、僕の知らないことをたくさん教えてくれます。
他の人に比べ、多くの知識を持っているように感じ、話を聞いていると「なるほど」と思うことが多々あります。

そういう人たちに近づくには、どのようにしたら良いのかを考えてみました。

 

そのような人たちを観察していると、今いる環境よりも大きな世界に目を向けているように感じます。
常に、今いる世界よりも、もうひとつ外の世界に目を向け、変化を恐れずにどんどんチャレンジするという共通点があります。

個人から他人。自チームから他のチーム。自分のリーグから他のリーグ。日本から世界。といったように今よりも大きな世界に目を向けるということです。

もちろん、その逆の、周りも見ずに、がむしゃらにやっていたらとんでもないところまでいけたということもあります。
両方をバランスよくできることが理想ではありますが、今回は、外に目を向ける重要性を考えたいと思います。

 

スポーツ選手の多くは、成長を目指して、常に競争しています。
レギュラーになるのも、試合に勝つのも競争に勝たなければできません。

どうすれば今よりも優れたことができるのかを、多くの人が考えていますが、物事を見るときの視点を、どこに置いているのかによって差が出てきます。
今よりも、もうすこし大きな視点で物事を見て、行動に移していくことが大切だと思います。

その組織の中にしか、目を向けていないと、気がつけば、周りの組織から差をつけられてしまうことがあります。
外に目を向けないでいたら、後れを取っていることすら、気がつかないといったようなことが起こってしまいます。

県内だけを見ていたら、他県から差をつけられていた、なんてこともあるかもしれません。

日本の国内だけで一生懸命、競い合っていたら、気がつけば、世界から取り残されていた、なんてことになってしまうかもしれません。

「大きな視点で物事を見ている人」と「小さな視点で物事を見ている人」が会話をしたら「小さな視点で物事を見ている人」は「大きな視点で物事を見ている人」が何を言っているのかわからない、ということが起こってしまいます。
大きな視点でものごとをみるということは「その周り」や「その先の未来」を考えられるということです。
つまり、小さな視点で物事を見ている人には、見えていない世界を見ているということになります。
これでは、何を言っているのかわからないという状態になってもおかしくありません。

大きな視点でものごとをみるということは、「その周り」や「その先の未来」を考えられるということだけでなく、「今までと違う考え方をする」ことでもあります。
「自分の意見は正しい」と、周りの意見を聞かないことは、大きな視点で物事をみるということをできません。

物事を俯瞰して、さまざまな角度や、違った立場から見るということが重要です。
知らないことを知ろうとする前向きな姿勢を持ち、自分の価値観を明確にし、他の人の価値観を尊重した中で、自分の考えを決めていくことが大切です。

実際に自分の目で見るのがいいですが、それができなくても、テレビやインターネットで違う世界のやり方を観察してみたり、上のレベルの人の話を聞いてみたりすることで、今まで知らなかった、外の世界に目を向けることができるようになります。

また、新しいことに挑戦してみることでも、今までと違ったところに、目を向けることができます。

 

自分自身やチームが、より成長するために、今いる世界の外に目を向けることが重要だと思います。
まわりの良いところを真似して、自分やチームに合ったやり方に変え、経験に変えていくというやり方が、新しい気付きを生み、成長につながると思います。

よく噛んで食べることはいいことだらけ。

同じ食べ物を、同じ量食べても、同じ身体にはなりません。
もちろん、人それぞれ、遺伝子が違うし、体型が違うし、代謝が違うというのもあります。
しかし、それ以外にも、食べ方や脳の使い方に違いがあるということもあります。

今回は、その食べ方の、よく噛んで食べることのメリットを考えてみました。

 

よく噛んで食べることで得られることはいろいろあります。

・肥満の予防
ゆっくりよく噛んで食べることで、満腹感が得られるため、食べ過ぎを防ぐことができます。
満腹中枢が刺激されて、満腹感を感じるのは、食事開始から約20分後と言われています。
よく噛んでゆっくり食べることで、満腹のサインが脳に伝わりやすく、食べ過ぎを防ぐことができ、体重管理に役立ちます。

・味覚の発達
食べ物の形や硬さを感じることができるため、食べ物の味がよくわかるようになります。
僕は、五感を鍛えることを重要視しています。
人は、五感を使って周囲や相手を観察するからです。
味覚が発達することで、感性を磨くことにつながると思っています。
よく噛んで食べることで、体力づくりや感性の発達に役立ちます。

・筋肉の発達
口のまわりの筋肉を使うことで顎が発達し、言葉の発音がきれいになったり、話す力の向上につながります。
また、口の周りには表情筋がたくさんあるので、噛む回数が増えると、それらの筋肉を活発に動かすことにつながり、顔の筋肉が引き締められ、小顔につながります。

・脳の発達
頭部に流れる血液の量が増えるため、脳の血液の量が増えて、脳の働きが促され、脳が活性化され、集中力の向上にも役立ちます。

・虫歯の予防
よく噛むことで、唾液の分泌が多くなります。
唾液には食べ物のカスや細菌を洗い流す働きがあり、虫歯の予防になります。

・胃腸の活性化
食べ物を、よく噛み砕いてから飲み込むことで、消化の働きを助け、胃腸の負担を軽くして、効率的にエネルギーに替えることができるようになります。

・スポーツのパフォーマンスの向上
これは、僕の経験から、噛むことが、スポーツ選手に重要な役割を果たしているのではないかと推察しています。
僕は、マウスガード(マウスピース)を着けてプレーしていましたが、噛み合わせによりパフォーマンスに違いが出ることを実感していました。
噛み合わせが悪いと、筋肉が過剰に緊張して、肩こりや偏頭痛になることもあります。

食事中にバランスよく噛むことで、過緊張を防ぎ、脳にもいい影響を与えのではないかと思います。
姿勢を正し、左右の歯でバランスよく噛むことで、筋出力の増加、柔軟性の向上、疲労の軽減、反応速度の向上、脳の活性化、集中力の向上にもつながるのではないかと思っています。

スポーツをプレーしているときに、歯を食いしばってプレーしていると思っている人は多いと思いますが、実際は、一流のスポーツ選手ほど上下の歯が接触している時間が短いです。
プレー中だけでなく、普段の生活中も上下の歯が接触している時間が短いです。
その上下の歯が接触している時間の多くが食事中です。
マウスガードを着けていた実体験から、人は、リラックスした状態で、バランスよく噛むことで、顎の位置を整えることができ、食事により顎を動かし、身体のバランスを整える効果もあるのではないかと思っています。

 

よく噛んで食べることは、健康につながるさまざまな効果があるだけでなく、パフォーマンスの向上にもつながります。

よく噛んで食べられるようにする工夫として、食材を大きめにカットして調理することで、噛む回数を自然と増やすことができます。
また、固い、噛みごたえのある食材を使うことも、よく噛んで食べることにつながります。

食事中に水を飲まないことも、効果的なやり方です。
水で流しこむことができないために、よく噛んで、唾液の分泌を増やすことになります。

ひとりで食事をするのではなく、会話を楽しみながら友人や家族と食事をとることも、ひとりで食事をするよりかは、ゆっくりよく噛んで食べることができます。

 

初めは、意識しないとできないかもしれませんが、テーブルで、姿勢良く座り、よく噛んで食べる習慣を身につけることが大切です。

いい習慣を作ることで、意識しなくても、よく噛んで食べられるようになります。
どうせ食べるなら、少しでも身体にいい影響を与えられる食べ方をするべきだと思います。
一流選手は、小さなことの積み重ねが大きな差になることを知っています。

今日から、意識して、よく噛んでゆっくり食べるということもしてみてはどうでしょうか。

姿勢を正すことはいいことだらけ。

親や学校の先生などに「姿勢をよくしなさい」なんて言われたことがある人は、多くいると思います。
実は、これは非常に重要なことです。
一流のスポーツ選手を思い浮かべると、背筋が伸びていて、姿勢がいい選手ばかりです。
スポーツ選手に限らず、何の分野でも、優秀と言われるような人は皆、姿勢がとてもよいです。

そのような人は、なぜ姿勢がよいのか?
姿勢をよくすることで、何が得られるのか?
そんなことを考えてみました。

 

先ず、よい姿勢とはどんな姿勢でしょうか?

思い浮かべるのは背筋が伸びている姿勢ではないでしょうか。
僕が考える理想的な姿勢とは、くるぶし、膝関節、股関節、肩、耳が地面と垂直に並ぶようにし、自然で負担のない姿勢です。
この姿勢をすると、頸椎は前弯、胸椎は後弯、腰椎は前弯をした、緩やかなS字カーブを描いている姿勢になると思います。
そうすることにより、足も背中も首もリラックスすることができます。

運動時での理想の姿勢は、筋肉や関節にかかる負荷が少なく、無理なく、効率よく力を発揮し、身体を動かせる姿勢です。
また、最適な重心を得ている姿勢でもあります。

逆に、悪い姿勢とは、肩が前に出て背中が丸まったような猫背の姿勢。
ストレートネックやスマホネックと言われる、頸椎の前弯が減少し、首が前傾している姿勢。
腰が反りすぎている姿勢。などのことを言います。
筋肉や関節にかかる負荷が多く、最適な重心を得ていない姿勢です。
僧帽筋や首の筋肉が緊張し、肩こりの原因にもなります。
肩こりは、顔や脳への血流が悪くなるので、頭痛や、眼精疲労、視力の低下、集中力の低下などの原因にもなります。
反り腰は腰痛の原因になることもあります。

座った時に足を組んで座るのも、体を左右に歪ませる原因になるのでいい姿勢とは言えないと思います。
理想的な座った姿勢は、骨盤を立てて、背筋を伸ばした姿勢です。

 

理想的な姿勢をすることによるメリットはたくさんあります。

まず挙げられるのが、呼吸がしやすくなるので呼吸機能が向上します。
それに伴い、循環機能が向上し、脳や身体への血流が増え、様々な効果につながります。
姿勢がよくなり、呼吸がしやすくなると、横隔膜が動きやすくなります。
横隔膜が動くようになると、より酸素を取り入れやすくなり、呼吸機能、循環機能がより向上するというプラスの流れを作ります。
横隔膜が動き、広がることは、内臓にも、よい影響を与えます。

また、自然で、筋肉や関節にかかる負荷が少なくなることで、全身がゆるみ、身体がリラックスします。
それにより、筋疲労が軽減します。
特に、肩こりが改善されると、脳への血流がよくなり、脳に酸素が運ばれ、脳が活性化され、集中力を高めることにもつながります。

無駄な緊張がなくなることは、内臓や血流、神経にもいい影響を与えます。

運動時に理想的な姿勢をすることは、股関節や肩甲骨の柔軟性が向上し、パワーの発揮、瞬発力の発揮、持久力の向上、等、高いパフォーマンスを発揮するためには、欠かすことができません。

それだけでなく、視野が広くなり、ものの見方が変わることによりプレーの質も変わってきます。

 

ここまで、理想の姿勢をするメリットを挙げてきましたが、悪い姿勢を正すことにもメリットがあります。

意識して姿勢を正すことの大きなメリットは集中力の強化になるということです。

集中力とは、能力なので、鍛えなければなかなか向上しません。
集中力のない人に、どんなに「集中しろ」と言っても、できないのは、能力が低いからです。
そのような人が、集中力を身につけたければ、集中力を強化するトレーニングをする必要があります。
そのトレーニングに適しているのが、「意識して姿勢を正す」ということです。
なぜかというと、集中力とは、無意識に行う行動を、意識的にやらないようにすることで強化されるからです。
姿勢というのは、ほとんどが無意識にしているものです。
今、この投稿を読んでいる姿勢も、大半の人が意識をしていないのではないでしょうか。
思い出すたびに、無意識にとっている姿勢を、意識して正していけば、だんだん姿勢もよくなっていき、集中力も強化されていくということになります。

今、姿勢を正した人は、ほんの少し集中力が強化されたということです。

 

勉強する時も、読書をする時も、テレビを見る時も、食事をする時も、スマートフォンを操作する時も、スポーツをする時も、
いつでも姿勢を正すということで得られるメリットは、たくさんあります。

思い出すたびに、姿勢を正してみてください。

ブルペンエース。

今まで、さまざまなカテゴリーの野球を見てきましたが、どこのチームにも、ブルペンエースと言われる選手がいます。
ブルペンエースとは、ブルペンでは、いいのに、試合ではいいピッチングができない選手のことを言います。

「ブルペンのボールを試合で投げられたら抑えられるのに」なんて言葉を耳にします。

どこのチームにも存在する「ブルペンエース」について、僕なりの考えを投稿したいと思います。

 

結論から言ってしまうと

ブルペンエース=技術不足

というのが、僕の考え方です。
実際は、ブルペンエースをほとんど見たことがありません。
ブルペンエースと言われる選手も、ブルペンと試合で同じようなピッチングをしています。

 

ブルペンと試合では当然、いろいろな違いがあります。

ブルペンには、審判がいないのでストライク、ボールが曖昧ですが、試合では審判がいて、ストライク、ボールが明確に決まるので、ストライクを投げなくてはなりません。

試合では、バッターがいるので、打たれないようにという意識が働きます。
野手や相手がいるので、自分のペースで投げることが難しくもなります。
ランナーが出れば、サインプレーやランナーを気にして投げることも求められます。

練習のマウンドは、毎回、同じところで練習することが多いので、気になることは、少ないと思いますが、試合では、マウンドの違いやプレートの違いに数球で対応しなくてはなりません。

試合では、投げる球種やコースが1球1球、変わることも考えられます。

そもそも、雰囲気が全く違います。

このように、ブルペンと試合では、違いがあるので、試合の方が、多くのスキルが必要になります。

しかし、今まで、多くのピッチャーを観察してきましたが、ブルペンも試合も同じようなピッチングをする選手が多いと感じています。
ブルペンエースと言われる選手の多くも、ブルペンも試合も同じようなピッチングをしています。

ブルペンエースと言われる選手のブルペンでの投球練習を観てみると、共通点が多くあります。

簡単に言ってしまえば、「いいボールを投げる選手権」をブルペンでしています。
いいボールを求めているので、ブルペンでストライクを投げる練習をしていません。

特に多いのが、力のあるボールはボール球でストライクゾーンには、シュート回転や抜け気味のボールしかこないという選手です。
ストライクゾーンにくるボールが、力のあるボールではなく、その選手の1番、力のあるボールは、ボールゾーンのボールであるということです。
ブルペンでは、カウントがないので、永遠にボール球を投げ続けられますが、試合では、そういうわけにはいきません。
そのような選手は、ストライクゾーンに、力のあるボールは投げられないので、試合では、ストライクを取ることに苦労するか、打たれてしまうかで「ブルペンのボールが投げられれば…」と言われます。
しかし、これは、ブルペン通りのボールを投げていると言えます。

ブルペンエースと言われる選手だけでなく、多くの選手がブルペンでのピッチングが、そのまま、試合で出ています。
ブルペンを観ていたら、そのピッチャーの悪い時のパターンや打たれるボールが想像できます。
試合で、調子の悪い時や疲れてきた時に、その選手の普段のブルペンでしている、投げミスのボールが、多くなるということです。
ブルペンの投げミスが、抜けるボールの選手は、試合でも抜けるボールが出ます。
ブルペンでシュート回転で甘く入ってくる選手は、試合で打たれるのはそのボールが多いということです。

このように、フォームなどのメカニック的な技術や身体操作技術が不足していることが原因になっていることが多いと感じます。

もうひとつ、多いのが、思考技術の不足が原因のケースです。
集中力を発揮する方向を変えるのに時間がかかる選手は、ブルペンでは、問題になりませんが、試合では問題になります。
例えば、ランナー1塁では1塁ランナーに集中し、投球の際には、集中をランナーから打者方向に変えなければなりません。
この切り替えの速さがないとランナーが出た時にパフォーマンスが落ちてしまうことが考えられます。

イメージを作る技術が低いと、ボールのラインをイメージできないので再現性が低く、確率よく理想とするボールを投げることができません。
人によって作るイメージに違いがあり、他人が作っているイメージを知ることはなかなかできませんが、イメージを作ることは、とても重要です。

これは思考技術の一部ですが、思考技術の高さにより、発揮されるパフォーマンスに大きな差が出ます。

 

ブルペンエースと言われる選手は、メカニック的な技術や思考技術といった、投球に必要な技術が不足しているということです。

ピッチャーは「いいボールを投げる選手権」をしているわけではなく、バッターをどうしたら打ち取ることができるのかを考えることが重要です。

不足している技術を探し、そこにアプローチできれば、試合で力を発揮できる選手に近づくのではないでしょうか。

ブルペンでの肩の作り方。

僕がプロ入りしたときの監督がボビー・バレンタイン監督でした。
ボビーの下で野球ができたことが、僕の財産になっています。
その中で、ブルペンでの準備の仕方は、それまで経験したことがない、効率的なやり方でした。

日本のやり方とボビーのやり方、両方を経験して、個人的な意見ですが、日本のやり方は、変えるべきだと思っています。

日本のやり方と比較して紹介したいと思います。

 

まず、日本のやり方を紹介します。
日本のプロ野球でも、主流になっているやり方で、アマチュア野球では、ほとんどのチームが行っているやり方だと思います。

試合に投げる投げないは関係なく、必ず1回投球練習をして肩を作ります。
試合の日は、ブルペンで投げない日はないということです。

早めに1回、肩を作り、休んで出番を待つので最低でも2回、肩を作ってから試合に登板します。
3回、4回、肩を作って試合に出場することもよくあることです。
1度作った肩を、冷やさないようにするので、キャッチボールや投球練習を何度も行います。

それに対して、ボビー・バレンタイン監督が導入していたやり方です。
実は、ボビーのやり方というより、日本以外のやり方といったほうがいいのかもしれません。
僕の知る限り、日本以外の国は、このやり方をしています。(世界中の野球を知っているわけではありませんが…)

そのやり方は、まず、ベンチの指示がない限りキャッチボールすらできません。

ベンチからどうなったら投げるというのが明確に伝えられ、準備をしてくれとなります。
例えば「3番バッターで」や「何番で左バッターがきたら」のようにどうなったら登板するというのが、明確に伝えられます。

キャッチボールを含めて、バッター3人くらいの間で、肩を作らなくてはなりません。
肩ができたらブルペンからベンチに、準備ができたことを伝えます。
もし、間に合わない時には、ブルペンからベンチに連絡し、タイムを使うなどして時間を作ってくれます。

抑えを任されていて、最終回に投げる時は、8回の相手の攻撃が終わった瞬間にブルペンの電話がなり、そこから準備をしていました。
味方の攻撃が3者凡退だと10球も投げられないことになります。

3回肩を作って登板がなければ、もうその試合には出ません。(2008年のシーズン中にブルペンで30球以上投げたことは1度だけ)

ブルペンでの肩を作る回数が増えたり、投球数が増えると、監督に謝られることもありました。
そんな経験は、それまでなかったので、正直驚きました。
そのくらい、ピッチャーの身体を大切にして、どうすることが、ベストに近い形で試合に入れるか考え、協力してくれます。

これが、日本のブルペンのやり方と海外のブルペンのやり方です。

日本のアマチュア野球で、上手くブルペンが機能しているチームは、少ないと思います。
ほぼ全てのチームに、呼び方は様々ですが、ピッチャーの怪我に備えて「保険」や「並行」や「アクシデント要因」と言われる、初回から誰かがブルペンで投げるシステムがあります。

これは、選手のためにならないシステムであると言えます。
なぜなら、ピッチャーライナーが当たるなど、ピッチャーが怪我をして投げられなくなるようなアクシデントがあった時は、アマチュア野球でも、時間を作ってもらえます。
そもそも、そのアクシデントが数年に1回くらいしかありません。

日本には、球数を管理するという発想が、ほとんどないので、少ない球数で肩を作るという発想もありません。
また、監督やコーチが選手に協力的ではないので、どうやったら選手の身体を守れ、ベストパフォーマンスを出せるのかと、考えていないことが原因にあるのではないかと思います。

早く肩を作るということは、慣れたらすぐできるようになります。
実際に、プロ入り後の、3月のオープン戦の1ヶ月でできるようになりました。

肩を早く作るには、投球フォームも関係すると思います。
ここでは、細かい説明はしませんが、立甲やゼロポジションと言われる、肩甲骨と上腕骨が直線に入り、一致した状態を保って投げられる身体操作ができれば、早く肩を作れるだけでなく、好不調の波が少なくできます。
これができないと、肩を作るのや、感覚をつかむのにも時間がかかります。
肩や肘にも負担がかかります。
そういうところから、肩を作るのに時間がかかる選手は、肘を故障する選手が多い傾向にあるように感じます。

 

話をまとめると、海外のブルペンのやり方が日本のブルペンのやり方よりも良いと思うところは、

・投球数が抑えられる。

・1回で肩を作って試合に出場するので、良いパフォーマンスが出しやすい。

・短時間で肩を作ろうとすることで心拍数を上げられる。

・ピッチャーの肩や肘を守れる。

・ゼロポジションを保ったフォームを身につけやすい。

などがあげられます。

このやり方をすると、今までよりも、監督やコーチが大変になります。

試合前から、様々な試合展開をシュミレーションし、試合展開を予測することをしなくてはなりません。

選手の能力をより把握する必要もあります。

監督の決断力も試されるようになります。

 

監督、コーチの苦労によって、選手の身体が守られ、より良いパフォーマンスが出せる確率はあがるので、選手のためにも、試してもらいたいと思います。

自分の目は自分で守る。

前回の投稿で日本人の視力の低下が問題になっているという話をしました。
人によって、物事の見え方が違うのではないか、という話もしました。

今回は、目の機能低下の予防や改善をどのようにしたらよいのか、という話をしようと思います。

 

人間が、何かを見ようとしたときに、使うのが眼球です。

前回も言いましたが、僕は、目の使い方と脳の使い方をトレーニングによって向上させようと思っています。
脳の使い方も重要視する理由は、物を見ているのは目ではなく、脳だからです。
人間は、映像情報をとらえる道具として眼球を使いながら、脳でその映像情報を調整したり、補充することによって、正確な映像を認識しています。

その眼球は、どのように動くのかというと、眼球内眼筋と眼球外眼筋と呼ばれる筋肉組織で動いています。
筋肉なので、トレーニングで機能を上げることができます。

眼球の中にある眼球内眼筋の筋肉組織は、「虹彩」と「毛様体」です。

虹彩は、眼球内に入る光の量を調整することで色を認識する筋肉組織です。

毛様体は、水晶体の厚みを調整することで遠近調整する筋肉組織です。
近くのものを見るときは、水晶体が厚くなり、遠くのものを見るときには、逆に薄くなります。

眼球のまわりにある眼球外眼筋は、6つあり、眼球を複合的に動かす役割を持っています。

毛様体と眼球外眼筋は随意筋(自分の意のままに収縮、運動する筋肉)なので、意識して鍛えることができます。

近眼や老眼は、目のトレーニングが有効であるということが証明されています。
近くの物だけを長時間見つめることによって、目の遠近調整筋の作用が損なわれ、毛様体筋が異常緊張状態になってしまいます。
それが続くと、近視になってしまいます。
近視の人は、水晶体が厚くなったまま、薄くならない状態にあるので、毛様体筋の働きを高めて、自律神経を整えるようにトレーニングしていけば、改善することは可能です。
近視や遠視の予防や改善には、水晶体や毛様体筋、外眼筋といったものから調整することが有効です。

眼球の筋肉を機能しやすい状態に保つことが大切なので、眼筋も、他の筋肉と同じ考え方が必要です。
適度なトレーニングと栄養と睡眠が必要ということです。

使いすぎないように、目を使う時間と目を休ませてあげる時間を自分自身でコントロールしなくてはなりません。

食事は食欲を満たすためではなく、身体機能や脳を活性化させるためにするという考え方が大切です。
好き嫌いの多い、偏食傾向にある人は、近視になるリスクが高いと言えます。
目のためには、糖分を摂り過ぎないで、日頃からビタミンB1を摂取するようにする。
カルシウムとカルシウムの吸収を助けるビタミンDを摂る。(ビタミンDを作るために太陽の光を浴びる)
ビタミンB12は、視力を増進させ、目の疲労を軽減する働きがあるので摂取するようにする。
このように、食に対する意識を上げることも重要です。

目の筋肉に無駄な負担をかけたくないので、明るさの度合いを、適切にすることも大切です。

目の水平が崩れるような姿勢は、脳が補てんする必要があるので、目や脳の疲労につながり、近視の原因になりやすくなります。
なにをするときも、姿勢に気をつけ、物を見るということも、習慣にしなければなりません。

目の良い人は、例えば、人を見たときに、無意識のうちに、小刻みに視点を動かし、その人の全体像を目と脳によって認識する作業をします。
視力が低いと、この作業をせずに全体をぼやっと見ます。そうすると本来使われるはずの目の筋肉が使われないのでどんどん機能が落ちていきます。

遠くのものをしばらく見続けたら、今度は、視線を近くのものに移す。近くのものをしばらく見続けたら、今度は、視線を遠くのものに移す。
このような目の使い方が習慣になっている人は、毛様体筋を上手く使え、水晶体をコントロールできるので視力の低下が起こりにくいと思います。

野球のピッチャーが、肩や肘に負担がかかるような、投げ方のクセを持っていると、故障のリスクが上がるように、目の使い方も、目の筋肉に負担がかかるような、使い方のクセがあれば、目にとってリスクになります。
そのようなクセは、しっかり改善していくことが必要になります。

目と脳の関係は密接で、脳は目の衰えを補てんしてくれる一方で、目の異常が限界を超えた時には脳に対する悪影響も出ます。
目のトレーニングによる効果は、目だけでなく、脳の活性化にも通じると思っています。

 

2回にわたって、目について書きましたが、簡単にどのようにすればいいのかというと

「目と脳に良い習慣を身につけよう」

ということです。

ゲームやスマートフォン、テレビなどを、どんどん切り捨てるのではなく、適切な遊び方とバランスの取れた時間配分をしっかり理解することが大切だと思います。

適切な明るさで、適切な姿勢で、目を使うように心がける。
質のいい睡眠と十分な睡眠時間を持つ。
バランスの摂れた食生活をする。

そして、ぜひ、スポーツを習慣の中に入れてほしいと思います。
スポーツは、眼球の使い方を身につけるのに適していると思います。
ストレスに対しても、目に対しても、脳に対しても、とてもよい影響を与えられるからです。

 

目に対する知識と、よい習慣を作ることにより「自分の目は自分で守る」という意識を持ってほしいと思います。

今回の投稿が、日本人の問題となっている、視力の低下の予防や改善につながればと思います。

日本人の視力の低下。

今、日本人は、目の悪い人がとても増えています。
現在、裸眼視力が1.0未満の子供は小学生で約3割、中学生で約5割、高校生で約7割いると言われ、さらに、年々増加傾向にあると言われています。
近視の子供が増えていることは、日本の大きな問題だと思っています。
目はスポーツを行う上でも、とても重要ですが、生きていく上でも、とても重要です。

そんな目の話をしていこうと思います。

 

あまり知られていないかもしれませんが、遺伝による近視は5%未満。約95%は後天的な要因からなると言われています。

同じ時間、スマホやゲームをやったり、勉強や読書をしても視力が低下する人もいれば、まったく低下しない人もいます。
視力が低下しやすい目の使い方と視力が低下しにくい目の使い方があるということです。
物事に対する取り組み方や目の使い方を変えることで目を守ることも可能です。

子供は、視力が落ちることで、学校で黒板の字もよく見えなくなり、字を書く時にもノートに顔を近づけるため姿勢が悪くなりやすくなります。
姿勢が悪くなると、脳に酸素がいきにくくなり、集中力の低下につながります。
集中力の低下は成績の低下にもつながります。
スポーツでは、姿勢が悪くなると、重心のコントロールも難しくなり、力を出しにくくなったり、軸を作りにくくなったりもします。

肉体的な弊害だけでなく、ストレスなど、精神的な弊害も出てきます。
特に、子供にとってメガネは、精神的な負担につながり、消極的で内向的な傾向になりやすくなります。
ひどい場合には、いじめにつながることもあります。

視力が落ちる原因として、思いつくことは、テレビやゲームやスマホやパソコンではないかと思います。
テレビやスマホの画面を長時間見つめると、知らずに視野が狭くなり、眼の中の筋肉が異常緊張を引き起こし近視を発生させる原因にもなります。
テレビゲームやスマホやパソコンは、画面に近づいて、目の激しい視点移動を繰り返し行うので、眼精疲労や、首から肩にかけての凝りの原因になりやすく、普通にテレビを見る以上に、視力低下を招きやすくなります。
また、全神経と視線を画面に1点集中するために、視野が狭くなってしまう場合がよくあります。
視野が狭くなることはスポーツで上を目指す人にとっては、マイナスです。

だからといって、これが悪い、あれが悪いと、どんどん切り捨てるのは、今の時代を考えたら難しく、ストレスになることもあると思います。

しかし、同じような生活をしていても、視力が低下しない人もいます。
視力低下の要因で問題になるのは、「やっていること」よりも「目の使い方」です。
必要なことは、目の使い方や生活習慣と、バランスの取れた時間配分をしっかり理解することだと思います。

誤った方法で目を酷使すると、視野を狭くしてしまい、さらには、視力低下を引き起こしてしまう原因にもなります。

僕は、目に対する知識を得て、目の使い方を変えることができれば、目の能力を向上させることは可能だと思っています。

僕のトレーニングを受けたことがある人は、わかると思いますが、僕は、目と脳の使い方をとても重要だと考えています。
しかし、そのようなトレーニングが見つからなかったので、僕が考えた、独自のトレーニングを取り入れています。

人間は、外の世界の情報を五感を使って得ていますが、その約80%を視覚から得ていると言われています。
これだけでも、目がとても大切であることがわかると思います。

脳の使い方も、重要視する理由は、物を見ているのは目ではなく、脳だからです。
人間は、映像情報をとらえる道具として眼球を使いながら、脳でその映像情報を調整したり、補充することによって、正確な映像を認識しています。

眼球の使い方と周辺視野を上手く使うことで集中力を高めたり、上手くリラックスできるようにもなります。

今の技術では、周辺視野を含めた、他人の、ものの見え方を知ることはできませんが、僕は、ここに大きな違いがあると思っています。
一流のバッターは、150キロのボールが、どのくらいのスピードに見えているのでしょうか。
ボールが止まって見えたと言う人もいました。

サッカーの一流選手は、視野が広いと言われていますが、どのようにまわりを見ているのでしょうか。

まわりの動きが、今までよりも、ゆっくりに見えるようにトレーニングしたり、目に入ってこなかった場所を見られるように、目の使い方と脳の使い方を変えることで、パフォーマンス向上につなげられるかもしれません。

スポーツ選手だけでなく、視力がいい人は、どのように眼球を動かして、どのようにものを見ているのでしょうか。
そこをレベルアップできたら、今までと違った世界が見られるかもしれません。

近視のような、視力の低下の予防や改善につながるかもしれません。

他の人との違いが、なかなかわかりませんが、人によって、全然違ったものの見方をしています。

もし、そんなことを考えたことがなかった人は、考えるきっかけにしてほしいと思います。

野球選手の肘の故障。

今の野球界の現状は、小学生からメジャーリーガーまで、肩や肘を故障する選手がたくさんいます。
僕自身も、右肘を2回、右肩を1回手術をしています。
その間に、自分の身体やトレーニングを勉強して、初めて自分の投げ方、身体の使い方が関節に負担をかけていて、自分の身体が壊れるべくして壊れたことを知りました。
投げ方と身体の使い方を変えたら肩、肘の張りが減り、痛くなることがなくなりました。

今まで経験したことや理解したことを少しでも伝えることができたらと思います。

 

僕は、怪我と故障は違うと考えています。
打球が当たったり、接触した時に負傷するのが怪我です。
繰り返し投げ続けることにより肩や肘に痛みが出るのを故障だと思っています。
故障に対して、予防の意識を持つことで、減らすことができると考えています。

故障を減らすには、関節に負担が少ない身体の使い方、フォームを身に付けることです。
(しかし、このフォームは、抑えることと必ずしも同じとは限りません。)

僕が、手術をした時に、どれも手術が決まるのは、CT画像やMRI画像だけではなく、投げられるか投げられないかで決まりました。
試合に出ている時は、リハビリでと言われ、試合で投げられないと言うと手術へとなります。
これは、トミー・ジョン手術と言われる肘の内側側副靱帯の再建手術も同じです。

実際に病院に診察に行ったときの話で、僕と、一緒に診察に行った別の選手の内側側副靱帯の損傷は、MRIの画像上は、同じくらいと言われました。
しかし、僕は、手術をせずにリハビリで、一緒に行った別の選手は手術になりました。
それは、今、どのくらい投げることができているのかなどの問診やストレステストなどで決まります。

僕の内側側副靱帯は、手術が適用と言われてもおかしくない状態だったとも言えると思います。
でも、僕は、トミー・ジョン手術を受けたことがありません。
画像上の損傷が同じくらいでも、投げられなくなったら手術をしようとなります。

つまり、手術をするかしないかは、レントゲンやMRIの画像ではなく、投げ方で決まるということが言えます。

その投げ方をもう少し細かく説明すると、投球動作中の関節にかかる負担を減らせるか、ということです。
関節に負担がかかるタイミングでそれを守る筋肉を使えるかどうかでもあります。

筋肉とは、収縮しやすい角度と収縮しにくい角度があり、筋肉が働きやすいフォームで投げることが、肩や肘の故障を防ぐためには重要になります。

投球動作中は腕が高速で振られているために、その一瞬に、意識して筋肉に収縮を入れることは、難易度が高すぎます。
だから、練習やトレーニングで、この瞬間に、ここの筋肉を働かせるということを、身体に覚えこませ、無意識に、確実に、できるようにしなければなりません。

これを教育する練習やトレーニングをしっかりしないと、同じ人が、何度も故障することになってしまいます。
その反対に、これを身体が覚えた選手は、なかなか故障をしません。

内側側副靱帯自体の強度を考えたら、1球で断裂してもおかしくない強度しかないために、しっかり筋肉に守ってもらわなければいけません。

痛くなりノースローにして様子を見ているだけでは、投げ始めれば、また、痛くなるだけです。
休むだけではなく、フォームを見直して、肘や肩に負担がかからない、身体操作を身につけなければ、その場しのぎにしかなりません。
同じ人が同じ箇所を故障し続けている現状を考えると、故障した後の治療ばかりに目がいき、予防の意識が足りないと感じます。

1度でも痛くなったことがある選手は、フォームを見直す必要があると思います。

とはいえ、ピッチャーとは、バッターを抑えることが、目的であり、点を与えないことが仕事です。
怪我をしないことは、目的ではなく、怪我をしないことが目的なら、軽く投げ続ければ良いということになります。

手術も、ただ投げられるようにするのではなく、以前のパフォーマンスを取り戻すため、または、もっとパフォーマンスを向上させるために選択します。

そこが難しいところだとは、思っています。

しかし、僕の個人的な意見では、

パフォーマンス向上 < 怪我の予防

であってほしいと思っています。

まずは、故障しない身体操作、フォームを理解した上で、バッターを抑えることを考えてほしいと思います。

これは、僕の経験から、打たれて試合で負けることよりも、リハビリで試合に出られないことの方が断然、面白くないし、苦しいからです。

なかなかプレーしているときは、抑えることしか、考えられないとは思いますが、身体を守る予防の意識を忘れないでほしいと思います。

ウエイトトレーニングはした方がいい?

よく「ウエイトトレーニングをした方がいいですか」と聞かれます。
僕の答えは「やる人と目的による」です。

どのような人ならしてもいいのかというと、脳を上手く使える、センスがある人はしても良いと思います。

逆に、センスがない人で、目的が、最大筋力の向上、筋肥大、筋持久力の向上のどれかの人には、オススメはしません。
ウエイトトレーニングをすることにより、球が遅くなったり、動きが悪くなったり、怪我をしたりと、野球のパフォーマンスに繋がらなかった選手を相当数見てきました。
野球の経験者なら、そういう選手を、必ずと言っていいほど、見たことがあるのではないでしょうか。

メジャーリーガーやプロ野球選手は多くの選手がウエイトトレーニングをやっています。
それを真似して、ウエイトトレーニングを行ったところで、そういう選手と同じような効果はなかなか得られないのが現状だと思います。
脳の使い方が優れている、センスがある人がトレーニングを続ければ、野球のパフォーマンス向上に繋がります。
メジャーリーガーはセンスのある人の集まりで、センスがなければメジャーまで上がってこられないので、ウエイトトレーニングをすることでパフォーマンスが上がる選手ばかりではないかと思います。

僕は、脳の使い方が上手くない、センスのない人のウエイトトレーニングの目的が、最大筋力の向上、筋肥大、筋持久力の向上のどれかなら、野球のパフォーマンス向上に、たいして効果が見込めないと思っています。(現状を見ればそうなっている。)
なぜかというと、これらを目的にウエイトトレーニングを行う場合、大切なことが、負荷、回数、セット数、インターバルをそれぞれ適切に行うことです。

諸説ありますが…

最大筋力の向上なら、2〜5回しかあげられない重さ(1RMの90%以上の重さ)で3セット以上、セット間のインターバル3〜5分
筋肥大なら、8〜12回しかあげられない重さ(1RMの80%以上の重さ)で3セット以上、セット間のインターバル40〜90秒
筋持久力の向上なら、15〜30回しかあげられない重さ(1RMの30%以上の重さ)で、3セット以上、セット間のインターバル15〜30秒

どれも限界までやることが大切です。

しかし、センスがない人は、脳を上手く使えないので、適切な負荷をかけることが難しいです。
人間の脳は本能的に身体を守るためにブレーキをかけます。脳を上手く使える人でも、持っている筋肉の80%〜90%しか力を出せないと言われています。
脳を上手く使えない人は60%くらいしか、力を出せないと言われています。

脳が無意識にブレーキをかけて、60%の力しか出せなければ、適切な負荷になりません。
適切な負荷をかけて、適切な回数をトレーニングしなければ、たいした効果が期待できません。

例えば、
「ベンチプレス、100キロをあげられる筋肉を持った、脳を上手く使えるセンスのある人が筋肥大をしたいとします。その人の脳が無意識に10%分、ブレーキをかけ1RMは90キロ(90キロが1回上がる)だとします。
筋肥大したいので90キロの80%の重さは72キロなので、72キロの重りでトレーニングします。」

「ベンチプレス、100キロをあげられる筋肉を持った、脳を上手く使えないセンスのない人が筋肥大をしたいとします。その人の脳が無意識に40%分、ブレーキをかけ1RMは60キロだとします。
筋肥大なので60キロの80%の重さは48キロなので48キロでトレーニングします。」

脳を上手く使えるか使えないかで、こんなに差が出ます。
48キロは、脳を上手く使える人にとっては、筋持久力に目的を置いた時の負荷です。
これでは、効果がなかなか期待できないのがわかると思います。
これが僕の、センスのない人にウエイトトレーニングを勧めない理由です。

負荷のかけ方や回数に、諸説あるというのが、その証拠なのではないでしょうか。
脳を使う能力がわからないと適切な負荷がわからないので、いろいろな説が出てきてしまいます。

このような理由からも「センスを鍛える」ということが重要であるという、僕の考えに繋がります。

このトレーニングは、良い、悪いのような議論を良く目にしますが、僕が重要だと思うのは、トレーニングよりも、トレーニングをやる人のセンスだと思っています。
センスがある人は、大袈裟な言い方をすれば、歩いてるだけで効果的なトレーニングにします。
逆に、センスのない人は、どんなに良いと言われてるトレーニングをしても、センスがある人と同じような効果は得られません。
同じトレーニングをしても、やる人によって、成果に大きな差が出てしまいます。

僕が、大切だと思うことは、少しでも、今よりも、センスを磨くことです。
センスが磨かれれば、トレーニングの効率も上がり、新しく可能性が生まれてくると思っています。

 

以前に書いた投稿です。
センスとは
センスを身につけることの大切さ

そのセンスを向上させる手助けができたらと思います。

水分補給

水分補給は、競技者だけでなく、生きていく上でとても大切です。
少し意識するだけで身体に変化を感じることができると思います。
ここでは、僕の水分補給に対する考え方と実際にプレーしていた時に、行っていたやり方を紹介したいと思います。

 

必要な水分量には、個人差があります。
身体の大きさや代謝、その日の体調、気温や湿度などの環境条件、競技種目やポジションなどの活動レベル等によって決まるので個人差だけでなく、同じ人でも日によって大きく変わります。

あくまで僕のやり方なので自分にあったやり方を見つけるヒントにしていただけたらと思います。


現役時代のある1週間の摂取した飲み物の量です。
日によってかなりの違いがあることがわかると思います。
ちなみに、お酒は含まれていません。

僕は現役時代、食べた食べ物と摂取した水分量をすべて記録していました。
食べ物を記録することにより、大体のその日の摂取カロリーを把握していました。
心拍計をつけていたので、その日の消費カロリーを参考に、大まかな活動レベルを把握することができていました。

摂取カロリーと消費カロリーを見て、体重計に乗り、自分にとって必要な水分量を把握していきました。

もし、摂取カロリーと消費カロリーが同じくらいなのに、体重が減っていたら水分が不足しているということになります。
これを毎日続けていたので、この季節の試合だからこのくらい。このくらいのレベルの練習だからこのくらい。といったように、どのくらいの水分を摂った方がいいのか感覚でわかるようになりました。


上のグラフはある1週間の消費カロリーと摂取カロリーです。
色のついていないグラフが消費カロリー、色の付いたグラフが摂取カロリーです。
毎日確実に同じくらいにするというよりは、柔軟に数日単位で同じくらいになるように心掛けていました。
体重を増やしたいときは摂取カロリーを消費カロリーよりも増やすようにして、逆に、体重を減らしたいときは摂取カロリーを少なくしていました。
実際、体重のコントロールには、カロリーだけでなく食べるメニューやタイミング、食べ方、水分、脳の使い方、トレーニングメニュー等、様々な要素が関係しますが、カロリーを気にするやり方だけでもかなりの効果がありました。

 

人間の体にとって、水分はとても重要です。
人間の体の多くは水分であり、人は血液により、身体のすみずみに酸素や栄養を運んでいます。
それだけでなく老廃物を体外へ出す役割もしています。

競技中の選手は大量の汗をかくため、体内から大量の水分が失われます。そんな状況で十分な水分補給を行わなければ筋肉にも悪影響を及ぼし、怪我のリスクが上がります。
集中力の低下が起こったり、脱水症状や筋肉がつったり(筋痙攣)、熱中症にも繋がる可能性があります。
水分補給をすることにより、体の水分を正常な状態にすることで、健康面や安全面で問題が生じたり、パフォーマンスが低下する可能性を抑えることができます。

発汗で失われた体内の水分補給だけでなく、激しい運動をすると、人間の身体は大量の熱を生み出します。水分補給は体温を安全なレベルに保つ体温調整の役割もあります。

どのように水分補給をしていたかというと、
とにかく、こまめに水分補給をすることを心掛けていました。 

朝は毎日、水、牛乳、フルーツジュースで500ml~600mlを飲みます。
練習や試合中は、水、経口補水液、オレンジジュース、スポーツドリンクを飲みます。
ミネラルを摂ることはもちろんですが、脳のエネルギーになる糖を摂ることも大事にしていました。
量はその日の気候や活動レベルによって変わりますが、先発で長いイニングを投げる時は、2.5L以上飲むこともあります。
競技後やトレーニング直後は、水、オレンジジュース、牛乳をプロテインと一緒に飲みます。
これは、たんぱく質とカルシウム、ビタミンを摂りたいからです。
それ以降は、フルーツジュースと牛乳とアーモンドミルクを多少飲む以外はほとんど水しか飲みません。
筋肉痛がある時のような、筋肉に疲労がある時は、寝る前にプロテインを飲んでいました。

飲み物はこのように飲んでいましたが、なるべく、水分は食べ物から摂るように心掛けていました。
特に、野菜やフルーツは、水分を多く含んでいます。食事中は飲み物は一切飲まずにトマトやフルーツを食べるようにしていました。(フルーツによっては、食事の1番初めに食べます。)
野菜やフルーツだけでなく、食事にも、多くの水分が含まれているので、バランスのとれた食生活をすることが、栄養の面でも、水分補給の面でも、大切だと思います。

以上が現役の時の水分の摂り方です。

 

これが正解というわけではなく、僕自身が、自分の身体を実験台にして、こうしたらどうなるかということを繰り返して見つけたやり方です。
僕の身体にはあったやり方ですが、他の人に適しているかはわかりません。
このようにすることによって、どのくらいパフォーマンスが上がったのかはわかりませんが、自分の身体を知ることはできました。
スポーツでは、自分を知るということは、大きな武器になります。そういう面では、価値のある取り組みだったのかなと思います。

 

なにか少しでも、上を目指す選手の手助けになったらと思います。

ピッチャーの心拍数

僕は現役時代、練習時も試合時も心拍計を着けたままプレーをし、心拍数のデータを集めていました。
ただ、腕に着けるタイプなので、研究機関にあるほど精度の高い機械ではないため、急な心拍数の上昇時には、どうしてもかなり低く出てしまいます。
それを踏まえて見ていただけたらと思います。

それでも野球のプレー中の心拍数のデータが、なかなかないので参考にはなると思います。
心拍数なので個人差はありますが、このデータを参考にして、練習やトレーニング等に役立てていただければと思います。

また、先発ピッチャーの立ち上がりの対策を僕なりに考えてみたので参考までに見ていただけたらと思います。

それぞれの状態においての心拍数は次の通りです。

・普段のピッチング練習。

終始120前後くらい。

リリーフで1イニング投げたときの心拍数を見てみると
リリーフ、1イニング

矢印が試合のマウンドです。

リリーフ、1イニング、最終回

山が2つあるのは、ブルペンでの投球練習と試合です。
実際は、急激な心拍数の上昇時は低く出てしまうので、ブルペン145以上。試合175以上くらいになっていると思います。

緊迫した試合だと、マウンドに上がりプレーボールをしたときには、プレッシャーや緊張によるストレスだけで、心拍数が普段のピッチング練習より50~60くらい高くなることがわかります。

ここで注目してほしいのは、赤マルの部分です。
試合で投げる前のブルペンの段階で1回心拍数が上がっていることです。
リリーフピッチャーは試合が進んでいる緊張感の中で、短い時間で準備をするのでブルペンで心拍数が上がります。
僕はここが重要であると思っています。

先発の場合は

赤マルの部分のように、初回に急激な心拍数の上昇が起こってしまいます。

大事な試合やプロ野球の試合で先発投手が初回に本来のピッチングができないことが多いのには、心拍数が関係している可能性はあるのではないかと考えました。
初回に急な心拍数の上昇が起こったときに自分の身体を扱いきれずに、自分のパフォーマンスを発揮することが難しくなることは想像できます。
高い集中状態を作り出すのも、脳を上手く使いこなすのも、身体をコントロールするのも難しいように思えます。

2回からは、本来のピッチングに戻ることが多いのは、初回に心拍数が一度上昇していることを経験しているので、自分の身体を扱いやすくなりピッチングが安定しやすくなるということも考えられます。
また、リリーフピッチャーに立ち上がりが悪いと言われる選手がいないことと、立ち上がりが悪いと言われるピッチャーもリリーフで投げると初めから本来の投球ができることからも心拍数が関係している可能性はあると思っています。

そこで先発ピッチャーが初回の急な心拍数の上昇に対応するために、リリーフピッチャーの登板と同じように試合前に心拍数を上昇させてから試合に入ることが大切だと考え、実践してみました。
やり方は後ほど説明します。

そのため、以下の試合は、赤マルの部分(初回とその前)がリリーフで投げた時と、似た形になっています。

・社会人野球、オープン戦、先発。7イニング。

青い矢印がマウンドに上がっている時です。
社会人野球のオープン戦では、マウンドに上がっただけでは心拍数はあまり上がりません。

・社会人野球、地方大会、先発。7イニング。

社会人野球都市対抗予選、先発、7イニング。

都市対抗予選は、社会人野球で、1番緊張感があると言われています。
余談になりますが、目安の消費カロリーも1520カロリー。
この日は、4500カロリー以上を摂取し、4リットル以上の水分を取って、試合前の体重に戻りました。
改めて、先発ピッチャーの過酷さを感じました。
もっとプレッシャーがかかるプロ野球の先発ピッチャーは本当にすごいと思いました。

 

それでは、僕が取り入れた登板前のアプローチを説明します。
野球では、心拍数を重要視するということはあまりしませんが、オリンピックのメダリストは競技前に心拍数を上げて競技に入っていきます。
フィギュアスケートの羽生結弦選手
レスリングの選手たち
陸上の選手たちは、それを実践しています。

僕が取り入れたやり方はレスリングの選手を参考にしました。
先発の時は、ブルペンでピッチングを終えた後に行います。
そのやり方は
前後ジャンプ→腹筋(クランチ)→左右ジャンプ→腹筋(膝さすり)→バービージャンプ
これを20秒ずつ続けて行います。
1分40秒で心拍数が180前後まで上がります。
(上のデータでも先発時の初回の前に行い、急な心拍数の上昇時にグラフには正確な数値が出ず、130ちょっとくらいしか上がっていないことになってますが、実際は180前後まで上がっています。)
その後、5~10分後にマウンドに上がれるように逆算して行います。

全部のメニューを股関節を動かす意識で行います。ジャンプは膝を曲げるのではなく股関節から曲げて足を引き上げるジャンプです。
股関節を動かすことは全身の血流をよくする狙いがあります。
レスリングの選手や陸上選手が試合前に抱え込みジャンプをしているのをよく見ますがそのような狙いがあるのではないでしょうか。

 

立ち上がりが良くない選手は、投球フォーム等の技術的な要素もあると思いますが、心拍数にもアプローチしてみる価値はあると思います。
心拍数には、個人差があるので、自分に合ったやり方を見つけてほしいと思います。

年間の投球数

僕が現役の時、1年間怪我なく投げた2008年のシーズンの年間の投球数を書いてみました。
ここでいう投球数とは、マウンドからキャッチャーが座った状態で投げた投球数です。

2008年のデータになるので、一昔前のデータになりますがプロ野球のピッチャーが1年間でどのくらいの投球数なのか、なかなかわからないと思うので参考にしていただけたらと思い投稿します。

これは僕の投球数であり、これがいいとか、悪いとかではありません。
あくまで2008年に投げた投球数をそのまま書いただけです。
こんなだからダメだったという議論だけではなく、これを踏まえて、これからの選手の役に立ててほしいと思っています。

2008年の総投球数

 

投球数  ゲーム  ブルペン トータル
キャンプ 107球 483球 590球
OP戦  161球 245球 406球
シーズン 913球 1284球 2197球
年間合計 1181球 2012球 3193球

 

これをもう少し詳しく説明します。

・キャンプ
プロ野球は2月1日からキャンプがスタートします。
2008年のキャンプは20日間でした。
1月は1度も投球練習をしていないので2008年の投球は春季キャンプからとなります。
ブルペンでの投球練習は、11回行いました。

その11回の投球練習の投球数は

55球、55球、63球、18球、62球、50球、13球、44球、18球、50球、55球

ピッチング練習は15分と時間で決められていたために多く投げようと思っても60球前後になります。

この11回に紅白戦などのゲームに投げるための準備も含まれています。
18球、13球、18球はそれに当たります。
ここでのゲームとは、バッティングピッチャーと紅白戦(シートバッティング)のことを言っています。
合計3度投げ、ゲームでのトータルの球数が107球でした。

・オープン戦
キャンプが終わり練習試合、オープン戦の期間(約1か月)に入ります。
僕はリリーフピッチャーなので試合で長いイニングを投げることはありませんでした。1イニング以下の登板がほとんどです。
この期間に10試合登板しました。
この期間はあらかじめ登板日が決まっているので登板日以外でピッチング練習をすることはほとんどありません。(1回だけ)
それなのでブルペンとは、1回以外は登板前のピッチングのことです。

・シーズン
シーズンが開幕すると登板は試合展開次第になります。
僕の場合はクローザーを任されていたので基本的にはリードしている試合の最終回に投げます。
シーズン58試合の登板をしました。これはパリーグの6番目の登板数でした。
もちろんブルペンで投げるだけで試合で投げないことも何度もありました。

登板するかは試合展開次第なので月によってかなり投球数に差がありますが、シーズンは約7か月と考えてシーズン中の投球数を単純に7で割ってみました。
1か月平均にすると
約8.3試合
ゲーム約130球
ブルペン約183球
トータル約314球

シーズンが終わってからはブルペンに入って投球練習をすることはなかったので3193球が2008年に投げたトータルの投球数です。

これは日本の中でも、チームの中でもかなり少ない投球数だったと思います。
それは、2008年はボビー・バレンタイン監督だったので投球数は厳しく管理されていたことと、ピッチャーの中ではクローザーが1番、投球数が少ないと思うからです。
投げる場面が限定されているのと、イニングの先頭から投げるのでブルペンでの球数を抑えられます。

2007年はクローザーではなくリリーフとして様々な場面で登板していたので、月間で600球近く投げることもありました。

先発ピッチャーはそれ以上の投球数になっていると思います。

ブルペンで投げることは少ないですがその分キャッチボールを多く行っていました。
キャッチボールの球数はカウントしていないので正確にはわかりませんが、年間通してかなりの時間を費やしました。
これは僕だけでなくプロ野球のピッチャーはアマチュア野球のピッチャーよりもキャッチボールを大切にしているように感じます。
マウンドで投げない分をキャッチボールで練習するという感覚です。

このやり方はアメリカ式のやり方であり世界的に主流になっているやり方です。少なくとも欧米、中南米、南米は投球数を厳しく管理しています。

日本のやり方ではこれよりもかなり多くの投球数になります。

なかなか表に出てこないデータだと思いますが、選手のために参考にできることがあればと思います。
先ずは、自分がどのくらいの球数を投げているのか。指導者であれば、自分のチームのピッチャーがどのくらいの球数を投げているのかを把握し、比較していただければと思います。

「肘をしならせて投げる」とは?

「しなり」という言葉はバットをしならせて打つや腕をしならせて投げるなど野球でよく聞く言葉です。
実際に僕も、小さいころから肘をしならせて投げるように言われて育ってきました。
しならせて投げるイメージで成績を残しているプロ野球選手もたくさんいます。

しかし、いろいろな選手を見る中で、肘をしならせようとして投げることによって、うまく身体を使えていない選手も数多くいるように感じます。

本当に「肘をしならせて投げる」という投げ方は理想の投げ方なのでしょうか?

まず、理解しなければならないことは、野球でよく使う「しなる」というのは、しなっているわけではなく自分の感覚や見た目の感覚を言葉にしているだけです。
実際は「しなっているように見える」ということです。

例えばペンを軽く持って振るとペンが曲がって見える現象があります。しかし実際にはペンは曲がっていません。それに近い感覚でしょうか。

目で追えない速さになってしまうと、しなっているように見えてしまいます。
投球時の腕の動きは高速のため、しなっているように見えてしまいます。
小学生がどんなにいいフォームで投げても、プロ野球選手のように、しなっているようには見えません。
逆に150キロを超えるボールを投げて、しなって見えない選手を見たことがありません。

投球を動画撮影してみると、しなって見えるのもカメラの性能の問題で速く動いている部分の映像がぼやけてしなって見えているだけです。
スマートフォンで投球フォームを撮影し、それを見てみると、いつもよりもしなっているように見えるのはそのためです。
昔の携帯電話のカメラ機能よりかは格段に進歩しているとは思いますが、投球時の高速で振られる腕はどうしても、しなっているように見えてしまいます。

プロ野球中継を録画してスローで再生して見てみると、やはりバットや腕がしなって見えます。
球場にもっと性能のいいカメラを持っていき、撮影することはできないのかと思い、質問してみたのですが、野球場で使うカメラはとても性能のいいカメラみたいです。

では、なぜ腕がしなって見えるのか?

実際に撮影された映像データは、膨大なサイズのファイルになっているので、映像データを圧縮してテレビ等で放送します。そうすると、早く動いている部分の映像が荒くなってしまい、しなって見えてしまうそうです。
実際に撮影したサイズで映像をスロー再生して見たら、そこまでしなって見えないそうです。
それなので、テレビやYouTubeなどで投手の映像を見ると、ファイルのサイズを小さくしているため、どうしてもしなって見えてしまいます。
これは、プロ野球引退後、テレビ関係の会社に勤め、映像等を編集したりもしている、千葉ロッテマリーンズでチームメートだった山本徹也氏に聞きました。

「しならせろ」と言う指導は、「実際の動きとは違う感覚のことを言っている」ので全く理解できない人もいるので注意が必要です。
感覚を感覚で教えるというのは、僕の考えている指導レベルの最高レベルの指導になります。(例えば、長嶋監督が松井秀喜さんにしていた、擬音を使った指導)
この指導でお互いが理解ができるレベルは理想ではあります。
しかし、この指導は、プロ野球のレベルでも、指導者の伝えたいことがなかなか正確に、選手に伝わらないので、大人が中学生や高校生に指導するときやプロがアマチュア選手に指導するときには適していないと思います。

現場で肩や肘が痛いという選手と話すと「しならせる」というのを上手く理解できていないことが多いと感じます。

しならせて投げようとして、肘を先行させ過ぎて、手が遅れると、肘への外反ストレスが増え故障に繋がります。
肘だけでなく、肩関節を上手く固定するのも難しくなり、肩の故障のリスクにもなります。
また、しならせようとし、手首を伸展することや尺屈する(手首が寝る)ことにより、肘を守るための筋肉である屈筋回内筋群(特に尺側手根屈筋)が機能しにくくなり、内側側副靭帯損傷、骨が成長しきっていない子供なら裂離骨折(靭帯より骨のほうが弱いため靭帯を損傷する前に、骨が剥がれる)、等の選手生命を左右するような重大な故障につながります。

例えば、「もっと腕をしならせて投げろ」と指導されたときに、
「あっ!力が入りすぎてるのか。もっと胸を緩めてRSSC(回旋系伸張反射)を使ってしなやかに投げたほうがいいってことね」
といったように、自分のフォームを客観的に見ることができ、アドバイスをくれた人が、「こういうことを言っているのか」とイメージを作れる人には問題ない指導だと思います。

しかし、そこまで考えられない選手には、危険性がある、教え方だと思います。

指導者は、選手の、自分の動きを正確に判断できる能力や自分の評価がより正確にできる能力といった「客観的に見る能力」を把握する必要があります。
その能力のレベルに合わせて指導方法を調整しなければ、正確に伝えたいことが伝わらない可能性がでてきてしまいます。
もちろん、選手の客観的に見る能力を伸ばすことも大切になります。

「肘をしならせて投げる」という指導は、「実際は、しなっているわけではなく、しなって見えている」という、自分の感覚や見た目の感覚を言葉にしているだけだということを理解して使わなければなりません。
教える対象のレベルに応じて、柔軟に指導方法を変え、その中で「しならせる」という言葉が選手の成長につながると判断したら、使うことが選手のためになるのではないでしょうか。

明確な目標・目的のある練習。(投球時の体重移動)

僕は以前から上手くなりたければ、明確な目標・目的を持って、それを理解した練習やトレーニングをすることが大切と言ってきました。
練習メニューやトレーニングメニューをどのように決めるのかを、投手の投球を例に、もっと具体的に説明しようと思います。

投手のスキルには、フィールディング、けん制、スタミナ、リカバリーなど、投球以外にもたくさんありますが今回は、投球のパフォーマンスを向上させるということに焦点を絞り考えていきます。

投手がパフォーマンスを向上させるには、以下のことがひとつでも向上したら必ずパフォーマンスが向上します。
しかし、これには条件が付きます。
条件とは、ひとつを向上させたときに他がマイナスにならなかったらということです。
(簡単に書きましたが、実際はこれがかなり難しい。マイナスを考えられるのは大切な能力)

今回はそのマイナスは頭から外して話を進めます。

投球パフォーマンス向上に必要なこと

  1. 体重移動の速さの向上。体重移動の方向の向上。
  2. 前足(踏み出した足)の着地の安定。
  3. 身体の回転速度の向上。
  4. 腕と肩甲骨(腕と体幹)の協調。
  5. 支点からの距離をできるだけ離したリリースポイント。
  6. フォームの再現性の向上。
  7. 力の伝達の向上。

僕が投手の練習メニューやトレーニングメニューを決めるときに必ず意識していることです。
この中からどこをターゲットにするのかを決めて、練習やトレーニングを考えていきます。

今回は上記の「1・体重移動の速さの向上。体重移動の方向の向上。」を例に説明したいと思います。

投球において、体重移動(重心移動)はとても重要です。
球のスピードには、体重移動の速さが大きなウエイトを占め、打者が感じる球威やコントロールには体重移動の方向が大きく関わってきます。

先ず、体重移動の速さを向上させることを考えてみます。

速さなので、小学生の算数でやった「は・じ・き」を思い出してください。

速さ = 距離 ÷ 時間

つまり、より長い距離をより短い時間で移動できれば速度が上がるということです。

そのためにはどのようにしたらいいのかを考えなくてはなりません。

メカニック(投球フォーム)を変更する。
瞬発力(スピード)を向上させる。
筋力(パワー)を向上させる
コンディションを整える。

やり方はたくさんあります。

例えば、投球フォームを変える、と考えたときに、理想とするフォームを決め、そのフォームを目指すにはどうするのが良いのか、さらに考えます。

身体操作を身に付ける。
投げ込みをする。
体重を上げる。または、減らす。
筋力をつける。

これもいろいろと考えられます。

さらに細かく考えていくことが必要になります。
例えば、身体操作を身に付けるには、柔軟性が必要だったり動作の教育が必要だったりします。
そのためには「じゃあこの練習やこのトレーニングをやろう」と決まるわけです。

そうなって初めて明確な目標・目的のあるトレーニングになります。

体重移動の方向を良くするのも同じような思考で考えていくことが重要になります。
どのようにしたら投球方向に体重移動できるのかを考え、やるべきことを決めていきます。
いくら体重移動の速度が上がってもその方向が投球方向と違っていては十分に体重移動の速度を活かすことができません。
それだけでなく、打者が感じる体感速度やコントロールも体重移動の方向が影響します。

体重移動の速さと方向を向上させると考えるだけでも数えきれないほどの選択肢があります。
その無数にある選択肢から的確に今の自分に合った練習やトレーニングを選ぶことが上達につながります。

どんどん上手くなる選手はこれを当たり前に行っています。
当たり前なので深く考えなくてもできています。
それだけではなくこの作業を反対からもできます。
どのようなことかというと、練習が決められているときになにげなくその練習をするのではなく、この練習は自分のここを向上させるためにすると決め、だからこうする。と自分から明確な目標と目的を設定して練習します。
それはキャッチボールのような単純な練習でも同じようにやるべきことを明確にしています。
このような思考の差から同じ練習を与えられても得られることに差がついていきます。
野球のようなチームスポーツでは、練習メニューが決められていることが多いので、自分からメニューを決められることも、決められたメニューの中で自分なりの目標や目的を決めて練習することも、どちらも重要になります。

今回は、投球における、体重移動についてを例に、話を進めましたが、練習だけでなく、普段の生活から上手くなるためにはどうしたらいいかを考える習慣を持つことが重要です。
一生懸命、練習やトレーニングをする前に明確な目標と目的を持つことにより、同じ練習メニューやトレーニングメニューをしても得られる成果が変わってくると思います。

選手ファースト(武雄ボーイズ)

武雄ボーイズでは、選手ファーストのチーム作りをしています。チームの中心は選手であり、選手のためのチームを作りました。

常に、どうすることが選手のためになるのかを考えています。
その大前提にあるのが「健康、安全を最優先する」ということです。日本のアマチュア野球では、優先順位が高くないことがよくあります。しかし、選手を1番に考えたら優先順位は最も上になければならないと考えています。
健康、安全を考えた上で、選手をどう成長させるかを考えています。

指導者の方針として、「選手あっての指導者である」ということを共通理解をしています。選手へのリスペクトを忘れないで、指導者も選手と一緒に考え、共に成長することを目指しています。
成長しない責任は指導者にあり、すぐに根性論やメンタル論で片付けずに、論理的に分析し、しっかりとした技術を身につけさせるようにしています。

僕が考える、技術を身につける上で最も必要なことは「夢中になる」ということです。
選手が時間を忘れて夢中になって取り組める1番簡単な方法は楽しませることです。そのためには選手が自分の意志で価値を見出し自分から行動することが大切になります。
選手がミスを恐れずに、新しいことにどんどんチャレンジできる雰囲気を作り、選手がやりやすい、夢中になって楽しめる環境になるように全員で努力しています。

そのような環境の中でどのように選手を指導していくのかというと、
指導者は選手を「知っている」の状態ではなく、「理解している」の状態にするような指導をします。頭ごなしに「ああやれ、こうやれ」と教えれば「知っている」という状態は作れると思います。しかし、本当に役に立つようにするには、理解をし、自分に合った自分なりのやり方に変えて初めて自分のスキルになると考えています。自分の頭で理解できなければ、応用することも難しくなります。また、質問されたときに、説明することもできません。
深く理解してもらいたいので、返事を「はい」だけでは終わらせないで、本当に理解しているのかを確認するようにしています。また、自分の言葉で伝えることにより、さらに理解が深められるので、選手どうしで教え合い、アドバイスし合うようにしています。

具体的には、指導者に「求めているのは選手に良い質問をすることで、技術指導は一切求めていません」と伝えています。
例えば、
「なぜ上手くいかなかった?」
「どうすれば上手くいく?」
「どんな練習をする?」
「どのくらいの期間でできる?」
「手伝うことはある?」

このように選手に考えさせるような質問を繰り返して選手を導くやり方です。
また、
「今日の目標は?」
「今日なにしたい?」
「課題は?」
といったような質問を繰り返すことにより、選手はグランドに入った時には、なにをするべきか内容が頭に入っていて、課題を認識している状態に導いていけると思っています。
それができれば、練習の質があがり、短時間での内容の濃い練習に変わっていくと思います。

選手同士、選手と指導者、指導者同士が常に、自分の考えを意見できる会話の多い環境を作るようにしています。

また、選手のデータを集めて違いに気付くように、どのくらい成長しているのかを判断できるようにしています。
そのデータや指導内容を指導者同士で共有するように心がけています。

実際に行っている具体的な普段の練習内容は、
選手が自ら考え行動するために、アップは各自で行い、ラダーやミニハードルなどを使ったドリルは「こういうメニューがあるよ」というのを教えてそれを踏まえて自分たちでメニューを選ぶようにしています。
練習の中に自主練習を積極的に入れていき、選手がコーチに「ノックを打ってください」「バッティングしたいので投げてください」のように選手が自ら考え大人がその練習に協力するという環境を作っています。
まだチームができて間もないので、決してレベルの高い練習ができている訳ではありませんが、選手の自主性は育ってきていると実感しています。

僕が考える選手の評価は

  1. 自主性が身についてなく、どのような練習をするべきか指示を出してくれる人がいないと練習できないレベル。
  2. 自主性が身についていて、やる気、向上心もあるが、練習のやり方や練習メニューを理解できないレベル。
  3. 自主性が身についていて、練習のやり方や練習メニューを理解しているので指示があればしっかり練習できるレベル。
  4. 自主性が身についていて、選手が自分の練習メニューを、作成、実行、評価、再構築できるレベル。

卒業の時には「4」のレベルに持っていきたいと思っています。そこまでいけば、自分から成長できる選手なので、同じ思考方法で、野球に限らず、本人が目標に定めた分野で活躍が期待できる人になると思っています。
逆に「1」のレベルの選手は、社会に出るとなんのために働いているのかわからない、指示がないと何もできない、というような人になると想像できます。

選手ファーストのチーム作りはこれからの時代を生きていく力を身につけるのに適したやり方だと思います。
野球を通じて、優れた人格を身につける。生涯学習できる人を育てる。という指導理念には、欠かすことのできないやり方だと思っています。