プロアマ問題をアマチュア選手目線から考える。

野球界にはプロアマ問題というものがあります。
現在は、多少緩和されましたが、それでも現役のプロ野球選手が高校生や、大学生に技術指導することは、禁止されています。

プロアマの問題は、ずっと昔からあり、とても根深い問題ですが、今回はアマチュア選手の立場から考えての話をしたいと思います。

上を目指す選手にとって、プロアマ問題が、どうなることがいいのか考えてみました。

 

現在、プロ野球を辞めた選手でも、正式な手続きをすれば、高校生も大学生も指導することができます。
一昔前に比べれば、だいぶ緩和されましたが、他のスポーツや海外と比べると理解に苦しみます。

プロアマの垣根がありすぎたためか、プロとアマチュアの力の違いが理解されていないように感じます。
技術もフィジカルも考え方も違います。
練習やトレーニングも違います。

アマチュア選手のためには、もっともっとプロとアマチュアが協力し合うべきです。

元プロはしつけを教えないからそういうやり方では困るという話を耳にします。

それを聞いて思うことが、

元プロ野球選手に求められているのは、プロの世界で培った、技術や経験を伝えることではないのか?

ということです。

もちろんしつけも大切ですが、技術を教えることとは別の話だと思います。
それではプロ野球を経験した人間を活かしきれないのではないでしょうか。

選手を指導する上で、考えなくてはいけないことが、課題を分析しなくてはならないということです。
これができないと、技術に問題があるのに、髪型が悪いだの、態度が悪いだのの、しつけがなってないからだとなってしまいます。
テクニカルな指導としつけを一緒にしては技術は伸びていきません。
しつけだけでは、技術は上がりません。

これは技術に問題があるのにメンタルのせいにしているのと同じことです。
課題に対して、アプローチをすることが大切です。

プロ野球選手のもつ経験や技術は、とても勉強になります。
長く活躍し、実績を残した選手の話は、目からうろこが落ちるような話ばかりです。
必ずしも、名選手だから指導力があるという訳でありませんが、名選手が持っている技術や経験、感覚は、これから上を目指す選手にとっては、非常に貴重で、プラスになることがたくさんあると思います。

 

プロ野球選手が行なっている野球教室のほとんどが、ただ楽しませるだけや思い出になるようなものになっています。
それは、子供たちが普段、自分のチームのコーチに教えてもらっていることと、プロ野球選手が教えたいことに大きく違いがあることを知っているからです。
子供たちが混乱しないように、技術を教えることはしません。
それだけ、プロの持つ技術と、子供たちが教えてもらっている技術に、違いがあるということでもあります。
もちろん、野球人口が激減している今、楽しませるやり方も必要ですが、もっとプロ野球選手の技術がアマチュアに広がるようなシステムを考えるべきだと感じます。

もっとプロ野球選手がアマチュア野球に経験や技術を還元できるようになれば、日本の野球のレベルは格段に上がると思います。

子供たちや選手のことを考えたら早くルールを変えるべきだと思います。

例えば、実際に、甲子園で見た場面で、
9回ウラ、2アウト満塁。2塁ランナーが同点、1塁ランナーがサヨナラ。カウント3ー2(フルカウント)。
この場面は、ランナーはピッチャーのモーションと同時にスタートするので、ヒットで外野手が2塁ランナーをホームでアウトにするのは現実的ではありません。
だから、外野手は1塁ランナーを返さないような深い守備位置に守るべきです。
にもかかわらず、甲子園に出るチームでさえ、外野が前進守備をしている場面を見ました。
毎日、力の差が少ない相手と試合をしているプロ野球選手は、こういう経験は豊富です。

 

一流の世界を経験した人の指導を受けることは、選手の競技能力の向上だけでなく、戦術、考え方、ケガの予防など、野球の発展につながります。
高いレベルの技術や話を聞ける環境があれば、もっと野球のレベルが上がり、人間としての成長にもつながってくるのではないでしょうか。

野球界には、様々な問題がありますが、いつも被害者になるのは発言力のない、まだ狭い世界しか知らない子供たちであり学生たちです。
そういう選手は、プロ野球選手の指導を望んでいます。
もっとこれからの選手に目を向けて考えていくべきだと思います。

姿勢を正すことはいいことだらけ。

親や学校の先生などに「姿勢をよくしなさい」なんて言われたことがある人は、多くいると思います。
実は、これは非常に重要なことです。
一流のスポーツ選手を思い浮かべると、背筋が伸びていて、姿勢がいい選手ばかりです。
スポーツ選手に限らず、何の分野でも、優秀と言われるような人は皆、姿勢がとてもよいです。

そのような人は、なぜ姿勢がよいのか?
姿勢をよくすることで、何が得られるのか?
そんなことを考えてみました。

 

先ず、よい姿勢とはどんな姿勢でしょうか?

思い浮かべるのは背筋が伸びている姿勢ではないでしょうか。
僕が考える理想的な姿勢とは、くるぶし、膝関節、股関節、肩、耳が地面と垂直に並ぶようにし、自然で負担のない姿勢です。
この姿勢をすると、頸椎は前弯、胸椎は後弯、腰椎は前弯をした、緩やかなS字カーブを描いている姿勢になると思います。
そうすることにより、足も背中も首もリラックスすることができます。

運動時での理想の姿勢は、筋肉や関節にかかる負荷が少なく、無理なく、効率よく力を発揮し、身体を動かせる姿勢です。
また、最適な重心を得ている姿勢でもあります。

逆に、悪い姿勢とは、肩が前に出て背中が丸まったような猫背の姿勢。
ストレートネックやスマホネックと言われる、頸椎の前弯が減少し、首が前傾している姿勢。
腰が反りすぎている姿勢。などのことを言います。
筋肉や関節にかかる負荷が多く、最適な重心を得ていない姿勢です。
僧帽筋や首の筋肉が緊張し、肩こりの原因にもなります。
肩こりは、顔や脳への血流が悪くなるので、頭痛や、眼精疲労、視力の低下、集中力の低下などの原因にもなります。
反り腰は腰痛の原因になることもあります。

座った時に足を組んで座るのも、体を左右に歪ませる原因になるのでいい姿勢とは言えないと思います。
理想的な座った姿勢は、骨盤を立てて、背筋を伸ばした姿勢です。

 

理想的な姿勢をすることによるメリットはたくさんあります。

まず挙げられるのが、呼吸がしやすくなるので呼吸機能が向上します。
それに伴い、循環機能が向上し、脳や身体への血流が増え、様々な効果につながります。
姿勢がよくなり、呼吸がしやすくなると、横隔膜が動きやすくなります。
横隔膜が動くようになると、より酸素を取り入れやすくなり、呼吸機能、循環機能がより向上するというプラスの流れを作ります。
横隔膜が動き、広がることは、内臓にも、よい影響を与えます。

また、自然で、筋肉や関節にかかる負荷が少なくなることで、全身がゆるみ、身体がリラックスします。
それにより、筋疲労が軽減します。
特に、肩こりが改善されると、脳への血流がよくなり、脳に酸素が運ばれ、脳が活性化され、集中力を高めることにもつながります。

無駄な緊張がなくなることは、内臓や血流、神経にもいい影響を与えます。

運動時に理想的な姿勢をすることは、股関節や肩甲骨の柔軟性が向上し、パワーの発揮、瞬発力の発揮、持久力の向上、等、高いパフォーマンスを発揮するためには、欠かすことができません。

それだけでなく、視野が広くなり、ものの見方が変わることによりプレーの質も変わってきます。

 

ここまで、理想の姿勢をするメリットを挙げてきましたが、悪い姿勢を正すことにもメリットがあります。

意識して姿勢を正すことの大きなメリットは集中力の強化になるということです。

集中力とは、能力なので、鍛えなければなかなか向上しません。
集中力のない人に、どんなに「集中しろ」と言っても、できないのは、能力が低いからです。
そのような人が、集中力を身につけたければ、集中力を強化するトレーニングをする必要があります。
そのトレーニングに適しているのが、「意識して姿勢を正す」ということです。
なぜかというと、集中力とは、無意識に行う行動を、意識的にやらないようにすることで強化されるからです。
姿勢というのは、ほとんどが無意識にしているものです。
今、この投稿を読んでいる姿勢も、大半の人が意識をしていないのではないでしょうか。
思い出すたびに、無意識にとっている姿勢を、意識して正していけば、だんだん姿勢もよくなっていき、集中力も強化されていくということになります。

今、姿勢を正した人は、ほんの少し集中力が強化されたということです。

 

勉強する時も、読書をする時も、テレビを見る時も、食事をする時も、スマートフォンを操作する時も、スポーツをする時も、
いつでも姿勢を正すということで得られるメリットは、たくさんあります。

思い出すたびに、姿勢を正してみてください。

高校野球の次のステップ。

いよいよ夏の甲子園と言われる全国高校野球選手権大会が開幕します。
高校野球を初め、アマチュア野球は日本の野球の発展に大きな影響を与えてきました。
野球だけでなくスポーツの発展にとても貢献してきたと言えるのではないでしょうか。

今までやってきたやり方を土台に、次のステップに移ることで、よりスポーツの発展に影響を与えられるのではないかと思います。
そのためには、変えていかなくてはいけないことがあると思います。
これは、いままでのやり方がダメというわけではなく、次のステップに進む時期が来ているということです。

そんな考えを書いてみました。

 

多くの現場を見てきて、僕が1番に思うことは、選手の健康、安全を最優先してほしいということです。
最も大切にすることは、「選手の将来である」ということです。

高校野球の甲子園予選を見ていると、連投をして、何百球という球数を投げるのが当たり前になっています。
これは、大学野球でも、少年野球でも同じです。

子供たちや高校生という、まだまだ先のある選手の身体よりも、勝ちが優先されていることに、とても違和感を感じます。

甲子園で何百球投げたと話題になった選手のほとんどが、その後、肩や肘を壊しているという現状があります。
壊していないピッチャーの方が例外といってもいいくらい、多くの選手が肩や肘を壊しています。

壊れるという前例がたくさんあるにもかかわらず、対策をしないで、連投させ、何百球と投げさせるのは、怪我をしろと言っているのと同じだと思います。

さらに、よく見るのが、故障した選手は、治療やリハビリではなく、練習の手伝いに回すことです。
ただでさえ、好きな野球ができなく、精神的にも苦しんでいる選手に、追い打ちをかけるような行為であり、選手の気持ちを一切理解していないと言えると思います。

そういう選手が、やらなければならないことは、治療であり、リハビリです。
それをしっかりやらないと、復帰に時間がかかるだけでなく、復帰できないということも考えられます。
復帰したとしても、しっかりとした、リハビリがなければ、再発の可能性も高くなります。
チームのためを思うなら、練習を手伝うのではなく、チームのために、1日でも早くレベルアップした姿で復帰する、ということだと思います。

選手は、「壊れてもいいから投げたい」と言うかもしれません。
それを止めるのが指導者であり、周りの大人です。

僕は、もし仮に、「故障をしているが、最後だから無理してでも投げたい。」といったような、話をしてくる選手がいたら、「NO」と答えます。

僕も、怪我や故障をたくさん経験してきているので、その選手の気持ちは痛いほど理解できます。
しかし、何がその選手の為になるのかと考えると「全力で今できる、治療であり、リハビリをやる」ということになります。
例えそれが、その試合までに復帰できる可能性が0だとしても、全力で復帰を目指してほしいと思います。
そんな厳しい状況で、今できることに全力で向き合うことができたなら、それは何よりの財産になるからです。
今後の人生に間違えなくプラスになると思います。

また、野球がスポーツである以上、身体を壊してまでやる必要はないし、身体を壊すことを防がなければなりません。
それは、本人だけでなく、野球に関わる全ての人が、認識しなくてはならないことだと思います。
普段から、野球とはそういうもので、スポーツとはそういうものだと、教育していかなくてはなりません。

 

健康、安全を最優先するという意味では、猛暑の中の試合も対策が必要です。

一生に1度しかできない高校野球なのでどうするのがよいのかを大人が考えていかなくてはいけないと思います。
高校野球は観客動員を見ても、とても人気があります。
選手の安全だけでなく、応援に来る生徒や観客の健康、安全も一緒に考えていく必要があると思います。

 

野球に関わるすべての人に、スポーツパーソンシップと選手の将来を最優先するという意識があれば、野球界が今よりも、もっと発展していくのではないかと思います。

夏バテ対策。

夏バテをすると、パフォーマンスが下がるだけでなく、練習ができなくなったり、食欲がなくなり、体重が減ってしまったりと、大きなダメージが残ります。
スポーツをしていると、怪我につながることもあります。
近年、夏の暑さが増し、夏バテをする人も増えてきています。

そこで、僕のやってきた夏バテ対策を紹介したいと思います。
とはいうものの、対策と言っても、たいしたことをしているわけではなく、当たり前のことをしているだけなのですが…。
適度な、食事、睡眠、運動を心がけるということです。

 

特に、食事と水分補給には、気をつけていました。
夏バテ対策とは、熱中症予防でもあり、この季節には、欠かすことができません。

以前、投稿した「水分補給」のやり方が基本ですが、それを、夏は特に、意識します。

練習や試合後に、のどが渇いていないように、運動前や運動中にしっかりと水分補給をするようにします。
食事の前に水分を摂りすぎると、胃液が薄まり、胃腸の働きが弱まり、消化吸収が上手くいかなくなり、食欲の低下につながります。
それを避けるために、運動後はなるべく飲み物は飲まないようにしていました。
逆に言えば、練習中や試合中にしっかりと水分を摂るようにしているということです。

しっかりとした食事をする上で、胃腸の強化は、重要になります。

消化器官の働きを助けるために、暑いときでも、味噌汁などの温かい汁物を摂るようにします。
食事を、ゆっくり、よく噛んで食べることも、消化器官の働きを助けます。
冷たい飲料や食事を避けるようにすることも大切です。

食べるものとしては、たんぱく質と炭水化物をしっかり摂ることが重要です。
それ以外にも、カルシウムやカリウム、マグネシウムなどのミネラルを摂り、筋肉の疲労を軽減するビタミンB群も摂取するように心がけます。
豚肉やウナギなどがビタミンB群を多く含む、食べ物です。

トマトも水分補給に適しているだけでなく、トマトに多く含まれるリコピンは紫外線から身体を守る抗酸化作用もあるために積極的に食べます。
水分を多く含む、野菜やフルーツを上手く使うことも心がけます。

糖質過剰摂取を控えることも、夏バテの対策になると思います。

 

質の高い睡眠を取る対策としては、快適な睡眠環境を作ることが大切です。
室温や湿度を上手くコントロールし、深い眠りに入れるようにします。

入浴やストレッチは、筋肉の緊張をほぐし、睡眠の質を上げるのに効果的です。
自律神経のバランスを整えることも、睡眠に大きく関わってきます。

しっかりとした睡眠を取ることで、疲労の回復につながり、夏バテを防ぐことになります。

身体が疲れすぎると、睡眠の質が落ちるので、適度な運動が大切です。
ただ、競技力の向上には、練習量を確保することも、重要なので、無駄な体力を使わないようにすることも必要です。
無駄に、日に当たらないようにしたり、最低限のウォーミングアップにしたりしていました。

 

日焼けをすることで体力を奪われるので、日焼け止めを塗ることも、対策になります。
紫外線対策は、屋外でやるスポーツでは、考えなくてはなりません。

 

このように、夏バテにならないための対策には、十分な睡眠と規則正しい生活、そしてバランスよい食事が重要です。
3食をバランスよくきちんと食べて、食事の中からしっかりと栄養を摂るとともに、水分や塩分などのミネラルを摂り、自律神経のバランスを維持し、よく眠り、しっかり休む。
これが、夏バテの対策になると思います。
つまり、良い習慣を作ることが夏バテ対策になるということです。

食事、睡眠、運動を見直して、夏を乗り切りましょう。

ブルペンエース。

今まで、さまざまなカテゴリーの野球を見てきましたが、どこのチームにも、ブルペンエースと言われる選手がいます。
ブルペンエースとは、ブルペンでは、いいのに、試合ではいいピッチングができない選手のことを言います。

「ブルペンのボールを試合で投げられたら抑えられるのに」なんて言葉を耳にします。

どこのチームにも存在する「ブルペンエース」について、僕なりの考えを投稿したいと思います。

 

結論から言ってしまうと

ブルペンエース=技術不足

というのが、僕の考え方です。
実際は、ブルペンエースをほとんど見たことがありません。
ブルペンエースと言われる選手も、ブルペンと試合で同じようなピッチングをしています。

 

ブルペンと試合では当然、いろいろな違いがあります。

ブルペンには、審判がいないのでストライク、ボールが曖昧ですが、試合では審判がいて、ストライク、ボールが明確に決まるので、ストライクを投げなくてはなりません。

試合では、バッターがいるので、打たれないようにという意識が働きます。
野手や相手がいるので、自分のペースで投げることが難しくもなります。
ランナーが出れば、サインプレーやランナーを気にして投げることも求められます。

練習のマウンドは、毎回、同じところで練習することが多いので、気になることは、少ないと思いますが、試合では、マウンドの違いやプレートの違いに数球で対応しなくてはなりません。

試合では、投げる球種やコースが1球1球、変わることも考えられます。

そもそも、雰囲気が全く違います。

このように、ブルペンと試合では、違いがあるので、試合の方が、多くのスキルが必要になります。

しかし、今まで、多くのピッチャーを観察してきましたが、ブルペンも試合も同じようなピッチングをする選手が多いと感じています。
ブルペンエースと言われる選手の多くも、ブルペンも試合も同じようなピッチングをしています。

ブルペンエースと言われる選手のブルペンでの投球練習を観てみると、共通点が多くあります。

簡単に言ってしまえば、「いいボールを投げる選手権」をブルペンでしています。
いいボールを求めているので、ブルペンでストライクを投げる練習をしていません。

特に多いのが、力のあるボールはボール球でストライクゾーンには、シュート回転や抜け気味のボールしかこないという選手です。
ストライクゾーンにくるボールが、力のあるボールではなく、その選手の1番、力のあるボールは、ボールゾーンのボールであるということです。
ブルペンでは、カウントがないので、永遠にボール球を投げ続けられますが、試合では、そういうわけにはいきません。
そのような選手は、ストライクゾーンに、力のあるボールは投げられないので、試合では、ストライクを取ることに苦労するか、打たれてしまうかで「ブルペンのボールが投げられれば…」と言われます。
しかし、これは、ブルペン通りのボールを投げていると言えます。

ブルペンエースと言われる選手だけでなく、多くの選手がブルペンでのピッチングが、そのまま、試合で出ています。
ブルペンを観ていたら、そのピッチャーの悪い時のパターンや打たれるボールが想像できます。
試合で、調子の悪い時や疲れてきた時に、その選手の普段のブルペンでしている、投げミスのボールが、多くなるということです。
ブルペンの投げミスが、抜けるボールの選手は、試合でも抜けるボールが出ます。
ブルペンでシュート回転で甘く入ってくる選手は、試合で打たれるのはそのボールが多いということです。

このように、フォームなどのメカニック的な技術や身体操作技術が不足していることが原因になっていることが多いと感じます。

もうひとつ、多いのが、思考技術の不足が原因のケースです。
集中力を発揮する方向を変えるのに時間がかかる選手は、ブルペンでは、問題になりませんが、試合では問題になります。
例えば、ランナー1塁では1塁ランナーに集中し、投球の際には、集中をランナーから打者方向に変えなければなりません。
この切り替えの速さがないとランナーが出た時にパフォーマンスが落ちてしまうことが考えられます。

イメージを作る技術が低いと、ボールのラインをイメージできないので再現性が低く、確率よく理想とするボールを投げることができません。
人によって作るイメージに違いがあり、他人が作っているイメージを知ることはなかなかできませんが、イメージを作ることは、とても重要です。

これは思考技術の一部ですが、思考技術の高さにより、発揮されるパフォーマンスに大きな差が出ます。

 

ブルペンエースと言われる選手は、メカニック的な技術や思考技術といった、投球に必要な技術が不足しているということです。

ピッチャーは「いいボールを投げる選手権」をしているわけではなく、バッターをどうしたら打ち取ることができるのかを考えることが重要です。

不足している技術を探し、そこにアプローチできれば、試合で力を発揮できる選手に近づくのではないでしょうか。

ブルペンでの肩の作り方。

僕がプロ入りしたときの監督がボビー・バレンタイン監督でした。
ボビーの下で野球ができたことが、僕の財産になっています。
その中で、ブルペンでの準備の仕方は、それまで経験したことがない、効率的なやり方でした。

日本のやり方とボビーのやり方、両方を経験して、個人的な意見ですが、日本のやり方は、変えるべきだと思っています。

日本のやり方と比較して紹介したいと思います。

 

まず、日本のやり方を紹介します。
日本のプロ野球でも、主流になっているやり方で、アマチュア野球では、ほとんどのチームが行っているやり方だと思います。

試合に投げる投げないは関係なく、必ず1回投球練習をして肩を作ります。
試合の日は、ブルペンで投げない日はないということです。

早めに1回、肩を作り、休んで出番を待つので最低でも2回、肩を作ってから試合に登板します。
3回、4回、肩を作って試合に出場することもよくあることです。
1度作った肩を、冷やさないようにするので、キャッチボールや投球練習を何度も行います。

それに対して、ボビー・バレンタイン監督が導入していたやり方です。
実は、ボビーのやり方というより、日本以外のやり方といったほうがいいのかもしれません。
僕の知る限り、日本以外の国は、このやり方をしています。(世界中の野球を知っているわけではありませんが…)

そのやり方は、まず、ベンチの指示がない限りキャッチボールすらできません。

ベンチからどうなったら投げるというのが明確に伝えられ、準備をしてくれとなります。
例えば「3番バッターで」や「何番で左バッターがきたら」のようにどうなったら登板するというのが、明確に伝えられます。

キャッチボールを含めて、バッター3人くらいの間で、肩を作らなくてはなりません。
肩ができたらブルペンからベンチに、準備ができたことを伝えます。
もし、間に合わない時には、ブルペンからベンチに連絡し、タイムを使うなどして時間を作ってくれます。

抑えを任されていて、最終回に投げる時は、8回の相手の攻撃が終わった瞬間にブルペンの電話がなり、そこから準備をしていました。
味方の攻撃が3者凡退だと10球も投げられないことになります。

3回肩を作って登板がなければ、もうその試合には出ません。(2008年のシーズン中にブルペンで30球以上投げたことは1度だけ)

ブルペンでの肩を作る回数が増えたり、投球数が増えると、監督に謝られることもありました。
そんな経験は、それまでなかったので、正直驚きました。
そのくらい、ピッチャーの身体を大切にして、どうすることが、ベストに近い形で試合に入れるか考え、協力してくれます。

これが、日本のブルペンのやり方と海外のブルペンのやり方です。

日本のアマチュア野球で、上手くブルペンが機能しているチームは、少ないと思います。
ほぼ全てのチームに、呼び方は様々ですが、ピッチャーの怪我に備えて「保険」や「並行」や「アクシデント要因」と言われる、初回から誰かがブルペンで投げるシステムがあります。

これは、選手のためにならないシステムであると言えます。
なぜなら、ピッチャーライナーが当たるなど、ピッチャーが怪我をして投げられなくなるようなアクシデントがあった時は、アマチュア野球でも、時間を作ってもらえます。
そもそも、そのアクシデントが数年に1回くらいしかありません。

日本には、球数を管理するという発想が、ほとんどないので、少ない球数で肩を作るという発想もありません。
また、監督やコーチが選手に協力的ではないので、どうやったら選手の身体を守れ、ベストパフォーマンスを出せるのかと、考えていないことが原因にあるのではないかと思います。

早く肩を作るということは、慣れたらすぐできるようになります。
実際に、プロ入り後の、3月のオープン戦の1ヶ月でできるようになりました。

肩を早く作るには、投球フォームも関係すると思います。
ここでは、細かい説明はしませんが、立甲やゼロポジションと言われる、肩甲骨と上腕骨が直線に入り、一致した状態を保って投げられる身体操作ができれば、早く肩を作れるだけでなく、好不調の波が少なくできます。
これができないと、肩を作るのや、感覚をつかむのにも時間がかかります。
肩や肘にも負担がかかります。
そういうところから、肩を作るのに時間がかかる選手は、肘を故障する選手が多い傾向にあるように感じます。

 

話をまとめると、海外のブルペンのやり方が日本のブルペンのやり方よりも良いと思うところは、

・投球数が抑えられる。

・1回で肩を作って試合に出場するので、良いパフォーマンスが出しやすい。

・短時間で肩を作ろうとすることで心拍数を上げられる。

・ピッチャーの肩や肘を守れる。

・ゼロポジションを保ったフォームを身につけやすい。

などがあげられます。

このやり方をすると、今までよりも、監督やコーチが大変になります。

試合前から、様々な試合展開をシュミレーションし、試合展開を予測することをしなくてはなりません。

選手の能力をより把握する必要もあります。

監督の決断力も試されるようになります。

 

監督、コーチの苦労によって、選手の身体が守られ、より良いパフォーマンスが出せる確率はあがるので、選手のためにも、試してもらいたいと思います。

自分の目は自分で守る。

前回の投稿で日本人の視力の低下が問題になっているという話をしました。
人によって、物事の見え方が違うのではないか、という話もしました。

今回は、目の機能低下の予防や改善をどのようにしたらよいのか、という話をしようと思います。

 

人間が、何かを見ようとしたときに、使うのが眼球です。

前回も言いましたが、僕は、目の使い方と脳の使い方をトレーニングによって向上させようと思っています。
脳の使い方も重要視する理由は、物を見ているのは目ではなく、脳だからです。
人間は、映像情報をとらえる道具として眼球を使いながら、脳でその映像情報を調整したり、補充することによって、正確な映像を認識しています。

その眼球は、どのように動くのかというと、眼球内眼筋と眼球外眼筋と呼ばれる筋肉組織で動いています。
筋肉なので、トレーニングで機能を上げることができます。

眼球の中にある眼球内眼筋の筋肉組織は、「虹彩」と「毛様体」です。

虹彩は、眼球内に入る光の量を調整することで色を認識する筋肉組織です。

毛様体は、水晶体の厚みを調整することで遠近調整する筋肉組織です。
近くのものを見るときは、水晶体が厚くなり、遠くのものを見るときには、逆に薄くなります。

眼球のまわりにある眼球外眼筋は、6つあり、眼球を複合的に動かす役割を持っています。

毛様体と眼球外眼筋は随意筋(自分の意のままに収縮、運動する筋肉)なので、意識して鍛えることができます。

近眼や老眼は、目のトレーニングが有効であるということが証明されています。
近くの物だけを長時間見つめることによって、目の遠近調整筋の作用が損なわれ、毛様体筋が異常緊張状態になってしまいます。
それが続くと、近視になってしまいます。
近視の人は、水晶体が厚くなったまま、薄くならない状態にあるので、毛様体筋の働きを高めて、自律神経を整えるようにトレーニングしていけば、改善することは可能です。
近視や遠視の予防や改善には、水晶体や毛様体筋、外眼筋といったものから調整することが有効です。

眼球の筋肉を機能しやすい状態に保つことが大切なので、眼筋も、他の筋肉と同じ考え方が必要です。
適度なトレーニングと栄養と睡眠が必要ということです。

使いすぎないように、目を使う時間と目を休ませてあげる時間を自分自身でコントロールしなくてはなりません。

食事は食欲を満たすためではなく、身体機能や脳を活性化させるためにするという考え方が大切です。
好き嫌いの多い、偏食傾向にある人は、近視になるリスクが高いと言えます。
目のためには、糖分を摂り過ぎないで、日頃からビタミンB1を摂取するようにする。
カルシウムとカルシウムの吸収を助けるビタミンDを摂る。(ビタミンDを作るために太陽の光を浴びる)
ビタミンB12は、視力を増進させ、目の疲労を軽減する働きがあるので摂取するようにする。
このように、食に対する意識を上げることも重要です。

目の筋肉に無駄な負担をかけたくないので、明るさの度合いを、適切にすることも大切です。

目の水平が崩れるような姿勢は、脳が補てんする必要があるので、目や脳の疲労につながり、近視の原因になりやすくなります。
なにをするときも、姿勢に気をつけ、物を見るということも、習慣にしなければなりません。

目の良い人は、例えば、人を見たときに、無意識のうちに、小刻みに視点を動かし、その人の全体像を目と脳によって認識する作業をします。
視力が低いと、この作業をせずに全体をぼやっと見ます。そうすると本来使われるはずの目の筋肉が使われないのでどんどん機能が落ちていきます。

遠くのものをしばらく見続けたら、今度は、視線を近くのものに移す。近くのものをしばらく見続けたら、今度は、視線を遠くのものに移す。
このような目の使い方が習慣になっている人は、毛様体筋を上手く使え、水晶体をコントロールできるので視力の低下が起こりにくいと思います。

野球のピッチャーが、肩や肘に負担がかかるような、投げ方のクセを持っていると、故障のリスクが上がるように、目の使い方も、目の筋肉に負担がかかるような、使い方のクセがあれば、目にとってリスクになります。
そのようなクセは、しっかり改善していくことが必要になります。

目と脳の関係は密接で、脳は目の衰えを補てんしてくれる一方で、目の異常が限界を超えた時には脳に対する悪影響も出ます。
目のトレーニングによる効果は、目だけでなく、脳の活性化にも通じると思っています。

 

2回にわたって、目について書きましたが、簡単にどのようにすればいいのかというと

「目と脳に良い習慣を身につけよう」

ということです。

ゲームやスマートフォン、テレビなどを、どんどん切り捨てるのではなく、適切な遊び方とバランスの取れた時間配分をしっかり理解することが大切だと思います。

適切な明るさで、適切な姿勢で、目を使うように心がける。
質のいい睡眠と十分な睡眠時間を持つ。
バランスの摂れた食生活をする。

そして、ぜひ、スポーツを習慣の中に入れてほしいと思います。
スポーツは、眼球の使い方を身につけるのに適していると思います。
ストレスに対しても、目に対しても、脳に対しても、とてもよい影響を与えられるからです。

 

目に対する知識と、よい習慣を作ることにより「自分の目は自分で守る」という意識を持ってほしいと思います。

今回の投稿が、日本人の問題となっている、視力の低下の予防や改善につながればと思います。

日本人の視力の低下。

今、日本人は、目の悪い人がとても増えています。
現在、裸眼視力が1.0未満の子供は小学生で約3割、中学生で約5割、高校生で約7割いると言われ、さらに、年々増加傾向にあると言われています。
近視の子供が増えていることは、日本の大きな問題だと思っています。
目はスポーツを行う上でも、とても重要ですが、生きていく上でも、とても重要です。

そんな目の話をしていこうと思います。

 

あまり知られていないかもしれませんが、遺伝による近視は5%未満。約95%は後天的な要因からなると言われています。

同じ時間、スマホやゲームをやったり、勉強や読書をしても視力が低下する人もいれば、まったく低下しない人もいます。
視力が低下しやすい目の使い方と視力が低下しにくい目の使い方があるということです。
物事に対する取り組み方や目の使い方を変えることで目を守ることも可能です。

子供は、視力が落ちることで、学校で黒板の字もよく見えなくなり、字を書く時にもノートに顔を近づけるため姿勢が悪くなりやすくなります。
姿勢が悪くなると、脳に酸素がいきにくくなり、集中力の低下につながります。
集中力の低下は成績の低下にもつながります。
スポーツでは、姿勢が悪くなると、重心のコントロールも難しくなり、力を出しにくくなったり、軸を作りにくくなったりもします。

肉体的な弊害だけでなく、ストレスなど、精神的な弊害も出てきます。
特に、子供にとってメガネは、精神的な負担につながり、消極的で内向的な傾向になりやすくなります。
ひどい場合には、いじめにつながることもあります。

視力が落ちる原因として、思いつくことは、テレビやゲームやスマホやパソコンではないかと思います。
テレビやスマホの画面を長時間見つめると、知らずに視野が狭くなり、眼の中の筋肉が異常緊張を引き起こし近視を発生させる原因にもなります。
テレビゲームやスマホやパソコンは、画面に近づいて、目の激しい視点移動を繰り返し行うので、眼精疲労や、首から肩にかけての凝りの原因になりやすく、普通にテレビを見る以上に、視力低下を招きやすくなります。
また、全神経と視線を画面に1点集中するために、視野が狭くなってしまう場合がよくあります。
視野が狭くなることはスポーツで上を目指す人にとっては、マイナスです。

だからといって、これが悪い、あれが悪いと、どんどん切り捨てるのは、今の時代を考えたら難しく、ストレスになることもあると思います。

しかし、同じような生活をしていても、視力が低下しない人もいます。
視力低下の要因で問題になるのは、「やっていること」よりも「目の使い方」です。
必要なことは、目の使い方や生活習慣と、バランスの取れた時間配分をしっかり理解することだと思います。

誤った方法で目を酷使すると、視野を狭くしてしまい、さらには、視力低下を引き起こしてしまう原因にもなります。

僕は、目に対する知識を得て、目の使い方を変えることができれば、目の能力を向上させることは可能だと思っています。

僕のトレーニングを受けたことがある人は、わかると思いますが、僕は、目と脳の使い方をとても重要だと考えています。
しかし、そのようなトレーニングが見つからなかったので、僕が考えた、独自のトレーニングを取り入れています。

人間は、外の世界の情報を五感を使って得ていますが、その約80%を視覚から得ていると言われています。
これだけでも、目がとても大切であることがわかると思います。

脳の使い方も、重要視する理由は、物を見ているのは目ではなく、脳だからです。
人間は、映像情報をとらえる道具として眼球を使いながら、脳でその映像情報を調整したり、補充することによって、正確な映像を認識しています。

眼球の使い方と周辺視野を上手く使うことで集中力を高めたり、上手くリラックスできるようにもなります。

今の技術では、周辺視野を含めた、他人の、ものの見え方を知ることはできませんが、僕は、ここに大きな違いがあると思っています。
一流のバッターは、150キロのボールが、どのくらいのスピードに見えているのでしょうか。
ボールが止まって見えたと言う人もいました。

サッカーの一流選手は、視野が広いと言われていますが、どのようにまわりを見ているのでしょうか。

まわりの動きが、今までよりも、ゆっくりに見えるようにトレーニングしたり、目に入ってこなかった場所を見られるように、目の使い方と脳の使い方を変えることで、パフォーマンス向上につなげられるかもしれません。

スポーツ選手だけでなく、視力がいい人は、どのように眼球を動かして、どのようにものを見ているのでしょうか。
そこをレベルアップできたら、今までと違った世界が見られるかもしれません。

近視のような、視力の低下の予防や改善につながるかもしれません。

他の人との違いが、なかなかわかりませんが、人によって、全然違ったものの見方をしています。

もし、そんなことを考えたことがなかった人は、考えるきっかけにしてほしいと思います。

野球選手の肘の故障。

今の野球界の現状は、小学生からメジャーリーガーまで、肩や肘を故障する選手がたくさんいます。
僕自身も、右肘を2回、右肩を1回手術をしています。
その間に、自分の身体やトレーニングを勉強して、初めて自分の投げ方、身体の使い方が関節に負担をかけていて、自分の身体が壊れるべくして壊れたことを知りました。
投げ方と身体の使い方を変えたら肩、肘の張りが減り、痛くなることがなくなりました。

今まで経験したことや理解したことを少しでも伝えることができたらと思います。

 

僕は、怪我と故障は違うと考えています。
打球が当たったり、接触した時に負傷するのが怪我です。
繰り返し投げ続けることにより肩や肘に痛みが出るのを故障だと思っています。
故障に対して、予防の意識を持つことで、減らすことができると考えています。

故障を減らすには、関節に負担が少ない身体の使い方、フォームを身に付けることです。
(しかし、このフォームは、抑えることと必ずしも同じとは限りません。)

僕が、手術をした時に、どれも手術が決まるのは、CT画像やMRI画像だけではなく、投げられるか投げられないかで決まりました。
試合に出ている時は、リハビリでと言われ、試合で投げられないと言うと手術へとなります。
これは、トミー・ジョン手術と言われる肘の内側側副靱帯の再建手術も同じです。

実際に病院に診察に行ったときの話で、僕と、一緒に診察に行った別の選手の内側側副靱帯の損傷は、MRIの画像上は、同じくらいと言われました。
しかし、僕は、手術をせずにリハビリで、一緒に行った別の選手は手術になりました。
それは、今、どのくらい投げることができているのかなどの問診やストレステストなどで決まります。

僕の内側側副靱帯は、手術が適用と言われてもおかしくない状態だったとも言えると思います。
でも、僕は、トミー・ジョン手術を受けたことがありません。
画像上の損傷が同じくらいでも、投げられなくなったら手術をしようとなります。

つまり、手術をするかしないかは、レントゲンやMRIの画像ではなく、投げ方で決まるということが言えます。

その投げ方をもう少し細かく説明すると、投球動作中の関節にかかる負担を減らせるか、ということです。
関節に負担がかかるタイミングでそれを守る筋肉を使えるかどうかでもあります。

筋肉とは、収縮しやすい角度と収縮しにくい角度があり、筋肉が働きやすいフォームで投げることが、肩や肘の故障を防ぐためには重要になります。

投球動作中は腕が高速で振られているために、その一瞬に、意識して筋肉に収縮を入れることは、難易度が高すぎます。
だから、練習やトレーニングで、この瞬間に、ここの筋肉を働かせるということを、身体に覚えこませ、無意識に、確実に、できるようにしなければなりません。

これを教育する練習やトレーニングをしっかりしないと、同じ人が、何度も故障することになってしまいます。
その反対に、これを身体が覚えた選手は、なかなか故障をしません。

内側側副靱帯自体の強度を考えたら、1球で断裂してもおかしくない強度しかないために、しっかり筋肉に守ってもらわなければいけません。

痛くなりノースローにして様子を見ているだけでは、投げ始めれば、また、痛くなるだけです。
休むだけではなく、フォームを見直して、肘や肩に負担がかからない、身体操作を身につけなければ、その場しのぎにしかなりません。
同じ人が同じ箇所を故障し続けている現状を考えると、故障した後の治療ばかりに目がいき、予防の意識が足りないと感じます。

1度でも痛くなったことがある選手は、フォームを見直す必要があると思います。

とはいえ、ピッチャーとは、バッターを抑えることが、目的であり、点を与えないことが仕事です。
怪我をしないことは、目的ではなく、怪我をしないことが目的なら、軽く投げ続ければ良いということになります。

手術も、ただ投げられるようにするのではなく、以前のパフォーマンスを取り戻すため、または、もっとパフォーマンスを向上させるために選択します。

そこが難しいところだとは、思っています。

しかし、僕の個人的な意見では、

パフォーマンス向上 < 怪我の予防

であってほしいと思っています。

まずは、故障しない身体操作、フォームを理解した上で、バッターを抑えることを考えてほしいと思います。

これは、僕の経験から、打たれて試合で負けることよりも、リハビリで試合に出られないことの方が断然、面白くないし、苦しいからです。

なかなかプレーしているときは、抑えることしか、考えられないとは思いますが、身体を守る予防の意識を忘れないでほしいと思います。

ルールとフェアプレーとスポーツパーソンシップ

今まで、スポーツパーソンシップについて、何度か投稿してきましたが、今回は、その中の「フェアプレー」について書きたいと思います。

スポーツには、ルールがあります。スポーツに関わるにあたり、「ルールを守る」「フェアプレー」「スポーツパーソンシップ」の違いを理解することで、よりスポーツを楽しむことができると思います。

先ず、簡単にそれぞれを説明すると、

・ルールを守る
これは、そのまま、そこにあるルールを守るということです。

・フェアプレー
プレーヤー(味方と相手)、ルール、審判を尊重し全力を尽くすことです。
そうすることにより、より良い試合ができるようになります。
そのルールを運用し試合を円滑に進めるサポートをするのが審判です。

・スポーツパーソンシップ
「感情の抑制」「相手に対する思いやり」「フェアプレー」の精神を持つことです。
優れた人格を身に付けるための心構えであり、スポーツを通じて少しずつ身に付ける人格的な総合力のことだと言えます。
その競技の歴史的な成り立ち、伝統を学び、理解した上で、その競技自体を尊重する心を持つことも大事な要素です。

この3つがどのように違うかというと、スポーツパーソンシップの中にフェアプレーがあり、フェアプレーの中にルールを守るということがあるということです。

ルールを守るだけではフェアプレーとは言えません。

フェアプレーをするだけではスポーツパーソンシップに則っているとも言えません。

当然、ルールを守るだけでは、スポーツパーソンシップに則っているとも言えません。

逆に、スポーツパーソンシップに則ることはフェアプレーをするということであり、フェアプレーをするということは、ルールを守るということになります。

スポーツパーソンシップとフェアプレーの違いは、フェアプレーとは、プレーヤー(味方と相手)、ルール、審判を尊重し全力を尽くすことで、スポーツパーソンシップとは、スポーツパーソンが持つ、スポーツ精神であり、スポーツを行う心構えを言います。
つまり、競技中だけでなく、競技を離れても発揮しなくてはいけないのが、スポーツパーソンシップです。
フェアプレーとは、競技中に発揮するもので、スポーツパーソンシップとは、スポーツを離れても発揮できる人格的な総合力のことを言います。

ルールを守ることとフェアプレーの違いは、フェアプレーは、ルールを守るだけでなく、プレーヤー(味方と相手)、ルール、審判を尊重するということと、勝利を目指し全力を尽くすということです。

相手への尊重がなく、ルールを守るというだけでは、ルール内なら相手を蹴落としたり、怪我をさせても良いということになってしまいます。
また、お互いが全力でプレーしてこそ、良いゲームになるので、自分のためにも、相手のためにも全力でプレーすることが大切です。

ルールへの尊重がなく、ルールを守るというだけでは、反則にならないギリギリまでなら良いということになってしまいます。
そのルールがなぜできたか、という本質を考えてプレーすることがルールを尊重するということです。
ルールの本質とは、暴力をなくすことや、相手と条件を同じにするためや、ルールを作ることにより難易度を上げ、より楽しめるようにするということです。

審判への尊重がなく、ルールを守るというだけでは、審判を騙したり、見つからなければ良いということになってしまいます。
自分が思っていた判定と違う判定が出た時に、審判を責めることにもつながります。

このように、プレーヤー、ルール、審判を尊重せずに、ルールを守れば良いという考えはフェアプレーとは言えません。

スポーツをするにあたり、これはルールを守っているのか。
守っているなら、さらに、フェアプレーなのか。
フェアプレーなら、さらに、スポーツパーソンシップに則っているのか。

こう考えることが重要です。

スポーツパーソンシップからハラスメントについて考える。

「スポーツパーソンシップからハラスメントについて考える。」というセミナーを開催することになりました。

ハラスメントとは、いろいろな場面での「いじめ、嫌がらせ」を言います。
他者に対する発言や行動で本人の意図には関係なく、相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与えることがハラスメントです。

今、スポーツ界では、指導者によるハラスメントが注目されています。
僕が、スポーツに長く関わってきた中で、多くのチームで、パワハラと言われてもおかしくないことが起こっています。

ハラスメントは、スポーツの現場だけでなく、職場や学校など、様々なところで問題になっている社会的な問題です。

しかし、なかなか解決できていない現状があります。

ハラスメントをすべて解決することは、本当に難しいことですが、今回のセミナーを通じ、スポーツやハラスメントについて、理解を深めていき、ハラスメントの予防や改善のヒントになればと思っています。

 

僕は、スポーツの価値のひとつに、人格の形成、道徳教育プログラムの位置付けがあることだと思っています。
スポーツとは、スポーツパーソンシップに則って行われます。
スポーツパーソンシップとは、自分を取り巻く様々なものを「尊重する」ということです。

スポーツを尊重し、選手を尊重していれば、練習を強制することも、強制的に何かをさせることも、ましてや、選手にファウルをさせることも起こりません。
罵声を浴びせたり、暴力を振るうことも起こりません。
チームメートへの尊重があれば、嫌がらせやいじめも起こらないと思います。

自制を保ち、自分の感情をコントロールすることも、相手が「どんなことを言われたら不快に思うか」「どんなことをされたら不快に思うか」という、他人の感情を想像し、思いやりを持つこともスポーツで身につけることができます。

自分や他人を冷静に評価することができ、違う立場や価値観の人の存在を認めることや相手を尊重し、弱い者いじめをしないことは、スポーツパーソンに求められる基本的なことです。
スポーツでは、コミュニケーションは、とても重要です。
コミュニケーションというのは単に会話をしていればいいというものではなく、価値観が多様化していることや相手との価値観の違いを認識した上で、違う価値観の人も受け入れ、相手を尊重することが大切です。

スポーツで、フェアプレーを学ぶことにより、社会のルールを尊重し、フェアに行動することにもつながります。

このようなことからも、スポーツパーソンシップを理解し、実行することで、ハラスメントの予防や改善に繋がるのではないかと考えています。

 

スポーツやハラスメントについて、みなさんと一緒に理解を深めていきたいと思っています。

よろしくお願いします。

環境の僅かな違いから結果が変わる。

前回、ボールの縫い目の違いの投稿をしましたが、今回は縫い目だけでなく、野球ボールと環境が僅かに変わるだけで、野球が変わるという話をしようと思います。

プロ野球は、2011年に統一球になり、ホームランが激減し打率までもが下がりました。
正直、反発係数が僅かに変わるだけで、こんなにも野球が変わるのかと驚きました。

ボールが環境から受ける影響や、環境から身体が受ける影響により、パフォーマンスや結果が変わってきます。

ボールが環境から受ける影響とは、風によってボールが伸びたり、沈んだりします。
千葉マリンスタジアム(ZOZOマリンスタジアム)で何度も投げたことがあるので、風の影響で変化球の変化が変わったり、ストレートの軌道が変わったりすることを経験してきました。
マウンドの固さや土の質によってもパフォーマンスが変わります。
気温や気圧によっても、空気抵抗が変わるので打球の飛距離が変わります。
雨や湿気によってボールが重くなったりもします。
「湿気で重くなったぐらいで変わらないだろ」と思うかもしれませんが、ピッチャーはとても敏感です。
硬式野球をしているピッチャーが「軟式ボールを投げたら、軽すぎて肩や肘を痛めるから投げられない」と言う人がいるくらいです。軟式球と硬式球の重さの違いは、僅か10グラム以下です。例えが悪いかもしれませんが、この差は、小さじ2杯以下です。
これで投げられないというのも問題だと思いますが、そのくらいボールの重さに敏感です。

環境から身体が受ける影響とは、気温や湿度によって汗の量が変わります。環境により集中力を欠いたりもします。緊張やプレッシャーにより心拍数など、身体に変化がでます。

ボールの皮の質や手との相性、気圧や湿度などによって、パフォーマンスに違いが出ます。
様々な要素が絡み合いパフォーマンスが決まります。

僕は、手に汗をよくかくので、とにかく、梅雨時の西武ドームのような湿気の多い球場は苦手でした。
僕の場合は、汗で滑るようになった手の湿り具合をコントロールするためにロージンを使います。

逆に、ロージンを使わないような選手は、手にあまり汗をかかないタイプの選手だと思います。そのような選手は、湿気があった方が投げやすいため、手に汗を付けたり、指を舐めたり、ボールを手でこねたりして、投げやすくしています。

アメリカでは、ボールが滑ると言われますが、日本のボールと使っている皮が違うことと、日本よりも空気が乾燥していることで、滑りやすくなります。
シアトルからマイアミまで約4400キロ離れているように、球場により環境も大きく異なります。
日本より、ボールへの対応も、環境への対応も、はるかに難しいことが想像できます。

アメリカは日本とは違って、砂漠の近くの球場や標高約1600メートルにある球場など、球場によって環境がかなり違います。
標高約1600メートルにあるコロラド・ロッキーズの本拠地のクアーズ・フィールドは、気圧が低く、打球が飛ぶことからメジャーで最も打者が有利な球場と言われています。
コロラド州には、砂漠もあるので乾燥もしています。

次に打者有利と言われているのが、アリゾナ・ダイヤモンドバックスの本拠地のチェイス・フィールドです。
アリゾナの砂漠の中にあるので、気温が高く乾燥しているため、打球が飛びます。
打球がよく飛ぶだけでなく、乾燥しているため、ボールが滑りやすく、ピッチャーがコントロールをつけることが難しいのと、回転数が上がりにくくなると思います。

この2つの球場とも、回転数が必要なスライダーやカーブよりも回転数を抑えたいフォークやスプリットのほうが有効になりやすいと思います。(コントロールは難しいですが)
野茂投手がクアーズ・フィールドでノーヒットノーランをしたことと、平野投手がチェイス・フィールドを本拠地にスプリットを武器に活躍していることは、もしかしたら、関係しているのかもしれません。

野球では、相手との勝負以外にも、環境により、どのような影響があるのかを理解し、対応する、対応力も勝敗を分ける大切なスキルになるということがわかると思います。

ボールの僅かな違いから結果が変わる。

日本のプロ野球とメジャーリーグの違いについての話題になると「必ずボールが違う」という話になります。
ボールが変わるだけで、そんなに変わるのかと思われるかもしれませんが、僅かな違いが、大きく影響するのが野球です。
実は野球以上に、サッカーもボールによって、大きく変わるスポーツに思えます。
そんなボールの話をしていこうと思います。

野球のストレートも変化球もサッカーのカーブやブレ球と言われる無回転シュートもボールの皮をつなぎ合わせる縫い目によって生まれています。

野球のピッチャーが投げる球種の、ほぼすべてが、回転数が多いほど変化する、ストレート、シンカー、カーブ、スライダー系と重力の力で自然の軌道を描く、フォーク、スプリット系です。
ストレートを変化すると表現したのは、縦回転が増えるほど浮力が生まれ、落ちにくくなる。つまり、上方向に変化しているとも言えるからです。
フォークやスプリットは、縦の回転数を減らして浮力を少なくすることにより、重力の力で自然の軌道を描く。つまり、変化が少ないと言えます。
野球は、ストレートを基準にボールを見るので、フォークボールを落ちたと表現しますが、重力通りの自然の軌道がフォークボールで重力とは反対方向に伸びているのが、ストレートになります。

先ほど、「ほぼすべて」と言いましたが、その「ほぼすべて」に当てはまらないボールが無回転を意図的に投げるナックルボールです。回転数が多いほど変化する他の球種とは違い、ナックルは回転数が少ないほど変化するボールです。
サッカーのブレ球と言われる、無回転シュートは野球のナックルに近いボールになります。

ナックル以外の変化球は、回転軸の違いで生まれます。回転した方向にボールが変化するということです。

ナックルを含め、ボールが変化する理由が縫い目があるからです。

実は、野球ボールの108個ある縫い目が、研究を難しくし、データを集めにくくしています。
データを集めようと研究しても、縫い目の幅や高さが数ミリ変わるだけでも、違うデータになってしまうからです。

数年前に、野球の流体力学を研究している専門家に、同じ、打球速度、回転数、回転軸、打ち出し角度の打球で、フォーシームの打球とツーシームの打球では、どのくらい飛距離に差が出るのかを聞いたことがあります。
答えは、「同じだ」と言われました。
理由は、飛距離は、気圧や風などの条件が全て同じなら、初速、打ち出し角度、回転軸、回転数で決まるとのことでした。
僕の感覚では、違うと思っています。
ツーシームで遠投をしたら、フォーシームで遠投するよりも圧倒的にボールが伸びていかないからです。
僕は、打たれた打球がツーシームの打球になるように計算して投げていました。それが全て無意味だったことになってしまいます。
しかし、感覚だけで、データを持ち合わせていないので、何も反論できなかったことを覚えています。

理論上は、ピッチャーの投球もリリースの瞬間の、初速、回転数、回転軸、ボールの方向で到達点も変化量も決まると言われてますが、僕は、縫い目やボールの僅かな個体差によって変わると思っています。
傷のついたボールの傷を横に置いて縦回転のボールを投げたら、傷のある方に曲がります。この説明ができません。
プロ野球やメジャーリーグの試合で、直ぐにボールを替えるのは、このような理由もあるのではないでしょうか。

ボールが僅かに違うだけで、変わってしまうのが野球の難しさです。

野球だけでなくサッカーもボールが僅かに変わるだけで、ボールの軌道が変わってしまいます。

僕が小さい時は無回転シュートというのが今ほど、効果的なシュートではありませんでした。ブレ球というのも聞いたことがありませんでした。

それは、昔のボールは、今よりも多い枚数の、五角形と六角形の皮をつなぎ合わせてできていたからだと思います。現在このようなボールはワールドカップ等では使われない。

このつなぎ合わせる皮が、少ない方が無回転のボールは変化します。
子供が遊ぶ、柔らかいゴムボールは、つなぎ目がないので、蹴ったらどんな回転をかけようが、ブレ球にしかならないのは、そのためです。

おそらく、ボールを作る技術が上がり、少ない皮の枚数でボールを作れるようになったのではないかと思います。

今も五角形と六角形の皮でできたボールもありますが、ワールドカップなど、プロの試合で使うボールの方が、無回転のボールは変化が大きくなります。
一時期、フリーキックやロングシュート、ミドルシュートでのゴールが量産されましたが、今はそれほどでもなくなっています。最近は、無回転のボールの変化が大きくなりすぎないようにボールが変わってきたように思えます。

無回転シュートでのゴールが圧倒的に減っていて、特に、フリーキックで無回転シュートでゴールする場面を見ることが少なくなったように感じます。
無回転シュートでゴールする確率が減ったことにより、無回転シュートでゴールを狙う選手が減ったので、ますますゴールが見られなくなったのだと思います。

ボールが変わることにより、戦術が変わるくらい、サッカーも僅かなボールの違いによって変わります。

 

野球ボールもサッカーボールも、とても奥の深い道具だということが言えます。

そんな視点でワールドカップを見るのも面白いと思います。

ウエイトトレーニングはした方がいい?

よく「ウエイトトレーニングをした方がいいですか」と聞かれます。
僕の答えは「やる人と目的による」です。

どのような人ならしてもいいのかというと、脳を上手く使える、センスがある人はしても良いと思います。

逆に、センスがない人で、目的が、最大筋力の向上、筋肥大、筋持久力の向上のどれかの人には、オススメはしません。
ウエイトトレーニングをすることにより、球が遅くなったり、動きが悪くなったり、怪我をしたりと、野球のパフォーマンスに繋がらなかった選手を相当数見てきました。
野球の経験者なら、そういう選手を、必ずと言っていいほど、見たことがあるのではないでしょうか。

メジャーリーガーやプロ野球選手は多くの選手がウエイトトレーニングをやっています。
それを真似して、ウエイトトレーニングを行ったところで、そういう選手と同じような効果はなかなか得られないのが現状だと思います。
脳の使い方が優れている、センスがある人がトレーニングを続ければ、野球のパフォーマンス向上に繋がります。
メジャーリーガーはセンスのある人の集まりで、センスがなければメジャーまで上がってこられないので、ウエイトトレーニングをすることでパフォーマンスが上がる選手ばかりではないかと思います。

僕は、脳の使い方が上手くない、センスのない人のウエイトトレーニングの目的が、最大筋力の向上、筋肥大、筋持久力の向上のどれかなら、野球のパフォーマンス向上に、たいして効果が見込めないと思っています。(現状を見ればそうなっている。)
なぜかというと、これらを目的にウエイトトレーニングを行う場合、大切なことが、負荷、回数、セット数、インターバルをそれぞれ適切に行うことです。

諸説ありますが…

最大筋力の向上なら、2〜5回しかあげられない重さ(1RMの90%以上の重さ)で3セット以上、セット間のインターバル3〜5分
筋肥大なら、8〜12回しかあげられない重さ(1RMの80%以上の重さ)で3セット以上、セット間のインターバル40〜90秒
筋持久力の向上なら、15〜30回しかあげられない重さ(1RMの30%以上の重さ)で、3セット以上、セット間のインターバル15〜30秒

どれも限界までやることが大切です。

しかし、センスがない人は、脳を上手く使えないので、適切な負荷をかけることが難しいです。
人間の脳は本能的に身体を守るためにブレーキをかけます。脳を上手く使える人でも、持っている筋肉の80%〜90%しか力を出せないと言われています。
脳を上手く使えない人は60%くらいしか、力を出せないと言われています。

脳が無意識にブレーキをかけて、60%の力しか出せなければ、適切な負荷になりません。
適切な負荷をかけて、適切な回数をトレーニングしなければ、たいした効果が期待できません。

例えば、
「ベンチプレス、100キロをあげられる筋肉を持った、脳を上手く使えるセンスのある人が筋肥大をしたいとします。その人の脳が無意識に10%分、ブレーキをかけ1RMは90キロ(90キロが1回上がる)だとします。
筋肥大したいので90キロの80%の重さは72キロなので、72キロの重りでトレーニングします。」

「ベンチプレス、100キロをあげられる筋肉を持った、脳を上手く使えないセンスのない人が筋肥大をしたいとします。その人の脳が無意識に40%分、ブレーキをかけ1RMは60キロだとします。
筋肥大なので60キロの80%の重さは48キロなので48キロでトレーニングします。」

脳を上手く使えるか使えないかで、こんなに差が出ます。
48キロは、脳を上手く使える人にとっては、筋持久力に目的を置いた時の負荷です。
これでは、効果がなかなか期待できないのがわかると思います。
これが僕の、センスのない人にウエイトトレーニングを勧めない理由です。

負荷のかけ方や回数に、諸説あるというのが、その証拠なのではないでしょうか。
脳を使う能力がわからないと適切な負荷がわからないので、いろいろな説が出てきてしまいます。

このような理由からも「センスを鍛える」ということが重要であるという、僕の考えに繋がります。

このトレーニングは、良い、悪いのような議論を良く目にしますが、僕が重要だと思うのは、トレーニングよりも、トレーニングをやる人のセンスだと思っています。
センスがある人は、大袈裟な言い方をすれば、歩いてるだけで効果的なトレーニングにします。
逆に、センスのない人は、どんなに良いと言われてるトレーニングをしても、センスがある人と同じような効果は得られません。
同じトレーニングをしても、やる人によって、成果に大きな差が出てしまいます。

僕が、大切だと思うことは、少しでも、今よりも、センスを磨くことです。
センスが磨かれれば、トレーニングの効率も上がり、新しく可能性が生まれてくると思っています。

 

以前に書いた投稿です。
センスとは
センスを身につけることの大切さ

そのセンスを向上させる手助けができたらと思います。

水分補給

水分補給は、競技者だけでなく、生きていく上でとても大切です。
少し意識するだけで身体に変化を感じることができると思います。
ここでは、僕の水分補給に対する考え方と実際にプレーしていた時に、行っていたやり方を紹介したいと思います。

 

必要な水分量には、個人差があります。
身体の大きさや代謝、その日の体調、気温や湿度などの環境条件、競技種目やポジションなどの活動レベル等によって決まるので個人差だけでなく、同じ人でも日によって大きく変わります。

あくまで僕のやり方なので自分にあったやり方を見つけるヒントにしていただけたらと思います。


現役時代のある1週間の摂取した飲み物の量です。
日によってかなりの違いがあることがわかると思います。
ちなみに、お酒は含まれていません。

僕は現役時代、食べた食べ物と摂取した水分量をすべて記録していました。
食べ物を記録することにより、大体のその日の摂取カロリーを把握していました。
心拍計をつけていたので、その日の消費カロリーを参考に、大まかな活動レベルを把握することができていました。

摂取カロリーと消費カロリーを見て、体重計に乗り、自分にとって必要な水分量を把握していきました。

もし、摂取カロリーと消費カロリーが同じくらいなのに、体重が減っていたら水分が不足しているということになります。
これを毎日続けていたので、この季節の試合だからこのくらい。このくらいのレベルの練習だからこのくらい。といったように、どのくらいの水分を摂った方がいいのか感覚でわかるようになりました。


上のグラフはある1週間の消費カロリーと摂取カロリーです。
色のついていないグラフが消費カロリー、色の付いたグラフが摂取カロリーです。
毎日確実に同じくらいにするというよりは、柔軟に数日単位で同じくらいになるように心掛けていました。
体重を増やしたいときは摂取カロリーを消費カロリーよりも増やすようにして、逆に、体重を減らしたいときは摂取カロリーを少なくしていました。
実際、体重のコントロールには、カロリーだけでなく食べるメニューやタイミング、食べ方、水分、脳の使い方、トレーニングメニュー等、様々な要素が関係しますが、カロリーを気にするやり方だけでもかなりの効果がありました。

 

人間の体にとって、水分はとても重要です。
人間の体の多くは水分であり、人は血液により、身体のすみずみに酸素や栄養を運んでいます。
それだけでなく老廃物を体外へ出す役割もしています。

競技中の選手は大量の汗をかくため、体内から大量の水分が失われます。そんな状況で十分な水分補給を行わなければ筋肉にも悪影響を及ぼし、怪我のリスクが上がります。
集中力の低下が起こったり、脱水症状や筋肉がつったり(筋痙攣)、熱中症にも繋がる可能性があります。
水分補給をすることにより、体の水分を正常な状態にすることで、健康面や安全面で問題が生じたり、パフォーマンスが低下する可能性を抑えることができます。

発汗で失われた体内の水分補給だけでなく、激しい運動をすると、人間の身体は大量の熱を生み出します。水分補給は体温を安全なレベルに保つ体温調整の役割もあります。

どのように水分補給をしていたかというと、
とにかく、こまめに水分補給をすることを心掛けていました。 

朝は毎日、水、牛乳、フルーツジュースで500ml~600mlを飲みます。
練習や試合中は、水、経口補水液、オレンジジュース、スポーツドリンクを飲みます。
ミネラルを摂ることはもちろんですが、脳のエネルギーになる糖を摂ることも大事にしていました。
量はその日の気候や活動レベルによって変わりますが、先発で長いイニングを投げる時は、2.5L以上飲むこともあります。
競技後やトレーニング直後は、水、オレンジジュース、牛乳をプロテインと一緒に飲みます。
これは、たんぱく質とカルシウム、ビタミンを摂りたいからです。
それ以降は、フルーツジュースと牛乳とアーモンドミルクを多少飲む以外はほとんど水しか飲みません。
筋肉痛がある時のような、筋肉に疲労がある時は、寝る前にプロテインを飲んでいました。

飲み物はこのように飲んでいましたが、なるべく、水分は食べ物から摂るように心掛けていました。
特に、野菜やフルーツは、水分を多く含んでいます。食事中は飲み物は一切飲まずにトマトやフルーツを食べるようにしていました。(フルーツによっては、食事の1番初めに食べます。)
野菜やフルーツだけでなく、食事にも、多くの水分が含まれているので、バランスのとれた食生活をすることが、栄養の面でも、水分補給の面でも、大切だと思います。

以上が現役の時の水分の摂り方です。

 

これが正解というわけではなく、僕自身が、自分の身体を実験台にして、こうしたらどうなるかということを繰り返して見つけたやり方です。
僕の身体にはあったやり方ですが、他の人に適しているかはわかりません。
このようにすることによって、どのくらいパフォーマンスが上がったのかはわかりませんが、自分の身体を知ることはできました。
スポーツでは、自分を知るということは、大きな武器になります。そういう面では、価値のある取り組みだったのかなと思います。

 

なにか少しでも、上を目指す選手の手助けになったらと思います。